日本企業はめったに給料を増やさなくても、労働者を惹き付ける
2018年05月16日付 VietnamPlus 紙
採用面接
採用面接

 ベトナムの就職希望者は、各日本企業において労働者がプロフェッショナルな環境の中で態度や働き方を鍛えることができると考えている。日本企業はまた、魅力的な報酬、福利の制度がある場でもある。
 これは5月16日、人材会社Navigos Groupが公開した「日本企業の文化と求人」についての報告のなかで示された認識の一つである。考察はVietnamWorksとNavigos Searchのデータに基づいて行われた。

   急な昇給は滅多にない

 考察の結果によると、年ごとの昇給が日本企業の一般的なスタイルであり、86%の採用担当者がこの形式をとっていると述べた。しかし、日本企業は一気に昇給することは少なく、従業員の給料を20%上げる企業は全体のわずか2%、毎年15%上げる企業は23%である。日本企業における一般的な給料の上昇率は毎年5-10%であり、これが62%を占める。
 テトのボーナスは給料一か月分というのも日本企業における一般的なスタイルであり、55%の採用担当者が会社のボーナスは給料一か月分であるとし、17%の企業に二か月分、そして4%に三か月分のボーナスがある。
 日本企業で働く際の最も魅力的な要素について質問される際、これらの企業の採用担当者は「良い給料と待遇制度」と並びに「安定した仕事」がそれぞれベトナム人求職者にとって最も魅力的な要素であるとしている。
 しかし、ベトナムの求職者からすると「態度や働き方を鍛えられること」で、日本企業のような「プロフェッショナルな環境」こそが彼らにとって最も魅力的な要素である。
 人材を集めることにおける他の外資系企業との競争に立ち向かう中、Navigos Group(ナビゴスグループ)の社長である越前谷学氏は「日本企業は採用者のブランドを立ち上げることを強化し、日本のプロフェッショナルな労働環境で自分を鍛えたいと思っている優秀な求職者を惹き付けるために、日本の企業文化という利点を活かすべきだ」とのアドバイスを日本の採用者に語った。
 また、越前谷学氏によると、インターネットを通じて日本の魅力的な職場及び特徴的な文化をよく紹介するということも現在多くの企業に活用されている。

   日本で働くチャンス

 98%の求職者は日本企業では様々な形式の教育を受けるとアンケートに答えた。仕事上で直接に教育を行うOJTは日本企業に最もよく採用されている形式だというのが71%の採用者の意見である。
 実際に、教育の新しい傾向は今日本企業においてまだ一般化されていない。例えば27%のみが「メンター制度」を、7%のみが「E-learning」を導入している。
 調査結果によると、40%弱の採用専門家が会社内でベトナムから日本に社員を派遣する制度があると話した。こうした企業では、その制度を良い成果の社員に適用するが22%を、勤続年数が長い社員に適用するのが16%を占めた。
 他の企業では社員が主体的に応募して日本に働きに行く制度があったり、教育や出張という目的で日本へ行くと語った。数年後までにベトナム人の人事業務を調整する計画を立てているという企業もある。

   日本語は主に使用される言語ではない

 留意点の一つとしては日本語が日系企業内の主なコミュニケーション言語ではないことであり、採用担当者の20%のみが日本語を主要な社内言語とみなしていると回答した。つまり、アンケートに回答した企業では英語とベトナム語のほうが一般的な言語である。
 アンケートに回答した求職者の55%は日本人の同僚は日本語が話せるベトナム人スタッフのほうとおしゃべりするのを好むと回答し、求職者の30%は日本語が話せる人材のほうが業績を高く評価されると回答した。しかし、採用担当者によれば、日本語が話せる人材のほうが優先されることは全くなく、ただ日本語が話せることにより日本人とベトナム人スタッフとの間の会話がより簡単になるだけだという。この考え方はアンケートに回答したベトナム人採用者の70%と日本人採用者の50%の意見によるものだ。
 特に、求職者の26%は日本語が話せるが日系企業で働いた経験がない。このうちの77%が一番人気の働く環境を持つアジア企業として日系企業を選択している。そして、回答した求職者の半数以上は日系企業でこれからの仕事を探していると回答した。
 越前谷学氏によれば、言語の壁を取り払うために、会社側は従業員に対する英語又は日本語研修・教育プログラムを実施することや社外研修の受講や自習を奨励するための手当を設けることを検討すべきだという。自社のリソースを利用し英語又は日本語スキルの高い従業員によって行われる講習を実施することもできる。現在eラーニング(e-learning)やゲーミフィケーション(gamification)等の新たな研修教育プログラムも非常に効果的な学習モデルとして評価されている。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:グエン・ティ・ロアン、野村純太、ホアン・ミン・チャン )
( 記事ID:4377 )