WHO、ヨード添加塩の使用について、ベトナム人に強く勧告
2018年06月08日付 VietnamPlus 紙
食品への微量栄養素は健康な国民のパワーづくりに貢献する。
食品への微量栄養素は健康な国民のパワーづくりに貢献する。

 6月7日にハノイにて、世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)は、ベトナム政府や各関係機関に対し、食塩、小麦粉、食用油への微量栄養素添加の強化と食品加工におけるヨード添加塩や微量栄養素を補った小麦粉の使用の強化の義務づけに関する2016年政府議定第9号の実施を強化するよう、呼びかけた。
 この議定は、微量栄養素欠乏の予防と管理を安いコストで支援する効果的な戦略に関する国際的な勧告に合致する。また国民の健康改善分野における政府のコミットメントを示すものでもある。
 WHOとUNICEFは、この議定は、発効から2年あまり経っているがまだ広く深く実施されていないという認識である。
 微量栄養素の食品への添加は、健康で聡明な国民のパワーを作り出すのに役立ち、競争力の強化を含めた、社会と国家の発展により多くの貢献をすることだろう。
 WHOによると、ヨード欠乏が子供の認知能力の低下や妊娠中の胎児死亡、流産をまねく主要な原因であるという。ベトナムは、まだ世界でヨードが欠乏している19カ国のグループの中に位置している。
 2011年の子供と女性に関する各目標についての分析調査、(複数指標クラスター調査MICS)では、ベトナムの家族世帯のわずか45%しかヨード添加塩を使用していないことが示された。これは、全国民の90%にヨード添加塩の使用を普及させると全世界に勧告されているレベルより低い。5歳未満の子供の30%近くと妊娠女性の37%が貧血である。亜鉛欠乏症は子供(69%)と妊婦(80.3%)にとても多い。
 鉄分不足は、母親の死亡や胎児発育の遅れ、子供の認知機能や運動能力の成長の遅れ及び成人の労働生産性低下を引き起こす危険を増やす。亜鉛不足は、下痢を引き起こす割合や急性呼吸器感染の危険、子供の死亡を増加させる。
 微量栄養素を加工食品や塩味の調味料各種、食用油、小麦粉に添加することは、飲食習慣を変える必要がなく、もしくは国の大きな予算の必要もない。身体への栄養を強化するためにはコストの安い効果的な戦略である、と全世界で確認されている。
 WHOは、家庭もしくは食品加工で使用されているすべての食用塩にヨード添加塩を増やすことが必要であると、ヨード欠乏により引き起こされる代謝異常を防止し抑制するための効果的で安全な戦略として、勧告した。
 この2年間、ベトナム政府は、コミュニティの健康のためにとても積極的に行動し、微量栄養素の不足の防止対策と管理を図ってきた。そして、この努力は継続される必要がある。
 WHOとUNICEFは、ベトナム政府に対し、ヨード添加塩や微量栄養素が添加された小麦粉を使用した加工食品の保証や企業の法律遵守を保証するために企業に有利な条件を整える必要性を含め、第9号議定の実施の強化を強く勧告した。食品加工企業や食品販売企業には、議定の実施や食品加工における微量栄養素を添加した原料の使用に関するガイドラインを示した明確な規定による支援が必要だ。
 ベトナムでは、大部分の食塩と小麦粉が家庭以外の、加工食品や家庭以外の外食で消費されている。そのため、9号議定で規定されたように微量栄養素を食品に添加することが、食品業部門や経営活動の妨げにはならない。このほか、企業には、商品や、最終的な売上にマイナスの影響が及ぶことを証明できる特別な場合は、使用の免除を申請する機会が設けられている。
 上記二つの組織はまた、塩や小麦粉、食用油に微量栄養素の添加を義務づけることは、国民の健康向上のために党中央が最近公布した中央委員会決議20号の実施を助ける重要な方策である、と指摘している。

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( 翻訳者:山森美佳 )
( 記事ID:4460 )