サムスン、東南アジア最大の研究開発センターをベトナムに建設へ
2019年06月14日付 VietnamPlus 紙
サムスン・ベトナムのチェ・ジュホ社長と会見するグエン・スアン・フック首相(写真:トン・ニャット/ベトナム通信社)
首相との会見中、韓国サムスン電子の現地法人、サムスン・ベトナムのチェ・ジュホ社長は、現在、ハノイに研究開発センターを建設するために必要な手続を行っていることを伝えた。
6月14日午後、政府事務局本部での、サムスン・ベトナムのチェ・ジュホ社長との会談で、グエン・スアン・フック首相は、サムスンが電子製品の組立分野への投資戦略拡大だけでなくテクノロジー開発能力拡大も行ってほしいと要請した。
サムスン・ベトナムは、東南アジア最大の研究開発センターをハノイに建設する予定だ。
「政府は企業と共に歩み、投資家に関心を持ち、条件を整え、困難を解決する」という精神で、首相は、この大企業、サムスン・ベトナムのトップに就任して6カ月になるチェ・ジュホ氏から問題点や障害になっていることについて率直な説明を聞きたいと表明した。
これまでの生産経営状況に関する情報について、チェ・ジュホ氏は、「サムスン・ベトナムは、2019年5月末までで、売上が285億ドル、輸出額240億ドルに達した。 2019年は、年間で、売上が735億ドル、輸出額635億ドルに達する見込みで、去年と比べて5%増える見通しだ」と伝えた。
チェ・ジュホ氏は、同グループの指導者と共に以前行った会見での首相の要請に従ったサムスンの研究開発センターの建設計画実施に関する報告も行った。現在、サムスン・ベトナムは、センターをハノイに建設するための必要な手続を行っている最中で、活動を開始すれば、定員およそ2000人から3000人の規模となる、「東南アジアで最大の研究開発の拠点」になる見通しだという。
現在サムスンは研究開発センターとして使用するために事務所を借りなければならない。
チェ・ジュホ氏は、このセンター建設の目的は、ベトナムの発展に貢献するために、ソフト分野の人材育成と、近い将来には、5G,AI,ビッグデータなどといった他の分野の人材育成を集中的に行うことにあると伝えた。チェ・ジュホ氏は、首相がこの重要なセンターの建設に関心を持ち、条件を整えてほしいと表明した。
この計画を歓迎し、グエン・スアン・フック首相は、ベトナムにサムスンの大規模な研究開発センターが存在することの重要性を強調した。このことは、同グループがベトナムで長期的な投資・生産を行う決意であることを示している。
首相は、ハノイ市人民委員会に対し、事業を実施するための最大の条件を整えるように指導した。
サムスン・ベトナムの製品輸出が2019年に5%増える可能性があるという成果を得て、チェ・ジュホ氏の運営管理能力を高く評価し、首相は「このことはベトナムの経済発展に多くの意義がある」との見方を示した。
首相は、「友にとっての成功は私たちにとっての成功だ」の精神で、サムスンがベトナムと密接になり、ベトナムで長期的なビジネスをしてほしいと表明した。
現在良い成果を多数おさめている韓国とベトナム間の投資促進活動を強調し、首相は、サムスンがベトナムでの投資を拡大し、現在の174億ドルから200億ドルに増やすことを期待した。
同グループのベトナムでの投資拡大を引き続き支援するという政府の考え方を確認した上で、首相は、電子製品の組立分野だけでなくテクノロジー開発能力拡大のための投資戦略も拡大することや、発展の流れと第4次産業革命のニーズに合った新世代のテクノロジー製品の研究・製造の継続、サムスンが経験豊富な分野の一つである電子政府の実施におけるベトナムへの支援を、サムスンに要請した。
首相は、ベトナムの裾野産業の企業、特に同グループの各事業への原材料や部品の供給に協力・参加する機会がある中小企業のための条件を整えるための技術移転と人材育成に関する実践的な支援を継続するよう、サムスンに要請した。
首相は、サムスンに対し、韓国の大手テクノロジー企業グループにベトナム進出を促してほしいとの期待を示した。サムスン・ベトナムのチェ・ジュホ社長は「[私達の企業]グループは既に、韓国の大手企業に半導体分野でバックザン省への総額およそ5億ドルの投資を呼びかけた」と伝えた。
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( 翻訳者:池田樹生 )
( 記事ID:4927 )