リサイクルネットワークを通してプラスチックゴミを処理する
2019年05月23日付 VietnamPlus 紙
ベンタイン市場の小商人と買い物客に再使用できる布製バッグ贈呈に参加するホーチミン市駐在の各総領事
ベンタイン市場の小商人と買い物客に再使用できる布製バッグ贈呈に参加するホーチミン市駐在の各総領事

 5月23日、ホーチミン市で、地域社会とステークホルダーの、プラスチックのリサイクルに対する意識を高めるため、ホーチミン市都市環境一人有限責任会社が、ホーチミン市工業大学と連携して、国内・国外の専門家が参加するプラスチックリサイクルネットワークに連結するためのワークショップを開催した。
 ホーチミン市都市環境一人有限責任会社のブイ・チョン・ヒエウ取締役会会長によると、プラスチックゴミとプラスチックゴミによる[環境]汚染は、世界的で深刻な緊急の環境問題である。
 特にホーチミン市では、毎日生活から排出される固形廃棄物の合計8,900トンのうち、プラスチックゴミが約1,800トンを占めており、そのうちリサイクルされるのは約200トンだけである。残りは他の固形廃棄物と共に埋め立て処理されている。
 また、プラスチックゴミによる環境汚染を軽減するための対策やゴミを資源に変える戦略を実施する努力をしており、プラスチックゴミのリサイクル技術の研究と応用の実用化を推進している。
 しかし、重要な問題解決方法の一つは、経験を学ぶことと、地域と世界におけるプラスチックリサイクルネットワークへの参加の推進である。
 プラスチックリサイクルネットワークについて、オーストリアのウィーン天然資源大学教授のStefan Salhofer博士は「欧州連合のエラスムスプラスプログラムは、ラオスとベトナムでプラスチックリサイクルに関する人材育成・教育能力の向上を図る、東南アジア・ヨーロッパプラスチックリサイクルネットワークプロジェクト実施のための資金援助を行った」と伝えた。
 このプロジェクトでは、ラオス、ベトナム、デンマーク、ドイツ、ウィーンの関連する専門分野の各大学や企業パートナーを含めた10のメンバーで、2017年10月から2020年10月まで実施される。プロジェクトは、プラスチックリサイクル分野に関する研修を、企業や教員、学生に対して実施することや、安全で環境に優しいプラスチック製品やプラスチック代替品を作り出す支援を集中的に行う。
 2020年10月までに、このプロジェクトでは、ホーチミン市工業大学とラオス国家大学へ、それぞれ、プラスチックリサイクルに関する研究・人材育成センターを設置する支援が行われる。
 ホーチミン市工業大学は東南アジア・ヨーロッパプラスチックリサイクルネットワークプロジェクトに参加する10のメンバーの一員である。
 ホーチミン市工業大学准教授のレ・フン・アイン博士によると、プロジェクトのメンバーの役割を果たすために、大学はプラスチックリサイクルに関する研修を行ったり、製品や環境の中のマイクロプラスチックの評価を行ったり、ヨーロッパのRoSHの基準に従ったプラスチック製品の品質分析を行ったりする予定だという。目的は、生産者の意識や消費者及びステークホルダーの認識を向上させることだ。
 RoSHとは、家庭用電気製品、玩具、電子機器等の鉛、水銀など有害物質を厳しく制限するためのヨーロッパの規格である。
 2019年、大学は、各企業に対し、飲料水製品中のマイクロプラスチックの分析とRoshの基準に沿ったプラスチック製品の安全性の評価について無料で検査する支援を行う。企業がヨーロッパ市場にプラスチック製品を輸出できる基準を満たすための条件を整える。
 レ・フン・アイン准教授・博士は、「世界で処理されるプラスチックゴミの量は50%に過ぎず、残りは環境に排出される。プラスチックゴミは環境に排出された後、マイクロプラスチックの繊維や、マイクロプラスチックフィルム・破片を形成し川や海の水の流れに従って川や渓流、大洋、地下水を汚染するほか、大気も汚染する」と付け加えた。
 統計によると、ベトナムは、プラスチックゴミの排出量について、中国とインドネシア、フィリピンに続き、世界で4番目に多い国にランキングされている。サイゴン川での調査で、水1㎥あたり17万2000~51万9000個のプラスチック繊維、水1㎥あたり10~233個のプラスチックの破片が含まれていることが分かった。このことを通して、川の水は、プラスチックによる汚染のレベルが高い状態にあるといえる。
 プラスチックリサイクルについて、ドイツのドレスデン工科大学のChristina Dornark教授・博士は、「ドイツでは、プラスチックゴミリサイクルの方法を集中的に行う前に、特に、使い捨てプラスチック製品などプラスチック製品の使用を最大限減らし、再利用可能な製品もしくは環境に優しい製品に代替しました。各企業が行うプラスチックゴミのリサイクルは、環境を守り、リサイクル製品の安全性や品質を保証する方法で実施されています。」と伝えた。
 Christina Dornark教授・博士によると、ラオスとベトナムは、プラスチックゴミリサイクルの実施を強化する必要があるという。適切なプラスチックゴミ輸入計画を立て、原料用のプラスチックゴミの輸入を制限すると共に、各国際組織と連携し、品質の安全性と環境衛生を確保できるプラスチックゴミのリサイクルを実施する現代的な方法や設備を得られるようにしなければならないとのことだ。

関連記事:東南アジアの都市郊外地域の固形廃棄物の管理を促進する
https://www.vietnamplus.vn/thuc-day-quan-ly-rac-thai-ran-tai-vung-ven-do-khu-vuc-dong-nam-a/569350.vnp

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( 翻訳者:千葉智洋 )
( 記事ID:4864 )