児童虐待の63%以上が家庭内で起きている
2017年11月22日付 VietnamPlus 紙


 家庭と学校は子どもの成長と人格形成に対して特に重要な影響を及ぼす環境である。しかしながら、これらの環境における児童虐待問題は現在痛ましい問題となっており、社会全体が協力して認識を変え、子どもが安全、健全に生活できる環境をつくることが求められている。
 これは11月22日ハノイにおいて労働・傷病兵・社会省とワールドビジョンベトナムにより開催された開会式で発表されたメッセージだ。
 「家庭や学校での児童虐待を根絶する」というイニシアティブは、子ども、中でも最も傷つきやすい子どもが安全、健全に生活できる環境をつくり、安全な生活ができることを保障することに協力するよう社会の一人ひとりに呼びかけ認識を高める、という目的で始動した。
 ここ数年、ベトナム人の認識に明確な変化があった。具体的には、様々な層の親や教員が先進的な教育方法の模索・適用に励んだ。しかし、この認識の変化はまだ十分ではなく、社会全体に行き渡っていない。
 労働・傷病兵・社会省児童局局長ダン・ホア・ナム氏の話では、2012年から2017年5月までの期間に行われた1801567番児童相談支援ホットライン[訳注:数字は電話番号]の調査による虐待を受けた子供への干渉・支援に関する専門報告によると、児童虐待全698件のうち91.7%が身体的虐待で、0〜10歳の児童が最も多く、56.9%を占める。家庭内虐待の比率は最も高く(63.2%)、学校での虐待が二番目となっている(20.1%)。
 すでに合わなくなっている思考、観念がまさにベトナムにおける家庭内、学校での児童虐待問題の原因である。「愛おしいなら棒と鞭をやれ、嫌いなら甘みと旨みをやれ」「美味しいものはしばらくは忘れないが、痛みは一生忘れない」といった言葉はいまだに様々な層の親や教員が児童をしつけるために使用している。
 開会式において、ワールドビジョンベトナム代表のチャン・トゥ・フエン氏は、「親御さんや先生方が子どもたちへの対応、行動の一つ一つに慎重になれば、ポジティブな作用は家庭や学校の範囲にとどまらず、社会や周辺の環境にも影響が広がり、子どもたちが心身ともに力強く成長できるよう、より安全になっていきます」と強調した。
 イニシアティブの児童大使であるルオン・ティ・クインさんは、「ムチ打ちはただ私たちを怖がらせ、おしまいには強情にさせ一層言うことを聞かなくさせます。私たちは将来、無意識に両親の真似をして、身の回りの問題を暴力によって解決しようとしてしまうことを恐れています。私たちは両親がムチ打ちによって子どもを言いなりにするのではなく、言葉を使って諭しなだめ、励まして、応援してくれることを望みます」と語った。
 開会式では、シンガーソングライターのタ・クアン・タンと歌手ハー・アイン・トゥアンによるイニシアティブの歌「世界で一番素晴らしいこと」が歌われ、ワールドビジョンベトナムが実際に活動している地域の児童グループが紹介された。
 労働・傷病兵・社会省とワールドビジョンベトナムはまた、児童虐待の根絶を目指す活動を展開することが目的である5か年計画合意書に署名した。
 ワールドビジョンインターナショナル東アジア地域事業代表のワレン・クリメンハーガ氏は、「児童虐待は個人や単一の組織では絶対に解決することができない問題であり、だからこそすべての人々の協力が必要である」と述べた。

関連記事「子どもたちが侵害、虐待に抗う意見を交換」(https://www.vietnamplus.vn/tre-em-doi-thoai-ve-kien-thuc-chong-bi-xam-hai-bao-luc/470279.vnp)

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( 翻訳者:嘉田浩 )
( 記事ID:4030 )