ソーシャル・ネットワーキング・サービス、Facebookはどのようにベトナムの法律に違反しているのか
2019年01月08日付 VietnamPlus 紙
Facebook上に依然として多数出現する違法商品の広告画像(出所:CTV)
Facebookの影響力は世界的に増してきているが、ベトナムのインターネット利用者もその「流れ」の例外ではない。ベトナムに正式に入ってきてから10年以上が経過し、5800万人もの利用者を抱えているが、このソーシャル・ネットワーキング・サービスはこれまで、各官庁の怒りを買ってきた。違法行為が毎日行われているからである。
電子情報・テレビ・ラジオ局(情報通信省)の発表によると、情報通信相による指導を実施するため、Facebookを検査し、その結果、大きく分けて3つの分野でベトナムの法律に違反していることが確認できたという。それは、情報コンテンツの管理、違法なインターネット広告、ベトナムにおける納税義務だ。
個人や組織への誹謗中傷、侮辱
具体的にいうと、Facebookは、関係機関の要求に従って反国家的感情を煽るような活動を行うファンページを削除することに、協力していない。
現在Facebook上では、政権に対する破壊活動による抵抗・中傷の内容や、個人・組織・国家機関を侮辱、誹謗する内容を含む投稿を行っている非常に多くの個人アカウントやファンページ、グループの存在が許されている。言わなくてはならないのは、それら歪曲され事実と異なった内容が、機会がある毎にばらまかれ拡散しており、それをとても多くの反動組織等が政治的な目的で誹謗中傷するためにFacebookを悪用していることである。しかし、それらの内容は、ベトナムサイバーセキュリティ法や政府の2013年第72号政令、情報通信省第38号通達に重大な違反をするものである。
各省庁はねつ造され誤ったコンテンツを削除するよう要求する書簡やメールを、Facebookに何度も送りつづけてきた。これにもかかわらず、世界最大のSNSは態度を保留し続け、更にはコンテンツがコミュニティ規定に違反するものではないとして削除を行わない場合さえあった。
またFacebookは、でたらめでベトナムの法律に違反しているアカウントの情報を、公安の捜査に役立てるために提供することをも、行っていない。
違法な広告を許している
これ以外に、Facebookは偽札やコピー商品、武器、爆竹などといったベトナムでは違法となる製品の広告を許しており、しかもそれを堂々と、どの検閲をも通さずに行っている。
ベトナムの各利用者がFacebook上で、偽物商品売買や賭博の呼びかけもしくは売春に関する広告に遭遇することは、難しくない。にもかかわらずFacebookは「無関心」を示し、このような違法広告の類に間接的に手を貸しているもほぼ同然である。
特に、ここ数年で明るみに出た違法行為は、コンテンツの検閲を受けずに利用者が自由に広告を購入することを、Facebookが許していることだ。〔容疑などがかかる〕対象者は、個人、企業、機関、組織などを誹謗し、影響、損害を与える方針や目的で広告の情報を伝えるために、Facebook上の広告を購入することができる。
危険なのは、Facebookが対象者のグループによって広告を最も正確かつ詳細に広告できる場としてみなされたとき、Facebookは最も有効な「武器」になってしまうことだ。
「政治広告」という新たな専門用語はまさに膨大な数の利用者を伴うこのソーシャル・ネットワーキング・サービスによって生み出された。電子情報・テレビ・ラジオ局によると、政治広告は非常に危険なものである。党大会や中央委員会などのベトナムで重要な時期に、内容を歪曲し世論を方向付けるような多様な広告が多数出現する。
分かっているのは、情報通信省が、Facebookを含む国境を超えるプラットフォームに対する、違法なサービス製品のための精算業務のチェックとこれに歯止めをかけるための方策を打ち出すことを連携して共に行うよう要請する文書を、ベトナム国家銀行に送ったことだ。
脱税
市場研究会社ANTS社の2018年の予測データによると、ベトナムにおけるオンライン広告への支出は5億5000万米ドルに及ぶと考えられるが、その中でFacebookへの広告の支出が2億3500万米ドルを占めていて、一方のGoogleへは1億5210万米ドルである。このように2018年のベトナムのオンライン広告市場シェアの66.7%がGoogleとFacebookだけで占められている。にもかかわらず、この2つの「大御所」は依然として、ベトナムでの納税義務に「無頓着」である。
実際、いくつかの広告内容はベトナムの法律に違反しているが、広告収入がFacebookに流れ込んでいるため、それらを存在させたままにしている。
Facebookのような海外企業が納税しないことは、国家が税を取りこぼすことになり、また、オンライン広告市場を野放しにすることにもなる。
税務政策局(財務省)の代表者は、国内外の要素が絡んでくるために、このような企業から税金を徴収することは非常に複雑であると話した。最も重要なのは、税務機関が、ベトナムにおいて、国境を越えた活動を行う組織の活動を管理しきれていないということだ。
暫定的な統計によると、現在ベトナムにはFacebookがインターネットに直接接続するための遠距離通信会社が8社あり、およそ900のサーバーをベトナムに設置している。だが重要なのはFacebookがベトナムに代表オフィスを構えておらず、また、通信会社を通してサーバーを設置する際に法律面が不十分だったことだ。各通信会社との契約書の中で、ベトナムの法律の規定の遵守を約束する条項が盛り込まれていない。これもFacebookのようなSNSが現地の国の法律に連続して違反してしまうための、まさに抜け穴となっている。
これらを是正するため、管理機関はベトナムにおけるFacebookの法律違反に対する様々な対策をとる予定だ。
これによると、管理機関は引き続き違法行為の証拠を集め、Facebookに対して法律の順守を求めて闘っていく。各サービス提供業者とFacebookとの間の契約書にベトナムの法律規定の順守を確約する内容を追加するよう要求する。
それ以外に、Facebookは、ベトナムにおけるもろもろの清算業務や商取引、広告にかかる税金を管理するために、関係機関に協力しなくてはならない。また、もしFacebookが前向きな態度を示さなければ、ベトナムの各管理機関は、透明性があり健全なネット環境を確保するために必要な経済・技術的な措置を適用するだろう。
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「多数のスキャンダルがあるにもかかわらず、ザッカーバーグ氏は2018年Facebookについて誇る」
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( 翻訳者:片方明 )
( 記事ID:4726 )