タナッカー価格下落後、タナッカー栽培も減少
2019年10月30日付 The Voice 紙


カレー 10月30日

 ミャンマー中部地方の地域における主要な栽培品であるタナッカー(訳者注1)の価格が下落して以降、栽培者が減少しているということがミャンマー全国タナッカー栽培生産販売者組合から明らかになった。

 タナッカーはアヤードー、イエザジョー、パコック、モンユワ、インマービン、パレー、カンバルー、ミャイン、パウッといった郡(訳者注2)において主に栽培されており、タナッカーの栽培面積を調査した2015年の台帳によれば、その面積はのべ30万エーカー超にわたるということが同組合から分かった。

 同組合長であるウー・チョーモーは、上記の郡にて栽培されたタナッカーの価格は2015年には樹齢6年の木1本あたり1万5千チャットから2万チャットまでであったが、2019年10月には1本7千チャットを割るようになっていると述べた。

 「タナッカー市場が落ち込みを見せ、栽培者たちはトラガカントゴムノキ(訳者注3)やマンゴーといった市場で販売できる木を代わりに栽培し始めている。タイや韓国、ミャンマー国内において生産された製品はチョーク、黄土、化学薬品などとタナッカーの香水などを混ぜ合わせ、タナッカーの写真やイラストを貼るなどして昼夜問わず生産されたものであり、そうした製品がミャンマーのタナッカー市場を破壊しているような状況なのだ」と同氏は述べた。

 そうした問題を解決するため、11月に3日間の日程でミャンマー・タナッカー会議が開催されることがミャンマー全国タナッカー栽培生産販売者組合から明らかになった。

 タナッカーとして使用できるようになるまで、1本の木を最低でも6年間生育させなければならない。市場では、タナッカーの木を切り分けて、丸太の形にしたものが主に販売されている。

 「トラガカントゴムノキはたった3年で元手を回収できるが、タナッカーは7年ほどでやっと売り物になる。一度伐採してもまた6、7年待たなければならない。そのため、皆タナッカーの栽培をやめてトラガカントゴムノキを植えているのだ」とアヤードー郡のタナッカー栽培者ウー・チックンは述べた。

 タナッカーの成分を含んでいないにもかかわらずタナッカーの名前を付けている化粧品を市場にて分析調査し、偽造品を生産する業者を取り締まるよう今年9月に消費者庁へ報告したところ、未だ調査の段階であるとの返答を受けたということが上記の組合から分かった。


訳者注1:ミャンマーにおいて天然の化粧品として用いられる樹木の名称(Thanaka)。日焼け止めやニキビ予防などの効能があるとされ、老若男女問わず使用するが、特に女性や子どもが顔に塗って使用することが多い。市場では丸太状で売られており、使用する際には樹皮を丸くて平たい砥石のようなもので水と混ぜて磨り、その液体を塗る。タナッカー成分を含む石鹸や化粧品などの加工製品も人気である。

訳者注2:アヤードー郡、モンユワ郡はザガイン管区南部モンユワ県下に、イエザジョー郡、パコック郡、ミャイン郡、パウッ郡はマグウェー管区北部パコック県下に、インマービン郡、パレー郡はザガイン管区南部インマービン県下に、カンバルー郡はザガイン管区中部カンバルー県下にそれぞれ位置する。

訳者注3:マメ科の木の一種(英:Tragacanth gum tree/学名:Astragalus gummmifier)。

Tweet
シェア


 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:田中千帆 )
( 記事ID:4985 )