フランスの医学者たち、枯葉剤被害者の治療方法を研究
2018年05月27日付 VietnamPlus 紙
フランスの医学者たちは、枯葉剤による発病の臨床メカニズムを理解し、そこから被害者の治療方法を探し出すための研究をしようとしている。それが、フランス南部のモンペリエ大学医学部で5月24・25日の二日間開かれたシンポジウム「内分泌の乱れ:過去から未来まで続く悲劇」の目的である。
在フランスのベトナム通信社の記者によれば、このシンポジウムは、「イェルシンの足跡を辿るダラットの友の会(AD@IY)」、「発展のための科学者協会(MSH Sud)」、モンペリエ大学医学部、「ベトナムの枯葉剤被害者の会(VAVA)」の援助の下で、「枯葉剤と内分泌の乱れを引き起こす物質について研究するフランスの科学者協会(AFAPE)」の初の活動と見なすことができる。
戦争は40年以上のはるか以前に終わったが、戦争中に使用された化学兵器の後遺症はいまだ解決できていない。数百万人のベトナム人が依然として、枯葉剤に起因し、後の数世代に遺伝する性質による多くの病気に耐えている。
枯葉剤被害者のための闘争で鍵となる点は、米軍が使用した枯葉剤を生産し供給したアメリカの化学会社に、被害者とその家族への賠償責任を負わせることを請求する訴訟である。しかしながら、正義のための闘争はそこだけではとどまらない。何百もの国際組織と何千もの世界中の友人たちが、戦争中の枯葉剤散布による直接的被害者の第三世代であるベトナムの子供たちの健康に対する枯葉剤の後遺症克服を手助けし続けている。
「イェルシンの足跡を辿るダラットの友の会」が2年前に同じくモンペリエで開催した医学シンポジウムは、枯葉剤の被害者が耐えなければならない、内分泌の乱れによる危険な病気と、後の世代に遺伝する証拠を解明するのに貢献した。子供の内分泌が専門の教授シャルル・スルタンによると、上記のシンポジウムの成功が、歴史学者、政治家、環境健康専門家、社会組織を結集させ、枯葉剤と内分泌の乱れを引き起こす物質の研究を専門とするAFAPEを設立させた。
「ベトナム枯葉剤被害者の会」主席のグエン・ヴァン・リン上将は、枯葉剤が引き起こす病気についてのシンポジウムの重要な意義を首肯している。ベトナム人だけでなく、アメリカ兵士や同盟国の兵士も、治療の難しい危険な病気に罹っている。この病気は、両親から子供に遺伝する性質をもつことによって特別で多様であり、最も重い障害が残るのは精神である。リン上将は、将来の世代への重い後遺症を軽減するため、この病気についての研究を推進する必要があるというのが、世界の科学組織と人々に送るVAVAのメッセージだとした。
今年のシンポジウムで、フランスとベトナム人の科学者は、化学戦争の歴史と人類の未来を脅かす重い後遺症について討論した。医療専門家は、人間の健康に対して化学的毒物が引き起こす内分泌の乱れの害を解明することに集中した。その一方で、法律の専門家は、数世代にわたる枯葉剤の影響を認めることができるための証明と説得の難しさについて言及した。
「ベトナム枯葉剤被害者の会」副主席のグエン・ティー・ゴック・フアン教授・博士は、枯葉剤被害者の遺伝子変異により先天的に異常のある子供が生まれてくる問題について述べた。現在、ベトナム保健省は関連する17の病気を公表している。この機会に、「ベトナム枯葉剤被害者の会」はフランスの科学者の意見を参考にしたいと考えている。その基礎の上で、同会はベトナム政府に、枯葉剤被害者を確定する基準の公認を要請する予定だ。
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( 翻訳者:天野友亜 )
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