5月30日の午前、グエン・スアン・フック首相は政府本部にて地球環境ファシリティ（GEF）の石井菜穂子統括管理責任者・議長を迎えた。
　会談で、グエン・スアン・フック首相は、石井菜穗子氏が、現在の役職でもそれ以前の［他の機関の］役職の時でも常にベトナムを支持してきたことに対し、感謝の言葉を述べた。
　首相はGEF事務局が、第６回GEF総会の開催地としてベトナムを信頼し、選択したことに感謝の意を表した。
　首相は、「このことは、GEFのベトナムに対する高い評価を示すものであり、また、地球環境上の問題を解決するための国際社会との協力におけるベトナムの役割、貢献、公約を証明するものだ」と述べた。
　首相は、ベトナムは国の発展において環境問題をとても重視しているとし、GEFとの協力を強化したいと述べた。そして、環境問題に良好に対処するためにGEFがベトナムを支援することへの期待を示した。
　GEF総会および関連行事の開催に関しては、首相は、政府は開催のためにGEFと連携するベトナム側の仲介機関を天然資源環境省が担うよう既に割り当てたと伝えた。
　加えて、ベトナム側の関連省庁、地方自治体も連携して早急に準備を行う努力をしている。開幕式に政府の指導者も出席するこの会議の成功に貢献するためである。
　首相は、GEF事務局に、総会を準備し組織する際、天然資源環境省との緊密な協力を継続するよう要請した。
　GEFとの協力について、GEF第７次増資期間中、首相は、GEFに対し、ベトナムの環境問題解決への支援を継続してほしいと要請した。それは特に次のような分野においてである。各環境に関する目標と2030 年までの持続可能な開発目標(SDGs)の実現を結びつけることの強化、コミュニティや民間部門の積極的な参加を通した生物多様性保全のための持続可能な資金調達メカニズムの構築、持続可能なエネルギーに関する発明のための技術革新と技術移転、気候変動緩和策の実施、気候変動緩和の内容を持続可能な開発戦略に統合するための条件強化、といった分野であるという。
　ベトナムはまた、UNCCD［気候変動枠組み条約］の実施において、GEFが、地方レベルでの森林生態系サービス、森林生産、食糧安全保障を支援することも期待している。
　それと共に、以下のことについてもベトナムに対する支援を求めた。それらは、グリーン経済のチャンスの強化、淡水生態系における水源の安全保障の促進、工業化学物質や農業化学物質の処理、ストックホルム条約と水銀に関する水俣条約の実施のための活動、海洋廃棄物処理、環境と気候変動への適応に関する持続可能な都市モデルの普及、である。
　首相は、海洋廃棄物の処理、特にプラスチックゴミの処理やメコンデルタにおける気候変動と海面上昇に関する問題解決について、ベトナムを支援するプロジェクトをGEFが打ち出すことを要望した。
　ベトナムは、グローバルな環境問題を共に手を携えて解決するために、GEFとの連携に尽力することを約束した。
　石井菜穗子氏は、第６回GEF総会をベトナムが主催することに感謝の意を表した。また、天然資源環境省がこの重要な会議開催のためにGEFと積極的に連携していることにも感謝の言葉を述べた。
　石井菜穗子氏は、「GEFは現在、環境問題を解決しているが、これは、グローバルな課題でもある。GEFは政府や民間企業部門、コミュニティ、ベトナムを含んだ外国の企業の協力を必要としている。これは、グローバルな環境問題の解決に貢献するベトナム政府の関心［の高さ］を示すチャンスでもある」と述べた。
　石井菜穗子氏は、「ベトナムは環境問題解決において前向きに変化している。しかし、発展の過程で、ベトナムはやはり環境に関する大きな課題に直面せざるを得ない状況にある。GEFは、この問題の解決においてベトナムを支援したいと希望する。ベトナムが、メコンデルタの環境問題の解決や世界的に注目が集まっている海洋廃棄物処理といった環境問題に関して地域の先がけとなることを支援したい。この過程の中で、ベトナムの政府、首相、天然資源環境省は大変重要である」と分析した。

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（ 翻訳者:阿部克哉 ）
（ 記事ID:4423 )