南北高速道路(東部線)の建設を延期することはできない
2017年11月03日付 VietnamPlus 紙
2017-2020年までの南北高速鉄道(東部線)の一部区間の建設投資の方針について趣意説明するグエン・ヴァン・テー運輸交通相
国会議員らは11月3日午前の国会で、2017年から2020年までの南北高速道路(東部線)の一部区間の建設投資計画に関するグエン・ヴァン・テー運輸交通相の趣意説明、および、それに対する国会の意見書を聴取した。
政府の説明によると、2017年から2020年までの南北高速道路(東部線)の一部区間の建設投資計画は、経済競争力の改善・向上、南北経済回廊の運輸需要への対応、経済社会発展への貢献のためにも、延期できないという。
南北輸送回廊における旅客・貨物の需要は2020年までに旅客が年間4537万人、貨物が年間6227万トンに達すると見込まれている。よって、南北高速道路(東部線)、あるいは、高速鉄道が建設されなければ、同回廊の輸送需要は、現行の交通インフラの許容量と比べ、旅客が年間592万人、貨物が年間145万トン、それぞれオーバーすることになる。
さらに、2017年から2020年までの南北高速道路(東部線)の一部区間への投資は、既存の国道の制約、特にこれ以上の解決の余地のない国道1号線の問題解決に貢献するとともに、高速鉄道への早期の投資が行えない状況では、実現可能な選択肢でもある。
投資計画に関し、政府の説明によれば、2017年から2020年までに投資が行われるのは約654キロ分で、投資形態により11のプロジェクトに分けられる。具体的には、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ/官民パートナーシップ)形式でBOT(ビルド・オペレート・トランスファー/“建設・運営・移転”)契約によるものがマイソン(ニンビン省)〜バイボット(ハティン省)間およびニャチャン(カインホア省)〜ザウザイ(ドンナイ省)間で8件、公共投資によるものが3件でカオボー(ナムディン省)〜マイソン(ニンビン省)間、カムロ(クアンチ省)〜ラソン(トゥアティエン・フエ省)間および第2ミートゥアン橋でそれぞれ行われる。2017年から2020年までの投資総額は、現時点で約118兆7160億ドン、その内、国が国債の発行により約55兆ドンを拠出し、投資家から約63兆7160ドンを誘致する。
政府の趣意説明報告書を審査した国会経済委員会は、プロジェクトへの投資の必要性に基本的に賛同した上で、南北高速道路(東部線)は、政治の中心であるハノイと経済の中心であるホーチミン市を結び、32の省・市、各地の経済社会地域を通過し、特に、北部、中部、南部、そして、メコンデルタの4大重点経済圏を結び付け、国の経済発展にとって重要な役割を担うものだと述べた。
投資計画について、ヴー・ホン・タイン国会経済委員会委員長は、一つの投資形式による非常に大規模なプロジェクトは、公共投資の条件が限られた中では、実現の見込みはないと説明した。また、国会経済委員会は、政府に対し、長さ115キロのプロジェクトがある一方で、15キロや29キロしかないプロジェクトもあり、これでは完成、運用開始までの進捗状況を調整することも難しいとして、プロジェクト分割の根拠をより詳細に説明するよう要請した。一方、各プロジェクトには、プロジェクトの経済的、技術的な条件にも合い、特に、利用料の確定や料金所の設置方法の原則に関する明確で、公開性、透明性のある基準が保障されなければならないという。
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国の財源および国家予算外の財源確保について、国会経済委員会の意見書は、国会の第26/2016/QH14号決議により国の重要プロジェクトに80兆ドンが拠出されていると確認した。しかし、政府は本プロジェクトに55兆ドンのみを要請し、15兆ドンを既存の交通インフラ連携システムの最小限の能力を維持するため重要かつ緊急を要する他のプロジェクトに分配するよう国会に要請するという。国会経済委員会は、政府に対し、15兆ドンを利用する各プロジェクトの選択基準を明確にし、国家重点プロジェクトの予算配分基準に合ったものかどうか、国会が公共投資法および国家予算法に基づいて審議、判断できるよう国会への報告を求めた。
また、プロジェクトの実現可能性、工期の統一性、効果を確実なものにするためにも、政府は70兆ドンのすべてを本プロジェクトに拠出すべく検討する必要があるとの意見もある。南北高速道路(東部線)の一部区間の建設に55兆ドンしか拠出しない場合、15兆ドンはロンタイン国際空港建設に伴う土地の収用、立ち退き、移転の支援に使われるべきだとの意見もある。また、政府の要請による重要かつ緊急を要する重要な交通インフラ・プロジェクトについては、国会常務員会に提出され、中期の公共投資計画の中で、財源の利用に関する審議、決定が行われる。
国家予算外の財源確保に関しては、約63兆7160億ドンが必要だと見込まれている。しかし、政府の計画によれば、現時点の諸条件の中で、外国の信用機関から融資を求めることは保証を供与するシステムがないため難しく、主に国内の信用機関からの融資になるが、これは潜在的リスクもあり、慎重に検討する必要がある。
国会経済委員会は、政府に対し、上記の内容を明確に説明するよう求めるとともに、公共投資への圧力を減らし、投資構造の再編目標を達成するためにも、外資を誘致できるよう、リスクを分散する解決策やメカニズムを検討し、交通インフラ整備への投資のための画期的な財源確保を目指すよう要請した。
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( 翻訳者:一橋弘人 )
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