海上のプラゴミ汚染を減らすための総合的解決法が必要
2019年11月29日付 VietnamPlus 紙
ビンディン省クイニョン市ハイカン区ニャーザム集落の海上でプラゴミをかき集める。
150人以上の参加者が「ベトナムにおける海上のプラゴミ汚染の実情と解決法」をテーマとする国際科学会議に出席。同会議は11月29日にハノイで開かれた。
150人以上の参加者が「ベトナムにおける海上のプラゴミ汚染の実情と解決法」をテーマとする国際科学会議に出席。同会議は11月29日にハノイで開かれた。
会議に出席した150人の参加者は、国内外の省庁、研究所、大学の管理担当者、研究者、幹部、講師などである。
開幕のスピーチでハノイ国家大学のファム・バオ・ソム副学長は、学会は管理担当者や研究者が研究における国際的な知識と経験について意見交換し、マイクロプラスティックをはじめとするプラごみ全般による環境汚染の実情について評価し、また、管理担当者と研究者が、生態系と生物、人間の健康に与えるプラごみの影響やプラごみ汚染の減少と管理についての解決法ついて意見交換する機会となったと述べた。
同時にこの会議は今後の国際的パートナーとのベトナムにおけるプラごみの管理と減少のための政策と解決法についての研究協力プログラムの結合、起動に貢献した。
国連の統計によると、毎年世界で生産されるプラごみは平均3億トンで、これには何十億本ものペットボトルと50億枚のナイロン袋が含まれる。
使用後わずかおよそ27%のプラスチックが処理され、再利用されて、残りは自然の中に存在し続けて海へと入り、それらは数百年かけてようやく分解されるもので、一部は有害な食べ物となって各種の海洋生物を殺してしまう。
研究者たちは、2050年の各海洋におけるプラごみの量は魚の総量よりも重くなると推測している。
複数の国際組織の評価によれば、ベトナムは世界の109の国家の中で17番目にプラごみ汚染の程度が大きく、世界で最もプラごみが多い5つの国のうちの1つである。
国際社会の努力と共に、ベトナム政府はこれまで、国際的なアイデアを提案し、強い政治的約束を行い、プラごみの管理削減のための実質的な活動を展開してきた。
政府はまた、プラごみ、中でもリサイクルできないプラスティックや分解されにくいビニール袋による環境汚染についてチェックし、決然とした解決法を展開し、プラスチック製品の使用を減らし、再生と再利用を向上させることを重視し、緑の増加と循環経済の基盤を促進している。
ベトナム環境資源保護会のダン・キム・チーさんによると、人間が使用するプラスチック製品の多くがリサイクルできないもので、その後捨てられる。そのため、プラごみの量は使用の需要と共に増加し続けている。
近年は、プラごみはわずか14%程度の再生・再利用のために収集されているのに対し、紙ごみは60%、鉄くずは90%が再生されている。
アジア諸国ではたくさんのプラごみが発生しており、ベトナムは中国、インドネシア、フィリピンに次ぐ第4位である。
プラごみは分解されるまでの時間が非常に遅く、一方使用時間は短く、毒性のある成分が長くとどまる可能性があるため社会の健康と環境に悪影響を与えかねないため、これは環境にとって大きな課題である。
会議において各専門家は、プラスチック製品開発の政策や計画、ごみの削減の教育、宣伝、プラごみの再生・利用の強化増加など、総合的な管理と解決策が必要だと伝えている。同時に、プラごみの再生と管理に関連する法的規範の議定、文書が必要であると伝えた。
環境フレンドリーな科学技術や、生活の中で再生ないし分解されやすい生分解性プラ製品を使用することが非常に必要で、現実に応用できる結果を挙げるための奨励、投資、条件づくりが必要である。
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( 翻訳者:松澤秋子 )
( 記事ID:5063 )