欧州議会における枯れ葉剤後遺症に関する座談会
2018年11月29日付 VietnamPlus 紙
ベトナムにおける枯葉剤被害者
ベトナムにおける枯葉剤被害者

 11月28日、ベルギーのブリュッセルにある欧州議会の本部で、ベトナムとの友好欧州議員グループがベルギー駐在ベトナム大使館やアメリカのアスペン研究所と協力してベトナムの被害者に対するエージェントオレンジ[枯れ葉剤]の影響についてのセミナーを行なった。
 ヴー・アイン・クアン在ベルギーベトナム大使・欧州連合(EU)常駐ベトナム代表団団長、ベルギー駐在のいくつかの国の大使、欧州議会に属するいくつかの機関の代表者が出席した。
 ベトナムとの友好欧州議員グループのJan Zahradil グループ長は、「グループの優先事項はベトナムの社会経済問題にヨーロッパの人々が関心を向けることだ。ベトナムとEUとの関係促進のためである。エージェントオレンジに関するセミナーもその一部である」と語った。
 セミナーでは、アスペン研究所のエージェントオレンジプロジェクトの元ディレクター、チャールズ・ベイリー博士がベトナム側の共同作業者レ・ケ・ソン博士とともに執筆した『敵からパートナーへ:ベトナム・アメリカとエージェントオレンジ』という本を紹介した。
 本書を通じて、著者らは、過去50年間に、ダイオキシン[含有]除草剤がヒトおよび環境に与えた重大な影響を強調した。
 ベトナムとアメリカのエージェントオレンジに対する考え方は長年にわたり異なっている。2007年以来、ようやっと変わってきたばかりで、この時期は両国が、ベトナムの国土と国民に対するエージェントオレンジの深刻な影響を解決する努力を行うために協力し始めた時期であった。
 2007年〜2018年の間、アメリカ政府は、ベトナムにおけるエージェントオレンジの影響を処理するために合計1億3600万ドルを支援した。 このお金は、ダナン、ビエンホア、フーカット空港でのダイオキシン汚染土壌浄化と戦争中に大量に散布された地域の被害者のための医療サービスの財政支援のために投じられた。
 ヨーロッパの人々の前で、著者は身体障害被害者、たくさんの退役軍人世代、また地元の人々との出会いについて、ダイオキシン被害者がおかれた状況の悲しみに満ちた具体的な写真や話とともに直接語った。

 著者は、両者がベトナムにおけるこの有害物質の影響を解決するために協力した際にベトナム-アメリカの関係もかなり変化したと評価する。そしてこれは全面的なパートナー関係の一環と見なされているという。
 セミナーでは、各発表者は、エージェントオレンジの悪い影響を解決するための努力が有毒物質のクリーンアッププロジェクトに限定されず、環境改善のための活動、特にエージェントオレンジ/ダイオキシンの被害者の生活を安定させるための長期的な支援が同時に行われるべきであるという見解で一致した。
 国際エージェントオレンジ被害者協会のベルギー支部、Chris Keyskens会長は、チャールズ・ベイリー氏とその共同作業者が本書で直接言及した問題に加えて、進歩的な人は、アメリカ人がエージェントオレンジについて本当に知っていることは何かということに非常に興味があり、またベルギーや一般的な欧州の人がこの危険な毒物についてどんなことを知っているのかを質問したいということについて共有した。
 彼女は、今ベトナムの被害者が必要としているのは、より生活しやすくなるために彼らを支援することだと強調した。
 ベルギーにおける寄付プログラムにより、2017年末までに協会のベルギー支部は、既に総額1万8,414ユーロを被害者に支援した。
 可能な限り、協会は主にエージェントオレンジの[被害者のための]家の建設、障害のある子どもたちが学校に通えるよう支援すること、クアンナム省ホイアン市の被害者の家族に資金を提供することに焦点を当ててゆく。
 ヴー・アイン・クアン在ベルギーベトナム大使、欧州連合(EU)常駐ベトナム代表団団長は、ベトナムとEUの関係においてこのセミナーが今年の注目すべき出来事の一つであったと評価した。
 彼は、欧州議会の活動は、公衆の意識を高め、ベトナムにおけるエージェントオレンジ/ダイオキシンの影響に対処するための問題解決策を提案する上で欠かせない努力の1つであると言明した。

関連記事:「ダイオキシン・枯葉剤被害者に対する健康ケア事業開始」
https://www.vietnamplus.vn/khoi-dong-du-an-cham-soc-suc-khoe-doi-voi-nan-nhan-dioxin/521785.vnp

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( 翻訳者:村上慎太朗 )
( 記事ID:4649 )