ベトナムとEU、危機管理活動の参加枠組み協定(FPA)を締結
2019年10月17日付 VietnamPlus 紙
FPA協定に署名したゴ・スアン・リック国防相とフェデリカ・モゲリーニ欧州委員会副委員長
FPA協定に署名したゴ・スアン・リック国防相とフェデリカ・モゲリーニ欧州委員会副委員長

 EUにとっては、FPAの締結により、ベトナムとの協力関係が促進され、また、アジア太平洋地域との協力強化の上で有利な条件が整えられることになる。

 ベトナムの高級軍事代表団のEU訪問に合わせ、10月17日、ベルギーのブリュッセルで、ゴ・スアン・リック大将・政治局員・中央軍事委員会副書記・国防相が政府首相の委任を受け、EUの危機管理活動にベトナムが参加するための枠組み作りに関する、ベトナム社会主義共和国政府と欧州連合(EU)との間の協定(FPA)に署名した。
 ブリュッセルのベトナム通信社特派員によると、双方の積極的な交渉と内部の各手続きの完了を経て、ベトナムのゴ・スアン・リック国防相と欧州委員会副委員長兼欧州連合外務・安全保障政策上級代表のフェデリカ・モゲリーニ氏がFPAに署名したことは、ベトナムとEUの国防関係における重要な発展の一歩になったと強調された。また、ベトナムとEUの全面的協力パートナーシップ協定(PCA)を推進し、より深めることにも貢献する。
 このFPA協定は、協力関係を確立し、政治的約束を実現し、双方が合意した内容に基づいた具体的な協力を展開するための合意文書の署名に向けた基盤を整えるための枠組み協定である。
 この協定は、国連憲章と国際法の基本原則に基づき、ベトナムが人道的性質を持った危機管理活動に参加できるようにするための道を開くものであり、その中でも最も重要な原則は、ベトナムの対外政策、必要性、そして、能力に合った参加分野とレベルを選択する完全な権利である。
 そうした原則に基づき、ベトナム国防省がEUと協力するために選択した内容は、欧州対外行動庁との国防政策対話の設位、人材養成、国連平和維持活動への参加、戦争の後遺症の克服である。

 EUにとっては、FPAの締結により、ベトナムとの協力関係が促進され、また、アジア太平洋地域との協力強化の上で有利な条件が整えられることになる。
 これまでに、EUは多くの国とFPAに調印しており、アジア太平洋地域では、ベトナムの他に、韓国やオーストラリアともFPAを締結している。
 FPAの締結直後、ゴ・スアン・リック国防相はフェデリカ・モゲリーニ氏と会談した。双方はFPAが締結されたことに喜びを表明し、二国間の防衛協力を推進する決意を確認した。ゴ・スアン・リック国防相とフェデリカ・モゲリーニ氏は、ベトナムがFPAの枠組みへの参加として選択した協力分野を速やかに展開することで一致した。
 双方は、国防・安全保障分野での協力はASEANが中心的な役割をはたすという地域の安全保障構造に対する認識と相互理解を高め、そうした構造を支えていくためであると述べた。
 ゴ・スアン・リック国防相は、ベトナム国防省はアジア太平洋地域の国防・安全保障構造に参加したいとするEUの希望を支持すると確認した。
 フェデリカ・モゲリーニ氏は、EUはベトナムが2020年にASEANの議長国(輪番制)として、引き続き地域の平和、安定、発展の維持に貢献することを確信していると述べた。
 双方は、国際法に従い、捜索救助、海賊・船舶に対する武装強盗、組織犯罪、密輸などへの対策といった非伝統的な安全保障を含む一般的な安全保障上の課題に対する協力を強化する。
 フェデリカ・モゲリーニ氏は、EUおよびその加盟国は最近の南シナ海の複雑な状況に対する懸念を表明し、EUは1982年の海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)をはじめとする国際法の遵守を関係各国に呼びかけていると述べた。
 EUは、南シナ海行動規範(COC)に関する交渉が透明性をもって行われ、地域諸国とパートナー国の利益に応えるものとなるよう支援する。


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( 翻訳者:大久保満理 )
( 記事ID:5085 )