チャン・ダイ・クアン国家主席の招きを受け、ドナルド・トランプ米国大統領は2017年11月11日から12日までベトナムを国賓訪問する。これは、トランプ政権開始から一年以内に行われた初めての訪問との点でベトナムとの関係を重視する表れであり、将来の越米関係を促進する礎を築くものである。
　訪問はまた、各々の国の政治体制、独立、主権、領土保全を尊重する観点に基づき、ベトナムが、対米関係促進の重視を含む、独立、自主、多角化、多様化、積極的かつ主体的な国際統合を推進する外交路線を堅持し、地域と世界の平和、安定、協力、発展に貢献することを示している。

　　　各分野での積極的な協力

　特に、グエン・スアン・フック首相の公式訪米の成功を踏まえて（2017年５月29日～31日）、越米の包括的パートナーシップが引き続き良好に発展するなか、トランプ大統領のベトナム国賓訪問が実施される。フック首相の訪問における各種の成果、合意を実施すべく、双方は、各レベルの訪問団による交流を維持し、これら成果、合意を展開している。
　この間、越米関係は、両国が包括的パートナーシップを確立（2013年７月）して以来、すべての分野において前向きに発展してきた。越米関係は、相互の領土保全、政治体制および発展の道を尊重するとの観点に基づき、両国の利益のため、また地域の平和、安定、協力、発展を維持するため、二国間および多国間両方の側面において多くの新たな協力を進めてきた。
　双方は、各レベルの訪問団による交流を維持している。アメリカ側は次のような多くの訪越団を派遣した。
・バラク・オバマ大統領（2016年５月）、
・ジョン・ケリー国務長官（2017年１月）
・アシュトン・カーター国防長官（2015年６月）

　ベトナム側からは次のような訪米団が派遣された。
・グエン・フー・チョン党書記長（2015年７月）
・グエン・シン・フン国会議長（2015年９月）
・チュオン・タン・サン国家主席（2015年９月、国連総会出席）
・グエン・タン・ズン首相（2016年２月、米アセアン特別首脳会議出席）
・ファム・ビン・ミン外務大臣（2016年４月、原子力安全保障サミット出席）
・ディン・テー・フイン党書記局常務（2016年10月、ケリー国務長官の招きを受け訪米）

　トランプ氏が米国大統領に選出された後、双方は引き続き交流、接触を維持した。ミン副首相兼外相は、４月19から22日まで、レックス・ティラーソン国務長官の招きを受け米国を公式訪問した。５月29日から31日まで、フック首相はトランプ大統領の招きを受け米国を公式訪問した。フック首相の訪米中、トランプ大統領は2017年11月のAPECサミットへの参加の機会にベトナムへの公式訪問を確認した。
　この間、二国間の国会関係は前向きに発展した。最近、ベトナムは上院軍事委員会委員長のジョン・マケイン議員と下院軍事委員会委員長のソーンベリー議員率いる一行、下院軍事委員会戦略小委員長のマイク・ロジャース議員率いる一行を迎えた。

　　　協力のための多くの機会を開く

　越米関係は、政治、外交、経済、貿易が一層強化され、科学技術、国防・安全保障、教育、民間交流の各分野における協力が強化され、戦争被害の解決、また地域と国際が共に関心を持つ諸課題の解決にあたる協力が深化するなど、協力のための多くの機会が開かれている。
　2005年以降、米国はベトナムの主要貿易相手国の一つとなっている。近年、両国の貿易総額は連続20％台で増加している。2016年には530億ドルに達し、このうちベトナムからの貿易黒字は309億ドルとなる見込みである。ベトナムの米国市場への主要な輸出品目は、繊維、靴、コンピュータ、水産物、農産物、木材および木製品、電気製品および部品などの品目に集中している。
　現在、ベトナムは米国の貿易相手国の中で16位に位置し、貿易量は年間20％増加している。ベトナムは常に米国との貿易収支に対して大幅な黒字を維持している。

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（ 翻訳者:阿部克哉 ）
（ 記事ID:3972 )