革命功労者への補助政策に関する6つの変更が論争を引き起こす
2019年10月25日付 VietnamPlus 紙
革命功労者優遇法令(改正)は対象の拡大についての変更を含むが、制度の受給審査規程もより厳しくなる。
労働傷病兵社会省は、革命功労者への支援政策の実現に関する各規定の整備・補充を目指すため、政府に提出する革命功労者優遇法令(改正)草案を整備するための意見を聴取している。
現在、草案での6つの変更内容が論争を引き起こしている。
第3世代の枯葉剤被害者に対する政策の補充
当該草案は、有害化学物質に曝された抗戦活動者の有害化学物質の影響を受けた第3世代を対象とした優遇政策の補充を提案している。しかし、それは社会保障制度に従って引き続き実現していくべきであり、まだ新たに政策を補充する必要はないという意見もある。
医療専門機関によると、現在はまだ、有害化学物質に曝された抗戦活動者の孫にあたる第3世代に対し、その有害化学物質がもたらした疾病、奇形、障害の種類を特定するには、科学的・実際的根拠が不十分である。実際、治療をすると、奇形・障害を引き起こしている原因は、特に第3世代に関しては、有害化学物質だけでなく、他の異なる多くの要因も考えられる。
革命功労者局によると、奇形や障害に苦しむ孫世代の人々の数は多くないが、コミュニティ、特に有害化学物質による汚染地域に住む人々の同意を得られていない調査による不明確な認定に基づいている。一方、その孫世代も社会保障制度を享受しているため、革命功労者政策を孫世代にまで拡大することについては更に意見を聴取しなければならない。
烈士公認の条件に関する修正
草案の編纂過程では、怪我の再発で死亡した傷病兵と同様な政策享受者や傷病兵を烈士として公認することについて、各省庁、部門、地方、組織および個人から出た意見は二分された。すなわち、怪我の再発により死亡した(身体損傷率)81%以上の傷病兵か、怪我の再発により死亡した(身体損傷率)61%以上の傷病兵かである。
現在、81%未満の傷病兵が死亡時に烈士に認定されることは重度の傷病兵や地方の同意を得られていない。そのため、草案は二つの案が検討されている。81%以上の身体損傷率をもっていて怪我の再発により死亡した傷病兵と同様な政策享受者や傷病兵に対して烈士を認定するか、現行の規定(身体損傷率61%以上)かである。
両案とも、再発した怪我の定期的な治療記録の保持と県レベル以上の病院による認定を義務として条件を規定している。
叙勲未受章者への対象の拡充
当該法案は、抗戦活動者であるが勲章を受賞するだけの期間を満たしていない者をも補助の対象に含むことを提案している。しかし、これらの人を法令に補充しない提案をする意見もある。なぜならば叙勲されるだけの期間を満たしていない抗戦活動者は、表彰状が授与されており、単発の補助金あるいは毎月の補助金の優遇制度を享受しているからである。
もしこの対象を法令草案に拡充すれば、彼らが既に単発の補助金制度を受けているのに、各政策制度の補充を実現しなければならない。さらに、この対象者数は相対的に大きい(約170万人)。
特に、同法の補充により、いくつかの類似の対象を審査しなければならなくなる可能性がある。抗戦で任務を完遂した「青年突撃隊」や、抗仏・抗米戦争、祖国防衛戦争に参加し国際的義務を果たした「民工火線」【訳注:軍隊の後方支援に短期間従事した人々】などが挙げられる。よって、対象の拡充については意見をさらに聴取している。
捕虜となった者の対象の拡大
現行法令は、捕虜となった革命活動者・抗戦活動者に対してのみ認定審査を規定しているだけで、捕虜となった革命支援者や、1975年以降の国際的義務を遂行し祖国を防衛する戦争(西南国境戦争【訳注:カンボジア戦争】および北方国境戦争【訳注:中越戦争】)に参加したことで捕虜となった人に対しては規定していない。現在、上記の対象を法令に拡大するという提案に対して大いに共感が寄せる意見が多いが、実現性の面で不安が残る。
実際、この対象の範囲は非常に広く、保管所にはほとんど証明書類がないか証人を欠いており、政策で金儲けをするという悪影響が発生しやすい。一方、この対象者のほぼすべて(既に叙勲を受けた者の数に相当)が、革命を手助けした者に対する補助制度を受けている(単発の補助金)。よって、この対象を法令に入れないという意見が多数寄せられている。
毎月の補助金の削減
現行法令は、有害化学物質に曝された抗戦活動者で、身体損傷率21%以上の人が、21-40%、41-60%、61-80%、81%以上という基準に従って毎月の補助金を受け取れると規定している。
編纂の過程で、政府は身体損傷率21-40%のグループをすべて見直し、毎月の補助金から単発の補助金へ切り替えるべきだと、非常に多くの地方が提案している。調査・チェックを通じて、政策の濫用と最近の制御が難しいのは主にこのグリープであることが明らかになり、世論の苛立ちを引き起こしていることが原因である。
各地方の報告によると、この対象の大多数は、急性及び亜急性末梢神経障害、糖尿病、中程度の精神障害といった病気にかかっている。彼らは働いて通常の生活を送っており、もし治療を受けて機能を回復させれば、病状は和らぐだろう。一方、有害化学物質の影響を受けていない健常者でも上述の病気にかかることがあるため、容易に政策が濫用されてしまう。
新たな病兵の非公認
現行法令は、「病兵とは復員時に労働能力喪失率61%以上になる病気にかかっている軍人、人民公安」および「労働能力喪失率41-60%になる病気にかかっていて、1994年12月31日以前に所轄機関・部署の公認を得た軍人、人民公安」と規定している。
草案では平時における病兵を対象とした制度の廃止を検討している。現行法令に従って制度を受けている病兵のケースに対しては、規定に基づいて引き続き享受する。しかし草案は、今後新たに病兵を革命功労者の対象としては公認しないと規定している。改正法令が発効してからの新たな病兵は、社会保険に関する法律の規定に従って制度を受けることになる。
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( 翻訳者:岩切南 )
( 記事ID:5002 )