ヤンゴンで不認可の寄付募集禁止(5-10-1-1)
2018年05月10日付 The Voice 紙
ヤンゴン 5月9日
ヤンゴン管区にある郡において無許可の寄付を集めることを禁止した地方令を、5月7日に郡管理委員会が調印し発表した。
「地方命令を出したことはその通りだ。そこに含まれる通りである。要は、不要な問題を起こさぬように、郡管理委員会の許可なしでは寄付を集めることをしないよう、周知も兼ねて発表した。従わぬ場合、法的措置が取られる」とタケタ郡区管理委員長ウー・アウンサンウィン氏が述べた。
ヤンゴン管区内の郡(*)では、以前から、宗教や自然災害の寄付集めについては、郡管理委員会と郡管理委員会の許可があれば、寄付は行えるが、今年5月上旬以降は、どの寄付集めでも管理委員会の許可なしに行った場合、法的措置がとられるという地方令が制定されたことを郡管理委員会事務室で関係書類を読んだ人間が話した。
「郡内のどの場所、どの地区でなんのために寄付を集めるかを郡レベルの管理委員会に許可申請せねばならない。許可を得たという証拠書類があってはじめて寄付集めが可能となる。もともと、一部の州/管区内の郡ではこの方式で行ってきた。とはいえ、以前は暗黙の了解で寄付集めをしてこともあった。今になって、なぜ地方令を出すのかわからない」と高等裁判所弁護士ウー・ロバートサンアウン氏は話した。
戦争被害者のために5月4日からサンジャウン区・チュンドー通りからミェニゴン陸橋まで歩いて寄付を集めたグループを、区の警察署長と管理委員会が起訴した。
「私には偶然には見えない。我々の平和を求める活動のために、意図的にこのように命令書を出したと考える。平和を望まないということを示す現行の地方令が、政府のなした行動だとは言える」と、サンジャウン区でカチンの戦争被害者たちのために寄付を集めるたびに平和的集会・デモ法によって法的措置を取られてきた、全ビルマ学生連盟のリーダー、コー・カウンテッチョーが話した。
そのほかに、5月6日にも全ビルマ学生連盟の学生の一部がシュエピーダー区・バダミャー市場の近くで戦争被害者のための寄付集めを準備していたが、区管理委員会と警察署は未許可の寄付集めをしないよう禁止した。
「宗教関連での寄付を集めるなら、区サンガ長老会議の議長のところに許可を求めなければならない。重要なのは、本当の宗教的公益を得ようとすることなのか、自分の利益のためにするのかといったことを区別して、精査して許可を出さなければいけない」と、タケタ区サンガ長老会議委員を務める僧侶は述べた。
ヤンゴン市は人口が600万近くあり人が密集して住んでいる大都市なので、救済事業を行うにあたり、以前自然災害が起こった時、支援のために人の集まる交差点、市場、ショッピングセンターでの寄付集めが多数生じた。大半は被災者を実際に支援するが、一部被災者のためと騙って自分の経済的利益のために活動したという事態が生じたと救済組織の一部では考えている。
「被害に遭遇した人々を利用し生計を立てているのを見たことがある。これは、純粋な気持ちで他人を思いやり活動する若者たちを損ないかねない。そうなるべきではない。合法的な許可をとって行うのが良いのだ」と、2015年に全国的に生じた水害に対する福祉事業を行った人物は意見を表明した。
内務省傘下の行政局が行うことのできる法律手順内の、1989年6月6日制定の法の支配・秩序ある平和を損なう行為の禁止という権限 (a)に従い、前述の地方命令を出したと発表された。
訳注:ヤンゴン市内の区も、現在は郡(ミョウネー)と呼称する。ここでは状況に応じて市内のものは「区」と訳出する。
( 翻訳者:笹森奎穂 )
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