不足している対話の仕組が毎年数百のストライキを発生させている
2018年05月09日付 VietnamPlus 紙
経営者が逃亡した後、労働契約終了申請手続きの説明を聞く KL Texwell Vina 会社の労働者
経営者が逃亡した後、労働契約終了申請手続きの説明を聞く KL Texwell Vina 会社の労働者

 市場経済における労働関係が、急速に形成され発展している。企業内の労働力は急増し、それと共に労働関係は日増しに多くの手遅れを発生させている。毎年数百のストライキが発生している原因は、対話、協議、集団的労働紛争解決の仕組がまだ真に効果的になっていないためである。
 これは、労働・傷病兵・社会省が5月9日にハノイで開催した「労働関係報告」に関する公聴会で出された情報である。

   8000件のストライキが発生

 1995年の労働法が正式に労働関係の概念を認めるようになってから2017年までに、過去20年余りで、ストライキにまで到った集団的労働紛争は約8000件発生した。特に、ストライキは2006年から現在までに主に集中しており、平均して一年に約600件発生している。2015年から現在までは、ストライキの数は減少傾向にあり、一年に300~400件のみとなっており、相変わらず外国投資企業、株式会社の民間企業に集中している。
 労働・傷病兵・社会省の元次官であるファム・ミン・フアン氏によれば、すべてのストライキは法律の規定を逸脱して発生しており、使用者、労働者、そして社会秩序に少なからぬ後遺症を残し、一般的な投資環境にも影響を与えている。毎年発生している数百のストライキは、ベトナムにおける労働関係がまだ真に調和的、安定的なものではないために労働紛争が発生しているのだという事実を示している。
 ベトナムにおける工業化の進展は急速に続けられており、工業団地での非常に多くの労働者の集中を招き、労働関係は日増しに拡大している。一方、多数の労働者は所得が低く、使用者に対して非常に弱い立場にあるので、必然的に労働者は集団的な力をつくりだすために連帯し、権利を要求するためにストライキをおこなう。
 社会―労働科学研究所(労働・傷病兵・社会省)所長のダオ・クアン・ヴィン博士は、ストライキを含む労働紛争を完全に悪いものだと見なすべきではないと述べた。労働紛争は、現行の規定、政策、メカニズムの効果・適合性を評価し、調整、修正するための基礎とする機会と見なすべきだとした。
 「私たちは、調和的で健全な労働関係を構築する経験を引き出すために、労働紛争とストライキの原因、推移、作用を詳細に、そして十分に研究をおこなう必要がある。ストライキの根本的原因がまだ解決されていないうちに、安寧秩序と生産を安定させるために、ストライキを拙速に解決しようとするべきではない」とダオ・クアン・ヴィン博士は強調した。

   脆弱な紛争解決の仕組

 労働関係に関する規定は、労働法の数次にわたる改正で相次いで整備されてきた。労働関係委員会、仲裁評議会、労働和解員のような労働関係を支援する仕組がつくられた。しかしながら、これらの仕組は実践に適用した時、まだ高い効果をもたらしていない。実際、労働者は、権利を要求するために、協議や和解ではなく、ストライキを選ぶのが常である。
 ダオ・クアン・ヴィン博士は次のように認識している。現在、和解に関する労働関係の仕組はまだ効果的に働いておらず、和解員は他の仕事が忙しいと責任が中途半端になってしまう。仲裁評議会は実際には役割をほとんど失っている。特に基礎の労働組合は弱体で、企業主やストライキ指導者と率直に協議する能力が十分ではない。
 ファム・ミン・フアン氏は次のように考えている。現在、企業を支援し、安定的・調和的な労働関係を保証するための政策を策定することにおいて、各級の国家管理機関の役割が欠けている。
 「中央の国家管理機関だけが政策の施行という必要条件に訴え、十分条件として企業を支援し自己の具体的政策を策定・実行するとするならば、ほとんどまだ効果が出ていないし、あるいは実行されていないところがある」とファム・ミン・フアン氏は述べる。
 労働関係・賃金局(労働・傷病兵・社会省)の副局長レ・スアン・タイン氏も、労働関係に関する国家管理工作に従事する幹部の人数が少なく、任務の要求に対応できていない、と認めている。
 「紛争解決の仕組は後手に回っており、効果が出ておらず、実践に適合していない。これらの課題は、組織モデルを整備し、専業化や専門の深化の方向で労働紛争解決の仕組の活動効果を向上させることを求めている」とレ・スアン・タイン氏は強調した。
 国際参入の進展、特に新世代の自由貿易協定への加入は、労働関係に関して新たな切迫した要求を出してきている。対話、協議の推進と労働紛争の解決は、調和的で共に発展する労働関係を構築するための「鍵」となるだろう。労働関係のすべてのメカニズム・仕組は、労働者と企業の真の結合の需要に合わせて構築されなければならない。

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( 翻訳者:メディア翻訳ベトナム語班 )
( 記事ID:4317 )