ベトナム海産物、EU市場での「イエローカード」克服法を探す
2017年10月24日付 VietnamPlus 紙
輸出用冷凍エビの加工
輸出用冷凍エビの加工

 欧州委員会(EC)は、ベトナムの行動が不法で報告や管理も行き届いていないIUU(違法/無報告/無規制)漁業への対処が不十分であることからベトナムの海産物に対して「イエローカード」を出すことを決定した。
 10月23日付のECのメディアへの通知では、この決定は2012年から長らく行われてきたベトナムの各実務機関との非公式な協議の後で出されたものであることが明示されている。この段階においては、この決定は貿易におけるいかなる影響も示されていない。イエローカードは、ベトナムに適切な時間の範囲内で克服措置を講ずるよう、誘引する警告とみなされている。
 ベトナム水産物加工輸出協会(VASEP)によれば、イエローカードを受けたことは多くの弊害を引き起こし、EU向けの海産物輸出に直接影響する。まず、欧州における顧客がECのIUU規定によって処罰される懸念を強く持つため、EU向けの海産物の輸出が減少するだろう。警告を受けた国の名は新聞上及びEUの公式ホームページで公開される。このことは、水産業におけるイメージ、威信、ブランドに悪い影響を及ぼす。
 「イエローカード」を受けている期間、全ての水産物の貨物コンテナが原産地検査の為に留め置かれることとなり、それは1コンテナにつき3-4週間にも至る。港での保管費やパートナー会社の経営への影響を含まない、個々のコンテナの原産地検査のみの費用でもおよそ500ポンドにも及ぶ。とりわけ大きなリスクは、受け取りを拒まれ差し戻しを食らうコンテナの割合が高くなることであり、損失はコンテナあたり10000ユーロにも達すると見られる。フィリピンの同様の「イエローカード」事例においては、差し戻されたコンテナは70%にも上った。
イエローカード警告を受けた後、ベトナムの水産業界はECから「グリーンカード」を取り戻すべく、6か月の猶予を有している。現在VASEPとベトナムの企業連合はEUの要請に応答すべく徹底した解決策を打ち出している。
 VASEPとIUU VASEP運営委員会は、IUU漁業取締の措置を展開するため、海上警察司令部、国境警備隊司令部、水産総局、農林水産品質管理局の4つの組織との協力を具申した。水産業界もまた、VASEPが提唱しているIUU漁業対策を約束するプログラムに参加することで、決意を表しているところである。2017年10月までに、73企業がIUU漁業対策を約束している。
 これに先立ち10月20日、在越欧州連合代表部のブルーノ・アングレット大使は、VASEP、水産総局、関連機関の指導部と会合を持ち、IUUやイエローカードの問題についてより詳細に協議した。 
 EUの他、アメリカが世界で二番目の水産海産物買い入れ市場で、IUU漁業対策のために輸入水産物の監視プログラムを用いている。アメリカに入る水産輸入物の監視プログラム(SIMP)は、2018年の1月1日に効力を発する。

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( 翻訳者:安部勇輝 )
( 記事ID:3905 )