自動車産業:生産コストを下げれなければ引き続き輸入しなければならない
2017年10月13日付 VietnamPlus 紙
もしベトナムの生産コストが、生産コスト、輸入税、梱包輸送費を含めた外国からの輸入よりも低ければ、企業は喜んで現地調達化するところだが、そうでなければ企業は輸入しなければならない。
これは、商工省によって10月12日にハノイにて行われた「ベトナムにおける自動車産業と生産ネットワーク発展の機会」というシンポジウムにおいて、ベトナム自動車工業会(VAMA)の提唱で議論された課題の一つである。
国産化には生産コストの引き下げの必要がある
VAMAの代表によると、ベトナムはASEAN第3位に位置する1億人という人口や、この数年自動車の需要は伸び続けていることから、市場に大きな可能性を持っている。
しかしながら、VAMA政策委員会のファム・アイン・トゥアン委員長によると、国内で自動車を生産するコストはタイやインドネシアに比べて20パーセントほど割高である。
2018年から輸出入の関税が0%になることによる、国内の自動車市場への影響は小さくない。その時には、国内自動車産業の存在をおびやかすほどに自動車の輸入台数が急増するであろう。
トゥアン氏によると、生産コストを下げるには生産力を向上させるところから始めて、そこから現地調達化を強化していく必要がある。しかしながら、部品の生産コストが輸入よりも安ければメーカーは現地調達化できるが、そうでなければ輸入し続けることになる。
一方で、ベトナムの自動車市場はいまだにかなり小さく、タイと比べると4分の1、インドネシアと比べて5分の1に過ぎない。そのため、ベトナムの各企業を牽引するには、政府が自動車産業への投資を強める必要がある。
ベトナムエンジン農業機械会社(VEAM)の代表は、法人税の引き下げや、部品組立に使用する部品や資材、まとまった車両部品の輸入関税の引き下げは国内の企業の能力の引き上げにとても重要であると述べた。
また普及のために、商工省は自動車部品生産に投資しているベトナムの企業に技術移転をする用意ができている日本や韓国などの部品メーカーの紹介を促進する事業を推し進めていく必要がある。
成功は企業に依存する
ASEAN各国の自動車産業の発展の経験から、生産量の増加と現地調達化は、生産コストの引き下げと競争力の強化の鍵となる要素である。
域内各国の実情から、VAMA代表のファム・アィン・トゥアン氏は、自動車市場が十分な規模に達していない時は、政府は、各メーカーがベトナムでの工場を維持できるように支援し、また現地調達化強化において自動車メーカーと部品メーカーを支援する政策をとる必要があるとしている。
これまで自動車産業の発展に牽引力を与えるため、政府首相は多くの政策を承認し、公布している。例えば、「2025年までのベトナム自動車産業発展戦略及び2035年までのビジョン」や、「2020年までのベトナムの自動車産業発展のためのマスタープラン及び2030年までのビジョン」がある。
最近商工省は、ベトナムの自動車業界との協力のために横断的タスクフォースを設立する商工省決定686/QD-BCTを公布した。これによって2018年から2020年のメーカーごとの発展計画を明確に確定すると同時に、企業の困難、妨げ、提案をとりまとめて、解決策を打ち出し、企業を支援する。
しかし一方で、財政省課税政策局副局長であるグエン・ティ・タィン・ハン氏は、各企業に対し、減税要求の問題について全体をまとめて言及すべきではないとしている。なぜなら、減税ないし税政策は一般に、すべて国際的な貿易交渉や合意に適合していなければならないからだ。
「重要なのは、ThacoやVINFASTのような企業になること、つまり現地調達化率を増やすには、生産量を上げるにはどうしたらいいかと試行錯誤する企業になることだ」とグエン・ティ・タィン・ハン氏は分析している。
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( 翻訳者:武本侑馬 )
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