ベトナム、水源の安全保障に関して重大な試練に直面
2018年05月19日付 VietnamPlus 紙
ラオスを流れるメコン河
ラオスを流れるメコン河

 5月18日午後、ハノイにおいて、水資源管理局(資源環境省)と世界銀行が協力してシンポジウムを行った。ベトナムの水資源の安全保障についての管理報告と地下水の開発制限を規定する議定の草案についての意見を取り上げた。
 資源環境省レー・コン・タイン副大臣は、国家の範囲において、水源、河川システムは水の需要が日増しに高まる経済社会の発展活動から一番明確に影響を受ける場所だが、水源を守ることと水を節約して使用する方策の展開はまだ重きを置かれていない、と述べた。
 伝統的な生業の水源や生活灌漑用水が減少、それどころか多くの場所で消滅している。同時に、流域における各地方・各関係者の間で公平、合理的に水源を共有、使用することをめぐる紛争が水源の安全保障に対する一つの試練となっている。
 ベトナムの水の安全保障の管理と地下水の開発制限を規定する議定の二つの会合において、各代表者は次のような問題に言及した。ベトナムの水の安全保障の管理問題:現状と方策。地下水の開発制限を規定する議定:地下水の開発制限・禁止区域の策定と公表、地下水を守るための開発制限の方策適用、そして組織・個人の地下水の探査・開発における十分な権利と合法的な利益の保障に関する各基準に意見を述べてもらうために草案を紹介した。
 各省、関連機関、各省の資源環境局や大使館の代表は話し合いに参加し、その過程で今後の水資源の安全保障を守る重要性が確認された。
 そのため、水資源の持続可能な開発について二国間、多国間の協力を推進する努力とともに、ベトナムは、水資源の開発・使用・防衛に関する政策、法律、戦略、基本計画整備に集中する必要がある。また水資源をよく管理し水資源の使用効果を高める多くの新しい管理の手法・方法にアクセスする必要がある。
 水源の安全保障は、各組織、地域・国際会議の優先的な協力のテーマとなり、また各国の最も優先する事柄の一つになっている。ベトナムでは社会経済の発展の過程で水源の安全保障に関する深刻な課題に直面している。
 水源の総埋蔵量8300~8400億㎥のうち約63%は領土の外側にあり、ベトナムの水源の安全保障は紅河やメコン河のような国際河川の開発状況に大きく依拠している。
 水源の持続的な開発についての国家間ないし多国家間の協力機構に参加しているものの、実際には上流の各国家の水源開発は発展・増加傾向にあり、川下の国家であるベトナムは多くの圧力を受けている。
 2008年、資源環境省は、地下水資源の保護を規定した第15号決定を公布した。
 この規定は探査、掘削などの活動における地下水保護のための各方策を規定している他、地下水の開発制限・禁止区域の策定と公表のための基準と、地下水保護のため開発を制限する方策の適用についても規定している。
 公布以来これまでに、ハノイやホーチミン、ドンナイ、ロンアン、ビンズオン、ランソン、フンエンなどのように地下水開発の禁止・制限区域の規定を公布した地域は少なく、まだ、各地方の大半は地下水開発の禁止・制限区域の規定を公布していない。
 これまで、2012年の資源法の施行展開のため、議定が地下水の持続可能な開発・使用を効果的に守り、同時に各組織、個人に地下水の探査、開発における合法的権利や利益を保証するよう、資源環境省は政府から地下水の開発の制限を規定する議定の草案を受けていた。

(関連記事:メコン川資源の持続可能な開発はすべての人の責任である)
https://www.vietnamplus.vn/khai-thac-ben-vung-tai-nguyen-song-mekong-la-trach-nhiem-cua-tat-ca/495816.vnp

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( 翻訳者:小笠原倫生、千葉智洋 )
( 記事ID:4403 )