インドネシア国家警察、「薔薇チーム」を捜査。5月21・22日の暴動に関与か。
2019年06月12日付 Kompas 紙
去る5月22日、ブリジェン・カタムソ通りでの集団暴動へ向かうインドネシア国軍海兵隊員ら
インドネシア国家警察、「薔薇チーム」を捜査。5月21・22日の暴動に関与か。
ジャカルタ、kompas.com配信
インドネシア国家警察は、去る5月21日から22日にかけてジャカルタのいくつかの地点で発生した暴動に関与した疑いがもたれる「薔薇チーム (Tim Mawar)」についての雑誌『テンポ』の報告に見解を示した。
「薔薇チーム」の名は、陸軍特殊部隊グループⅣ内にあるチームの一つとして知られている。同チームは「1998年の悲劇」*1 で活動家を拉致した疑いがもたれている。
インドネシア国家警察広報部長のポル・アセップ・アディ・サプトラ国家警察上級司令官は、捜査官は事件を明らかにするために様々な情報源を用い調査を続けていると述べた。
去る6月10日、南ジャカルタの国家警察本部広報庁舎での記者会見の際、同氏は「そうした一チームの関与に関連して、捜査は行われている」と述べた。
そして、「原則的には、捜査員はメディアからの情報も含む様々な情報源に留意して捜査を試みている」と続けた。
去る6月10日付けの、雑誌『テンポ』の報告において、「薔薇チーム」元隊員、ファウカ・ノール・ファリド氏は暴動との関与が疑われ、暴動の際に選挙監視庁庁舎周辺にいたとされている。
同雑誌が警察側から得た会話記録の中で、同元隊員は混乱が起こればとても良い、犠牲者が出ればなおさら良いと述べている。
先に述べた推測は、プラボウォ・スピアント氏-サンディアガ・ウノ氏の選挙対策本部における2つの情報源によりさらに裏付けられた。先述の情報源によると、雑誌『テンポ』は、ファウカ元隊員が選挙監視庁でのデモ計画に参加していたと報告した。
デモ計画会議は、ジャカルタ南部にある同選挙対策本部のオフィスで行われた。
ファウカ元隊員は、暴動が発生した当時総選挙監視庁庁舎周辺にいたこと、並びに自身は暴動で犠牲者が出るようなことを望んでいたことを否定した。
アセップ国家警察上級司令官も、警察内部の当該報道情報源のうちひとつについて把握しており、今後も引き続き追究を深めていくと述べた。
同司令官は、「我々がこのようにオープンな形で情報を公開したことはなく、即ち依然全てが捜査段階にあるということである」と語った。
一方で、ウィラント政治・法務・治安調整担当大臣は去る5月21日から22日のジャカルタにおける暴動の黒幕として疑われている人物について、明日警察が明らかにするだろうと述べた。
「私たちは捕まった人物についての詳細で完全な説明を求めている。明日、インドネシア西部時間10時に事件を担当するチームから伝えられるだろう」と去る6月10日、ジャカルタの政治・法務・治安調整担当調整省で同氏は述べた。
「明日は単なる情報だけでなく、彼らの取調調書の内容も伝えられるだろう」と続けた。
注釈1.
1998年のスハルト政権崩壊間際に起こった民主化運動家たちに対する当局による誘拐・拉致事件
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( 翻訳者:岡田亜里 )
( 記事ID:4846 )