現在ベトナムにはおよそ30万人のトランスジェンダーの人がいるとされているが、文化的、社会的、法的な障壁により、トランスジェンダーの人は［社会的］弱者グループになりつつある。

　現在ベトナムには、推定でおよそ30万人のトランスジェンダーの人がいる。ここ数年で、同性愛者、バイセクシュアル、トランスジェンダーの権利運動が盛んになったことで、社会におけるトランスジェンダーのグループの存在はより認識され、声はより届くようになった。しかし、文化的、社会的、法律的な困難により、トランスジェンダーの人は社会的弱者のグループにされつつある。
　このことは、12月16日ハノイでコミュニティ開発イニシアティブ支援センター（SCDI）が開催した『トランスジェンダーを無視し続けないで』という会議で提示された。
　会議での発表では、医療省法制局のグエン・フイ・クアン局長が、人権の尊重を基盤とした2013年改正の憲法は、トランスジェンダーの権利をもとめる運動のための法的基礎をつくり出した。
　2015年の改正民法でも、トランスジェンダーの人の権利が認められた。この法律には、トランスジェンダーの人の様々な面での権利に関する具体的な規定が無いにも関わらず[権利が認められ]た。
　トランスジェンダーに関する法の草案作成過程で、法制局（医療省）の法案作成担当局は、ベトナムトランスジェンダーのコミュニティから多くの意見を受け、彼らの権利に応ずるために、法案の多くの点が修正された。
　現在、法案は医療省から政府に提出されておらず、国会での承認も得られていない。トランスジェンダーの人への法律が未だ無いため、彼らは依然として改名手続きが困難である。また彼らの多くが、就職活動において困難に遭っている。
　自身のトランスジェンダーの経験について、グエン・キム・マイさんは次のように述べた。「医療や社会における諸問題の他にも、トランスジェンダーの人は彼らの権利を認めさせる中で、多くの困難や障害にあっている。何千人ものトランスジェンダーの人が、改名手続きにおいて困難に遭っている。具体的に言うと、改名申請書は性別と一致していなければならないので、彼らは苦労するのだ」。
　ベトナムトランスジェンダーネットワークが、コミュニティ開発イニシアティブ支援センターとアジア・太平洋トランスジェンダーネットワークの後援のもとで、ハノイで行なった、250人のトランスジェンダーの人が参加した2019年６月の調査によると、彼らは実際の生活の中で、多くの課題に直面することが分かった。
　具体的には精神面での健康に関する諸問題、偏見と差別の問題、健康ケアサービスにアクセスする機会に関する問題などがある。


【関連記事:トランスジェンダー法の成立のための作業を加速する必要がある】
https://www.vietnamplus.vn/can-day-nhanh-tien-do-xay-dung-luat-chuyen-doi-gioi-tinh/566098.vnp

　

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（ 翻訳者:中富春奈 ）
（ 記事ID:5109 )