ベトナムと中国、農産物に対する通関の促進策を模索
2020年04月16日付 VietnamPlus 紙
グエン・スアン・クオン農業・農村開発相
4月16日、ハノイにおいて、農業・農村開発省のグエン・スアン・クオン大臣は、駐ベトナム中国大使の熊波氏と会見し、コロナウイルス感染症の影響下における越中間の農業の発展と農産物貿易の協力促進について協議を行った。
クオン大臣によると、コロナウイルス感染症の影響によって、本年年初の各月における越中間の農業、林業、水産業の貿易は、昨年同時期に比べ約7%減少した。
感染症に対処するため、両国は検疫を厳格に強化したことから商品の通関のスピードは遅くなった。農産物貿易の他にも、両国の2つの省庁の間のハイレベル訪問団の往来も計画が中断している。
各産品をさらに市場に開放するための各活動や、農業、林業、水産業に関する中国における大きな見本市の開催も中断している。
現在、中国はベトナム産の9品目の野菜・果物の輸出を許可した。
両国はさらに8品目の農産物に関する許可を得るための手続きの最終段階に入っている。
クオン大臣は、現段階ではまだ直接的に協議することができないものの、両国の共通の期待に対応するよう、技術的な問題解決のための文書に関して間接的なやり取りを行なったり、オンラインを通すなどの形式を講じるため中国側に書類を送付したこと、および大臣は熊波大使に引き続き積極的な支援を求めると述べた。
クオン大臣は、正式に中国市場へ参入できるベトナムの各農産物をさらに増やすため、最大限早期に行政手続きが行われることに期待を述べた。これにより、二国間貿易および両国の農業は一層促進する。
熊波大使は、ベトナムは中国にとってASEANと中国間の貿易の25%を占め、ASEAN中で重要かつ最大の貿易パートナーであると述べた。
両国は、農民の収入向上のためのハイテク農業・製造加工、電子商取引を発展させるための協力を強化する必要がある。そのため中国は産業部門ごとの二国間の農業貿易が増加することを期待する。
国境検問所で産品が滞っているなど最近の通関に関する様々な困難について、大使は、中国もこの問題を重要視しており、これは一時的なものに過ぎないと確信すると述べた。両国はこの困難な時期を乗り越えるよう共に努めていく。
熊波大使は、感染症の検疫を厳重に行う一方で、交易と経済発展を促進させるとの考え方に同意した。
現在、中国は国内のみならず外部からも感染する状況が高いという圧力を受けているため、中国と各国の国境検問所ではいずれにおいても厳重な検疫が実施されている。
熊波大使は、同時に、中国の税関当局は産品の通関時間を短縮するための多くの措置を講じていると述べた。
また、大使は、ベトナム側に対し、貨物車両の往来を調整するのに充分なスペースを得るために、貨物車両の操車場を拡大するよう求めた。これにより、タンタイン国境検問所、ヒューギ(友誼)国境検問所などの国境検問所の圧迫を軽減することができる。
産品は1つの国境検問所に集める必要はなく、ドンダン―凭祥間の鉄道を利用することができるだろう。そして鉄道路線を使うことで大量の貨物容量、低コストといった多くの利点がある。
通関の効率を向上させるために、大使はベトナムが貨物車両に電子チップを取り付ける管理方法を実施すべきであると要請した。こうすることで貨物車両の運転士は電子申告することができるようになる。
現在、労働時間は限られており、健康宣言には時間がかかる。運転士は事前に電子申告をすることで業務効率を上げ、紙での申告によってできる長い列を避けることができる。
熊波大使の提案を受け、クオン大臣は、ベトナムは税関プロセスにおいて最も早く通関できるよう、操車場や貿易の技術プロセス、ITの活用などの問題により上手く取り組まなければいけないと述べた。
大臣はまた、現在いくつかの国境検問所は通関に5〜6時間要しているため、中国側に、国境検問所の通関の時間を延長するよう要請した。一方で、検問所における双方の人的資源が確保されずに通関作業の時間延長を行っても、通関作業の進捗は遅いままであることから、双方は人的資源に投資する必要がある。
「越中双方の専門機関と地方は引き続き緊密に連携し、目の前の一時的な困難をいち早く解決し、農産物の通商を促進するよう努めていく」とクオン大臣は述べた。
協議において、越中双方はできるだけ早く農産物の物流停滞を解消し交易を行うため、双方の税関や専門機関、地方に関連する最高の作業グループが解決策を集中的に検討していくよう努めるとの点で意見が一致した。
双方ともに、感染症を抑え込んだとき貿易促進の加速に集中することができ、結果として二国間の輸出入額は2019年より高くなると評価した。
また協議において、熊波大使は、ベトナムと中国は中央から地方および各省庁までが参加する政府レベルの感染症対策の枠組みを設置する必要があると提案した。農業・農村開発省の観点から、クオン大臣もこの提案を支持した。
これまでに、越中間の農業、林業、水産業の貿易は前向きに発展してきた。しかし、コロナウイルス感染症の影響で、年初から現在までの越中間の農業、林業、水産業の総輸出入額は、2019年の同時期に比べて6.9%減少し、22.1億米ドルであった。そのうち輸出額は16.5億米ドル(10.2%減)、輸入額は%5億6,100万米ドル(4.3%増)であった。
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( 翻訳者:浅田大輝、岡部紘平、乙川巧磨 )
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