ベトナム、喫煙者の数を2%しか減らせず
2019年05月10日付 VietnamPlus 紙
(写真:ディン・ハン/ベトナム通信社)
ベトナムはタバコの使用率が世界で最も高い15カ国のうちの一つで、タバコの害防止に関する法律が施行され6年経っても、この割合は法律施行前より2%しか減少していない。
この情報は、ベトナム共産党電子新聞によりホーチミン市で5月10日に開かれた「煙草の害の防止に関する法律の効果的な実施のための方策」という会議で示された。
保健省法制局のホアン・ティ・トゥ・フオン氏によると、現在のベトナムには、喫煙者が約1700万人おり、そのうち成人男性の45%以上、成人女性の1.1%以上が喫煙しているという。
喫煙者の数が多いため、推定して約3300万人が受動喫煙を被っている。特に、毎年ベトナムは約4万人が喫煙に関わる病気にかかって亡くなっており、その数は交通事故やHIV/AIDSによる死者よりはるかに多い。
しかしながら、喫煙による害に対する人々の認識には未だ限界がある。職場や機関での喫煙は減少しているにもかかわらず、娯楽施設や病院といった一般的に人で混み合う場所では、依然として多い。
そのため、タバコの害防止に関する法律を施行し6年が経過した現在に至っても、喫煙者の割合は2%しか減少していない。
ベトナムにおける喫煙者の割合が依然として高い理由を分析して、コミュニティ開発教育研究センター副所長のグエン・チョン・アン博士は、ベトナムにおいてタバコは気軽に買え、どこでも売られており、かつ誰でも買うことができる点を指摘した。
なかでも、特別消費税がかからないと煙草の値段は地域や世界の国と比べてもかなり安い。
これまで、たばこ業界は国家予算への税収への貢献、雇用の創出、貧困削減への貢献といった観点から、この品目に対する特別消費税の導入を阻止する反対意見を示してきた。
しかし、推定では、実際、2015年の、たばこ業界からの国家予算への貢献は、約15兆ドン〔約700億円〕とみられている。
一方で、ベトナム人がタバコに費やす金額は55兆ドン〔約2500億円〕に上り、その内の31兆ドン〔約1400億円〕が煙草の購入に使われ、残りの24兆ドン〔約1100億円〕は煙草による病の治療費に使われている。
そのため、グエン・チョン・アン医師によると、「喫煙者の比率を減らしたいのであれば、購買力を低下させ煙草による疾病リスクを防ぐために、特別消費税の増税とたばこ製品の値上げが真っ先に必要である」
情報通信省ネット情報新聞査察室の室長であるゴ・フイ・トアン氏によると、正規のマスメディアにおいては、たばこの宣伝は既に制限されてきたという。
しかし、SNSでの煙草の宣伝活動やレストランやホテルでのたばこ製品の直接販売はまだ管理されていない。
その上、煙草売り場では煙草の陳列の仕方が依然として日常的に違法なやり方で行われている。たばこ会社が煙草を宣伝し販売するために「法律をかわす」あらゆる方法を探している事は言うまでもない。
タバコは経済的重荷と病気の重い負担となっており、多くのベトナム家族にとって「貧困化」の罠となってきた。そのため、各代表者は、「今後、煙草の害防止に関する法律の実施においてより強硬な措置が必要だ」と建議した。
また同時に、喫煙は、自身の健康に影響を与えるだけではなく、社会コミュニティに対しても計り知れない悪い影響をもたらすため、煙草の有害性について人々に広め、意識を高めることをやめてはならない。
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( 翻訳者:岡野夏美、谷津もゑり )
( 記事ID:4821 )