現在、ベトナムの地雷汚染地域は610万ヘクタールを超えており、領土の18.71％を占め、中部に集中している。しかしながら、多くの地方では、地雷や不発弾の収集・処理の管理が実際には重視されてこなかったため、不幸な結果を招いてきた。
　この情報は、労働傷病兵社会省により、３月３日ハノイで開催された、国際地雷デー（４月４日）を受けた、ベトナムにおける地雷の影響の克服活動に関する情報についての記者会見で提供されたものである。

　　　弾薬庫の爆発事故が33件発生

　記者会見で、最近の収集した後の爆弾と不発弾の管理に関し、特にクアンド地区（バクニン省イエンフォン県バンモン社）のスクラップ倉庫で2018年１月３日午前に起きた爆発事故に関し、国防省政治宣伝局副局長のグエン・バン・ティン大佐は、「各関係機関が捜査・処理を行ったが、バクニン省で起きたスクラップ倉庫爆発事故に関して今のところまだ正式な結論に達していない」と伝えた。
　グエン・バン・ティン大佐は「我々は『法の支配』の国に住んでいる。このため最近の事故などの捜査や処理を、我々は慎重に、確実に実施した。そして、聖域のない、厳密で明確な処理を行う」と伝えた。
　バクニン省のスクラップ倉庫での爆発事故を受け、記者は、軍が管理する爆発物が外部に持ち出されて家族規模で経営する各スクラップ業者に売却されたのかどうか質問した。
　メディアの質問に答え、グエン・バン・ティン大佐は、「事故などが起きた後、特に（ハノイ市ハドン区）バンクアン街区とバクニン省での爆発事故の後、国防省は徹底的に指導した。同時に、国防省は、除去した地雷と弾薬を集めた倉庫の管理に関し、この分野全体の経験を生かすための会議を開催した」
　「処理後の地雷や爆発物の収集［の過程］では、紛失や盗難が起きているようである。しかし現在は、疑惑の段階であり、具体的な捜査と結論を待たなければ断定はできない」とグエン・バン・ティン大佐は述べた。
　政治宣伝局の代表者によると、ベトナム人民軍の設立以来弾薬庫の火災・爆発件数は33件であるという。この件数は他国に比べたらまだかなり少ない。火災・爆発の原因は老朽化、熱、保管状況、不注意による自然発火、敵対勢力による破壊行為等である。また、節約のため、敵から没収した弾薬が現在も訓練に使用されており、その多くがおよそ30年経っている。

　　　地雷処理事作業において問題あり？
　
　先日、１月３日、耳が張り裂けるような大きな爆発音の後、クアンド地区（バクニン省イエンフォン県バンモン社）の土地の一部が更地状態になった。６人が病院に搬送され、そのうち子供２人が入院前に亡くなった。４級［耐用年数30年の建築］の一戸建て６軒の屋根が倒壊し、［土地が］えぐられ深さ10メートル程の穴になった。周りの強固な家でも10軒は、衝撃で屋根が飛ばされたり、壁が倒れたり、家の中の物が粉々に割れたりした。
　工兵司令部の代表者は、「国家管理の面から見ると、スクラップ売買は各省レベルの人民委員会の管理範囲に属する。バクニン省での事故からも、家族規模のスクラップ経営業者が買い集めた処理後の爆発物各種にまだ無力化されていなかったものがあった可能性を否めない」と伝えた。
　「現行の法律では、地雷と不発弾の売買は厳格に禁止されている。しかし、各地方における全般的な管理には、まだ沢山の課題が残っている」と工兵司令部の代表者は述べた。
　工兵司令部の代表者は「爆弾・弾丸・爆発物の処理に関する規程はとても厳しい。地雷処理技術センターが爆破もしくは焼却する形式で行う。これまで、この作業はとても厳密に規程に従って実施されてきた」とも述べた。
　戦後、ベトナムは、地雷の発見・撤去のための様々な方法を実施しており、海外からの支援によるプロジェクトもある。しかし、ベトナムの地雷汚染の程度はまだ高い。
　2014年に全国で実施された調査によると、63の省と都市のうち49の省と都市で、戦後の地雷や不発弾に関連する事故が発生した。被害を受けた人は1813人となった（このうち死者は919人、負傷者は800人以上）。
　４月４日は国連により国際地雷デーとされた。この日を迎える活動として、今年ベトナムは地雷に対する国民の啓発、社会的責任の推進及び被害者の支援を目的とし、会合、パレード、写真展、テレビによる交流会等を多くの活動を開催する予定である。

［参考記事：地雷と有害化学物質の影響の克服を2020年までに完了する］
https://www.vietnamplus.vn/den-nam-2020-hoan-thanh-khac-phuc-hau-qua-bom-min-chat-doc-hoa-hoc/493098.vnp
https://www.vietnamplus.vn/Utilities/Print.aspx?contentid=494881

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（ 翻訳者:阿部克哉、ホアン・ミン・チャン ）
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