越中関係:友好と協力は主要な潮流
2020年01月17日付 VietnamPlus 紙
2017年11月12~13日のベトナム国賓訪問での主席府における歓迎式でベトナム人民軍隊栄誉隊を閲兵するグエン・フー・チョン書記長と習近平総書記・国家主席
2017年11月12~13日のベトナム国賓訪問での主席府における歓迎式でベトナム人民軍隊栄誉隊を閲兵するグエン・フー・チョン書記長と習近平総書記・国家主席

 越中間の外交関係樹立70周年にあたり、国営ベトナム通信社(TTXVN)は、ファム・ビン・ミン党政治局員、副首相兼外務大臣、越中二国間協力指導委員会のベトナム側議長による「越中関係70年:友好と協力は主要な潮流」と題する論文を謹んで紹介する。
 2020年は越中間の伝統的友好関係において重要な意義を有する年である。2020年の庚子の春にあたり、迎春の挨拶とともに、越中両国国民は両国の外交関係樹立70周年記念を熱烈に祝い、ホー・チ・ミン主席と毛沢東主席が両国の先達の革命家たちとともに、身命を賭して育て作り上げてきた友好的善隣関係が、70回目の春の段階まで辿り着いたことに共に思いを馳せたい。
 70年前の1950年1月18日、越中関係は重要な節目を迎え、その歴史が始まった。
 中華人民共和国は、建国後間もないベトナム民主共和国(現在のベトナム社会主義共和国)との外交関係を樹立した世界初の国である。
 70年間の発展の過程で、両党、両国および両国の国民は、共に肩を寄せ合って偉大で貴重な支持・支援を尽くし、民族解放革命事業の成功に貢献し、それぞれの国において社会主義を建設してきた。ベトナムの党と国家はこれを高く評価するとともに、決して忘れない。
 この70年間、越中関係には良いときも悪いときもあったが、友好と協力は依然として中心的な潮流であり、ホー・チ・ミン主席と毛沢東主席が、両国の各世代の指導者たちとともに身命を賭して育み、両民族の貴重な共通財産となった友好的精神は、越中間の伝統的友好関係が安定的に発展する流れを維持し、両国国民に実質的な利益をもたらすことに寄与した。
 特に、1991年の国交正常化以降今日まで、越中関係は、政治、経済から文化、安全保障に至るまですべての分野において、広範にかつ深遠に発展してきた。ハイレベル間の交流と往来は、常時、様々なかたちで臨機応変に行われている。
 各種の往来を通し、両党、両国のハイレベル指導者は、政治的信頼を強化し、各分野において包括的な協力の促進に寄与し、越中関係が健全に安定的に発展するための基本的かつ長期的な戦略的方向付けをなす多くの重要な共通認識に至った。
 双方は、「友好善隣、全面協力、長期安定、未来志向」の方針(1999年)および「良き隣人、良き友人、良き同志、良き協力」の精神(2005年)に従って、両国関係を発展させることを定めた。
 2008年、双方は、越中間の包括的戦略的協力パートナーシップの枠組みを構築することで合意した。これは、ベトナムと世界の各国との関係において、最もレベルが高く、最も広範で深遠な意味を有する協力スキームである。中国は、ベトナムとこの協力の枠組みを構築した最初の国家でもある。
 双方の共通努力を以て、これまでの間、越中間の包括的戦略的協力パートナーシップは、安定的な発展の推進力となり、多くの新たな進展を遂げることができた。
 現在までに、ベトナムと中国は、すべての分野に関連する中央から地方まで約60の交流・協力スキームを形成し、両国の各省庁、部門、地方間の友好協力関係の促進に重要な役割を発揮している。
 両党は協力を推し進め、両国間の信頼関係構築に重要な貢献を果たしている。双方は、幹部育成、党建設などの分野を筆頭に、党の各委員間で常時交流・協力する枠組みを作り、訪問団による交流を継続している。また、党建設、国家管理、ドイモイ、改革開放、国際統合に関する経験を交換するため、両党のハイレベル間会合の枠組みと理論シンポジウムを上首尾に開催し、両党間の協力計画、両党間のハイレベル幹部の育成協力に関する合意を締結し、効果的にこれらを展開している。
 ベトナム国会と中国人代との間、ベトナム祖国戦線と中国協商との間、外務、国防、公安などの各省庁、部門との間の交流・協力は、絶えず強化されている。
 現在までに、双方は、協力して、二国間協力指導委員会第11回会合、治安戦略対話、国防戦略対話の開催に成功し、越中国境国防友好交流活動をよりよく展開している。また、海軍による相互寄港、陸上およびトンキン湾における共同パトロール、ベトナム海上警察と中国漁政総隊の間の漁業合同検査、青年士官交流等を維持している。
 ベトナムの各地方と、広西、雲南、広東などをはじめとする中国の各省・市との間も、ダイナミックに協力が行われ、着実な成果を挙げている。現在までに、ベトナムのおよそ50省・市が、中国の省・市・自治区と友好協力関係を築いている。
 両国の地方間の協力・交流の枠組みやプログラムとして、ベトナムのクアンニン省、ランソン省、カオバン省、ハザン省の各党書記と中国の広西チワン族自治区の党書記の間の新春会合、ベトナムのこれら4つの省と広西チワン族自治区の間の合同作業委員会、ベトナムの各省庁・部門・地方と中国の広東省との間の協力状況点検会議、ベトナムのハザン省、ラオカイ省、ライチャウ省、ディエンビエン省と中国の雲南省との間の合同作業グループ、ベトナムのラオカイ省、ハノイ市、ハイフォン市、クアンニン省と中国の雲南省の間の経済回廊協力などが、常時行われている。
 各会合を通し、双方は、相互理解と相互信頼を強化し、各分野で実質的な協力を推し進め、協力プロセスにおける問題点を解決し、共に平和で安定し友好の国境を建設して、越中の包括的戦略的パートナーシップを安定的に健全に発展させるための各種方策について、突っ込んだ意見交換を行った。
 民間の訪問団による交流、往来も一層拡大しており、信頼強化、共に利する協力の推進、両国関係のための確固たる基盤の構築に向け貢献している。双方は、国民フォーラム、国民の友好の集い、国境の国民の集い、青年友好の会合、青年の集いなど、連携して多様な活動を開催している。
 経済・貿易・投資・科学技術・文化・教育・観光などの関係は拡大し、また深化し、実質的な協力に入っている。2017年11月、両国は、「二回廊一路」の枠組みと「一帯一路」構想の連結に関する協力覚書に署名した。
 2004年以降、中国は、ベトナムの最大貿易相手国となった。今日までに、中国はベトナムにとって最大の輸入市場であり第2番目の輸出市場である。一方で、中国にとってベトナムは、ASEANの中で最大の貿易相手国であり、世界の中で第8番目の貿易相手国、第5番目の輸出市場、第9番目の輸入市場である。
 2018年、越中の二国間貿易額は1,067億米ドルに達し、1991年と比べ3,300倍以上に増加した。2019年年初からの11か月間で見れば、越中間の輸出入金額は、総額1,057億5千万米ドルに達し、前年同時期に比べ8,1%増となった。
 2019年11月末までに、中国は対ベトナム直接投資の案件として2,739プロジェクト(総資本額161億米ドル)を有しており、ベトナムに投資する132の国と領土の中で第7番目に位置している。
 中国政府によるベトナム向け長期優遇貸付および無償資金援助も、ベトナムの多くの地方における経済社会発展に重要な貢献を果たしている。
 ベトナムに来る中国人旅行客の延べ数は、毎年およそ500万人となっている。現在、約1万1千人のベトナム人学生が中国の大学に留学しており、約2千人の中国人学生がベトナムで学んでいる。
 両国のハイレベル指導者による各種合意および共通認識の実施を通じて、両国関係に残されている諸問題は徐々に解決されていった。両国は、陸上国境協約(1999年)、トンキン湾の漁業境界線確定協定および同湾の漁業協力協定(2000年)、陸上国境線確定の完了(2008年)に署名し、陸上国境の道路管理に関する3つの文書(2009年)を締結した。
 これらは、越中国境の道が平和で安定し発展した国境の道となるよう建設するための前提条件を作り、かつ両国間の友好協力関係の強化に貢献する、歴史的意義を有する重要な出来事であった。
 現在も両国は、海上の問題を巡り不一致があり、異なる認識を有している。両党、両国のハイレベル指導者は、不一致の点をコントロールし、南シナ海における平和と安定を維持することに関して、多くの重要な共通認識に至った。
 双方は、「越中の海上問題の解決を指導するための基本原則に関する合意」(2011年)を締結し、領土国境に関する政府レベル交渉スキーム、両国の外務次官間会合、トンキン湾外域に関する越中専門家レベル作業部会・海上のセンシティブな分野における協力に関する作業グループ・海上において共に発展するための協力に関する協議作業グループの3つの交渉スキームを設置し、これを常に維持している。
 これまでの間、海上における変動に対し、ベトナムは自らの正当な権利を決然と保護してきた一方で、対話を通して不一致を解決する方針を堅持してきた。
 「越中の海上問題の解決を指導するため基本原則に関する合意」および両国のハイレベル指導者間が達した共通認識とともに、陸上国境およびトンキン湾画定の問題を解決するための交渉過程における貴重な経験・教訓は、双方が交渉を継続し、両国間の友好関係および相互の権利と正当な利益の尊重という考えに基づき、1982年の国連海洋法協約をはじめとする国際法およびASEANと中国の間で署名された南シナ海における関係国の行動宣言(DOC)に見合ったかたちで、南シナ海問題を平和的に一歩一歩解決するための方策を見いだすための前例や信頼を作っていくだろう。
 この70年間の越中関係の成果は、我々両国国民にとって貴重な財産である。
 2020年、両国は、連携して、多くの分野に関連する多様で豊富な記念・友好交流の活動を開催する予定である。我々は、こうした活動によって、両国関係が引き続き発展するための新たな原動力となるものと確信し、2020年が両党、両国、両国国民間の関係がますます良好になる新たな発展段階の兆しを示すことを期待する。
 間もなく庚子の春を迎えるにあたり、我々は、共に、中国国民へ新年の挨拶を送りたい。越中間の友好的精神と包括的戦略的パートナーシップが絶えず発展することを祈念する。

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( 翻訳者:メディア翻訳ベトナム語班 )
( 記事ID:5132 )