ジャカルタ首都特別州知事選挙後、社会政治と宗教的要因は不可分に
2017年11月29日付 Kompas 紙
ジャカルタ首都特別州知事選挙後、社会政治と宗教的要因は不可分に
ジャカルタ、KOMPAS.com配信
「インドネシア社会の政治志向は、いまだにアイデンティティの政治利用という手法の影響がたいへん大きい。その一つは宗教的同一性によるものである」と、政治コミュニケーション評論家のヘンドリ・サトリオ氏は語る。
来たる2018年の地方首長選挙に際しても、このアイデンティティ政治への志向性に大きな変化はないと考えられるということだ。
「2017年のジャカルタ特別州知事選挙を例に挙げると、本来民主主義国家にはあってはならないアイデンティティ政治の出現が見られた」と、去る11月27日、ジャカルタで行われた討論会でヘンドリ氏は述べた。
インドネシア世論研究討論団体(Kedai KOPI)が8つの州で実施したある調査によると、8つそれぞれの都市で社会の政治選択に大きく影響を与える要因に変化があったことを示した。
「政治選択における宗教の影響を示す数値は、常に50%を上回っていた。しかしジャカルタ首都特別州知事選挙以前は、その数値は50%以下で変動していた」とヘンドリ氏は述べた。
当初宗教的要因に比べ、より高い割合で政治選択に大きく影響を及ぼしていた民族的要因は、現在では低下して50%を下回っている。
「それが意味するところは、ジャカルタ首都特別州知事選挙の前後に民主主義に変動が起こっているということだ」とヘンドリ氏は付け足した。
同氏は、来たる2018年の一斉地方首長選挙では、特に北スマトラ州、南スマトラ州、東ジャワ州、西ジャワ州、南スラウェシ州において、宗教的要因も有権者の判断材料なると考えている。
「候補者らが掲げるどのような政綱も一番ではない。それは、彼らが宗教的要因に注意を払
うためだ。2019年の大統領選ではどうかといえば、同じことが起こりうるような気がする」と締めくくった。
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( 翻訳者:礒崎晴香 )
( 記事ID:3961 )