セクハラ:卑俗な言葉で言い寄る形態が広がっている
2018年05月10日付 VietnamPlus 紙
ベトナムにおける職場でのセクハラに関する対処規範の一部
労働傷病兵社会省の研究報告『ベトナムの職場におけるセクハラ:概略図と解決のための法的枠組み』は、「最も広がっているセクハラと性別に基づく暴力行為の形態は、話しかける言葉や精神的暴力(言い寄る、威嚇、卑猥な言葉、催淫)、肉体的接触等によるものだ。セクハラの被害者は主に女性で、多くの場合低い地位で権力の下の方におり、ハラスメントを行う人に従属する状態にある」と指摘した。
これは、ハノイにて5月10日、労働傷病兵社会省とケア・インターナショナル・ベトナムが共同開催した、職場における暴力とハラスメントの撤廃に関するILO[国際労働機関]の条約草案に関する座談会で示された情報である。
女性およびジェンダーの労働研究センター(社会労働科学研究所)の専門家グエン・ティ・ヒエン氏によると、現在、ベトナムは、職場における性別に基づく暴力やセクハラの現状に関する研究はまだ沢山は存在してない、とのことだ。
「新しい研究は、原因、現象、形態、加害者などを提示するに過ぎず、職場における性別に基づく暴力やセクハラの割合の見積を正式に統計データにしたものはまだ出されていない」とグエン・ティ・ヒエン氏は述べる。
職場での暴力やハラスメントへの人々の関心が日増しに高まる中、国際労働機関により、職場における暴力とハラスメント廃止に関する条約の作成が行われている。これは、加盟国が、職場での暴力やハラスメントの防止・対処策を促進するため、この分野の法的枠組みを整備することを助ける、良いツールである。
国際協力局(労働傷病兵社会省)のグエン・マイン・クオン局長は次のように述べた。「座談会は、仕事の世界における暴力とハラスメントを根絶するためのILOの条約作成の進捗と背景に関する最新の情報を得ると共に、この条約へのベトナムの加盟の可能性について分析するチャンスでもある」。
座談会での発表で、ケア・インターナショナル・ベトナムの理事長であるレ・キム・ズン氏は、「安全な職場環境を保障することは、全体的な経済効果を促進するのに貢献するだけではなく、そのことを通じて、労働者の安全が著しく強化され暴力を受けない権利の保障を促進することにもなる。ケア・インターナショナル・ベトナムは、ベトナムがこの条約作成の過程への重要な貢献及び職場での暴力とセクハラの排除を徐々に目指すための国内法の整備の継続を行っていくことを望んでいる」と確認した。
それぞれの代表者は、職場での暴力・セクハラ対策に関する現行のベトナム法体系における進歩と課題、特に、ベトナムが環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)とベトナム・EU自由貿易協定(EVFTA)に参加するという背景の中での、新条約の役割と新条約のベトナムに及ぶ影響について、見直した。
来たる来月中に、政府・労働者・雇用者からなるベトナムの3者代表団が、スイスで行われる国際労働機関の第107回年次会議に参加する。そこで、ベトナム代表団はこの条約の草案に関する話し合いに参加する予定だ。
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( 翻訳者:松永直子、谷津もゑり )
( 記事ID:4357 )