20世紀の初めには裕福なベトナム人実業家が多く登場し、このうちの少なくない人々が民族の革命事業にその生涯と事業のすべてをささげた。

①バック・タイ・ブオイ氏（1874 - 1932）
「ベトナムの船舶王」と称され、すべてベトナム人の手によって設計・製造された船ビンチュアン号をクアカム（ハイフォン）で入水し、大きな評判を得た。民族資産家、立身の志に溢れた大実業家として評価されている。

②ゴー・トゥ・ハ氏（1882 - 1973）
印刷会社の持ち主。ハノイに所有する多くの館を含め、ほとんど全ての事業を国家に献じた。八月革命が成功し、氏は政府の飢餓救済協会を取りまとめ、飢饉に立ち向かおうと積極的に奮闘し、革命直後の困窮期に国家の維持に貢献した。

③グエン・ソン・ハー氏（1894 - 1980）
ベトナムの塗料製造業の創始者で、フランス植民地時代のベトナム有数の実業家の一人。多くの資産を献じ、家族と共に抗戦活動に加わった。

④ドー・ディン・ティエン氏（1904 - 1972）
1946年、筆頭となってお金を出してフランスの印刷所を買い、それを政府に献じて紙幣印刷所を設立した。1947年には、家族を伴いベトバク地方に向かい抗戦活動に加わった。多くの資金と金を革命政権に寄付した。

⑤チン・ヴァン・ボー氏（1914 - 1988）
ハノイで最も裕福な人物の一人で、繊維工場を所有し不動産業を営んでいた。1945年秋に「金週間」が発動され、氏の家族は5147両にのぼる金を政府に寄付した。

　20世紀初頭から1945年までの愛国的な実業家階級は、ベトナムの実業家文化の精神、才能、才知、勇気を以って裕福になるための道の真の意義を体現したといえる。
　その裕福になるための道こそが、20世紀前半の実業家の各世代を貫く赤い糸を創り、国を救うために裕福になるという目標を持つ実業家の世代を創り、彼らは８月革命の炎を目にした時、献身への渇望に火がついたのだった。ルオン・ヴァン・カンからバック・タイ・ブオイおよびグエン・ソン・ハーに至るまでの実業家の模範は、後世の実業家世代に称賛される実業家文化の模範となった。

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（ 翻訳者:高橋和佳子 ）
（ 記事ID:4958 )