「宗教信仰法」、多くの新しい点をもって2018年1月1日から発効
2017年12月31日付 VietnamPlus 紙
ニンビン省ザーヴィエン県のバイディン寺でおごそかに催されている盂蘭盆会
ニンビン省ザーヴィエン県のバイディン寺でおごそかに催されている盂蘭盆会

 2018年1月1日から発効する「宗教信仰法」は、ベトナムの信仰・宗教政策における大きな転換点とみなすことができる。
 ベトナム仏教教会中央理事会副主席のティック・バオ・ギエム和尚が言っているように、「宗教信仰法」は、国際参入の新しい時代におけるベトナムの信仰・宗教の切迫した需要に対応しうるものである。
 政府宗教委員会副委員長のブイ・タイン・ハー氏は、同法が「宗教信仰法令」と比べて多くの新しい点をもっていると明らかにした。

─「宗教信仰法令」に替えて「宗教信仰法」を公布した最大の目的を教えてください。

ブイ・タイン・ハー氏:この法律の制定は、すべての人の信仰・宗教の自由を保障することに関する党と2013年憲法の観点を法制化し、風通しと透明性をよくするための国家管理メカニズムを引き続き刷新し、すべての人の信仰・宗教の自由を尊重・保護・保障するための法的メカニズムをつくり、この分野に対する行政改革や国家管理の要求に応えるためのものです。同時に、全民族の大団結を強化し、信仰・宗教の自由と人類の民主的・文明的価値、および社会主義が発揮される条件をつくり、党・国家の政策・法律に対する信仰・宗教をもつ人々の信頼をしっかりと維持するためでもあります。
 同法は、党・国家の対外政策の良好な実現、党・国家に反して利益を追求するために信仰・宗教を悪用する活動に対する闘争に貢献します。国際的法規履行に対する国家の責任を体現してもいます。
 特に、この法律の制定は、現行の信仰・宗教に関する法規に存在している欠陥の克服を目指しています。信仰・宗教の自由をさらに保障するため、信仰・宗教に関する法体系を引き続き整備するものです。

─法律の制定過程で、各関係機関は宗教団体の同意を得ていたのですか?国際組織や各国大使館は、この法律を制定した時に何か意見を出してきましたか?

ブイ・タイン・ハー氏:「宗教信仰法」を制定する時、同法案の影響を受ける各宗教団体やその聖職者・職員・修行者の代表からの意見聴取を欠かすことはできませんでした。この意見聴取こそが、各関係機関と宗教団体の間で「宗教信仰法」で規定された多数の内容に関する同意をつくりだしたのです。
 同法の制定過程で、多くの専門家・国際組織や各国大使館が文書で意見を寄せ、なかには法律の内容について起草委員会常任幹部と直接会って協議することを要請したところもあります。ほとんどの意見は、ベトナムが「宗教信仰法令」に替えて「宗教信仰法」を制定することに賛成し支持するものでした。

─「宗教信仰法令」と比べて、同法は注目すべき何か新しい点がありますか?

ブイ・タイン・ハー氏:「宗教信仰法」は2013年憲法の精神の上に制定されました。そのため、信仰・宗教の自由を含む人権・公民権を公認・尊重・防衛・保障するほかに、同法は非常に多くの新しい点をもっています。たとえば、同法では信仰・宗教の自由を実現する主体を拡大し、信仰・宗教の自由に関する一章を補充し、集中的宗教活動の登録に関する規定を設けています。
 「宗教信仰法令」の規定の幾つかの内容は政府首相の裁量に属していましたが、同法では中央の信仰・宗教に関する国家管理機関におろされました。宗教団体だと公認される[要件となる]期間は23年から5年に短縮されました。
 同法は、ベトナムに合法的に居住する外国人の宗教活動条件を整備し、これらの人々に叙階やあるいは位階授与の内容を補充する方向で調整しました。宗教活動の幾つかは、所掌国家機関に通知するだけでよくなりました。
 信仰活動・宗教活動における各所掌国家機関の責任は明確に区分されました。宗教団体の法人資格、宗教に関する育成学級を開講する宗教訓練所、信仰活動の登録と宗教活動リストの通知、信仰・宗教分野での審査・検査と違反処理などの問題が同法のなかで規定されています。

─「宗教信仰法令」の新しい点の一つは、宗教法人を拡大したことです。それでは、公民権を制限された人はどのように自分の信仰・宗教を実行するのでしょうか?

ブイ・タイン・ハー氏:この質問の2つの文の間で、法律の規定を享受できる対象・主体の法的地位や権利と義務に言及しておきます。それは信仰・宗教の需要がある公民と非営利の法人だと承認された組織の地位と権利です。
 宗教団体に対して、「宗教信仰法」が宗教団体を非営利の法人だと承認していることも、組織の法的地位を明確に確定し、法律的関係に参加した時の組織の権利と義務を保障しています。この規定は、法律によって非営利の法人だと承認されていなかった、以前の宗教団体と比べて、他の組織の権利にもつながるでしょう。たとえば今や、「宗教信仰法」は、宗教団体と直属の宗教組織の名称・事務所を承認し守っています。宗教団体は外国の宗教団体に加入することができます。宗教間の会議を開催することもできます。これらの内容は、「宗教信仰法令」では規定されていませんでした。
 宗教団体は非営利の法人であるとの規定は、法治国家内の管理、国際的法規、現在の各宗教団体の活動実践の趨勢に合致しています。
 また公民権が制限されている人々に対しては、「宗教信仰法」第6条5項に規定されています。それは一時的勾留・監禁の施行に関する法律の規定に基づき一時的に勾留・拘禁されている人々や禁固刑を執行中の人、矯正学校・強制的教育施設・強制的中毒症治療施設に送り込まれる措置を受けている人で、これらの人々も経典を使用し信仰・宗教の信念を示す権利をもてます(しかしながらこれは限定的な権利であって、十分ではありません)。
 この権利を彼らがどのように実現するかは、現在、政府によって検討・署名・公布される「宗教信仰法」施行細則を規定する議定草案が、今後規定することでしょう。

─「宗教信仰法」を現実に適用するに際して、現在、この法律の下の各文書の展開はどのように進められていますか? また何か障害がありますか?
ブイ・タイン・ハー氏:「宗教信仰法」のほとんどの規定は具体的に規定されており、同法が発効して直ぐに実現でき、必ずしも手引き文書を待つ必要はありません。現在、同法には、国会が政府に詳細な規定を託している7条と9つの内容があります。その9つの内容のなかでは、8つの内容が「宗教信仰法」の施行細則を規定した議定で詳細に規定されるでしょう。1つの内容は信仰・宗教分野での行政違反の処罰を規定する議定で規定していきます。
 手引きの議定草案は、同法と同時に効力をもつように、政府によって検討・署名・公布されます。行政違反処罰を規定する議定草案は引き続き関係機関によって検討され、議定草案が整った時に適切な時点で公布されるでしょう。

─どうもありがとうございました。

訳注:「宗教信仰法令」は全6章41条で2004年6月18日に公布。「宗教信仰法」は全9章68条で、2016年11月18日に国会通過。

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( 翻訳者:メディア翻訳ベトナム語班 )
( 記事ID:4102 )