ベトナム、平和維持に参加する女性の役割を高める
2019年04月12日付 VietnamPlus 紙
レー・ホアイ・チュン外務次官
レー・ホアイ・チュン外務次官

 「国連平和維持活動における女性」をテーマとした討論会で、レー・ホアイ・チュン外務次官は、平和における女性の役割を強調した。
 国連安全保障理事会は4月11日、ドイツのウルズラ・フォン・デア・ライエン国防相が司会を務める「国連平和維持活動における女性」というテーマの公開討論会を開催した。輪番制により、ドイツは安保理の4月の議長国を務めている。
 討論会には、アントニオ・グテーレス国連事務総長、国連休戦監視機構(UNTSO)初の女性総司令官クリスティン・ルンド女史、および、南スーダン民主化プロセス監視プロジェクト事務局長の Merekaje Lorna Nanjia 女史が出席し、報告を行った。
 国連本部駐在のベトナム通信(VNA)特派員によると、討論会で報告した国連事務総長は、全面的・包括的な和平プロセスを維持し、より良い条件を整えるための諸措置の効果的な展開を目的とした2018年から2028年までの男女平等戦略の発表など、国連の平和維持活動における女性の代表的役割を強化するための国連の努力を再確認した。
 事務総長は、国連安保理第2242号決議(2015年)の実施を推進していると述べ、また、女性の参加の拡大と現在の関連する課題の克服を目指した Elsie イニシアチブの推進を高く評価した。その上で、より多くの女性将校の派遣や、ミッションにおける軍や警察の各部隊への女性の参加に対し関心をより高めるよう、関係国の協力を呼びかけた。
 国連加盟各国は、和平プロセスのすべての段階および国連平和維持活動における女性の役割に関する国連安保理の各決議に対する強力な支持を確認した。報告の多くは、国連平和維持部隊における男女平等の保障の必要性に言及した。男女平等の保障のためには、女性幹部の拡大の他、国連平和維持活動、さらには、各国の治安・国防システムにおける指導的地位をはじめとするあらゆる地位に女性を任用できるような平等な機会を整えることが必要だという。
 特に、国連平和維持部隊における男女平等の保障は、性的な搾取・虐待・暴力の克服に前向きな作用をもたらすであろう。
 公開討論会で、レー・ホアイ・チュン外務次官は、平和全般、そして、国連平和維持活動に対する女性の積極的な役割を強調し、特にジェンダーに関する問題の解決効率の向上、女性や女児の権利の保護、執行の推進を強調した。また、地域の女性や女児が国連平和維持活動により積極的に参加できるようにするための原動力を作り出すとともに、国連平和維持活動における性的な搾取・虐待・暴力の問題解決のため積極的に働きかけていくと強調した。
 レー・ホアイ・チュン外務次官は、上記目的を達成するため、国連は安保理第2242号決議の実施をより強力に推進していく必要があると述べ、事務総長に対し、平和維持部隊への女性の参加に対する障害をより具体的に検討するよう求めるとともに、男女平等戦略を基礎とした解決策を提示した。また、発展途上国に対し、治安・国防部隊に参加する女性の増加を目指したElsieイニシアチブへの協力推進を呼びかけた。さらに、国連平和維持活動は、不干渉、中立、関係国の承認を得るという基本原則を保障する必要があることを強調した。
 レー・ホアイ・チュン外務次官は、2014年以降、ベトナムは南スーダンと中央アフリカ共和国での国連平和維持活動にベトナム人民軍の将校を派遣し、参加させてきたと述べた。   2017年、ベトナムは南スーダンでの任務遂行のため、初の女性将校を派遣した。現在、南スーダンにあるベトナムの第2級野戦病院にはベトナムの女性兵士10人が勤務しており、今後も国連平和維持部隊への女性の参加を引き続き推進していくという。
 公開討論会に合わせ、レー・ホアイ・チュン外務次官は、各国の国連大使や駐在代表らと会合し、2020年-2021年を任期とする国連安保理非常任理事国へのベトナムの選出支援を要請した。現時点で、ベトナムは非常任理事国のアジア太平洋地域枠で唯一の候補国となっている。

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( 翻訳者:八城星 )
( 記事ID:4803 )