ありきたりの仕事をする労働者を海外に送り出さない
2020年04月20日付 VietnamPlus 紙
スピーチするグエン・ティ・キム・ガン国会議長
4月20日午後、国会常任委員会第44回会合では、契約による海外派遣ベトナム人労働者法改正案に関する意見聴取が続いた。
改正案の提案書の中で、労働・病傷兵・社会問題省のダオ・ゴック・ズン大臣は、現行法と比べて改正案は、海外派遣契約の種類についての修正・補充、労働者の海外派遣サービス業に関わる事業投資のための条件の向上と規定の透明化、海外派遣労働者の選抜・トレーニング・人材の標準化、海外派遣労働者に対する法的な権利・義務・責任などの点に集中していると述べた。
改正案は、海外派遣労働者にかかる費用と労働者に対する企業の責任についても、かなり詳細に規定されている。
国会社会問題委員会のグエン・トゥイ・アイン委員長は、改正案に対する審査報告書を読み上げ、改正案の関連書類は規定に基づく種別・内容を十分に満たしていると述べた。
しかし、修正・補充された一部内容は、実現可能性を保証するため、十分かつ慎重な方法での影響評価がされていない。書類の内容と質は、国会社会問題委員会の常任委員グループによる初期審査において示された意見、民族評議会と国会の各委員会の審査により示された意見を関心を持って、しっかりと受け入れて、十分な説明を行う必要があり、また、全体的な評価を行うための根拠・情報を十分に得るため、企業、労働者、関係機関の意見を引き続き聴取する必要がある。
国会・社会問題委員会の常任委員グループは、国会への提出前に政府が改正案の書類を完成させるため、国会常務委員会から意見を聴取するとの点で意見がまとまった。
会合において、国会常任委員側の大多数の意見は、政府の提案書のように契約による海外派遣ベトナム人労働者法改正案を制定する必要性については公布することの必要性について意見が一致した。
同時に、法律の制定は、契約に基づく海外派遣ベトナム人労働者に対する党の考え方、路線を立法化する方向に向かう必要があり、すべての契約に基づく海外派遣の形態が法律の中に規定されるようにし、契約に基づくベトナム人労働者の海外派遣活動を推進するための環境を整え、雇用を創出し、収入を増やし、労働者の職業スキルのレベルを向上させ、同時に契約による海外派遣ベトナム人労働者の法的権利と利益を保護する必要があると強調する意見が出された。
グエン・ティ・キム・ガン国会議長は、契約に基づきベトナム人労働者を海外へ送り出す活動は、労働者に海外での雇用を創出する形態であることを認める必要があると明確に指摘し、総合的に見て、このことは労働者家庭にとって職と収入を得るという問題を解決したと強調した。
合法的な労働へ行く者の多くは良い生活を送れるが、海外へ行っても相応の仕事に就けず、ベトナム国家や民族の体面に影響を与え、非常に痛ましい場合になることもある。
国会議長は法律制定の必要性に同意し、「契約による海外派遣ベトナム人労働者法は制定されて今年で13年となった。この間に社会は発展し、多くの変化があり、国際統合が日に日に強まった」と明確に指摘した。
労働法は二回改正され、職業訓練法は職業教育法に変わり、その他多くの関連法も改正・補充された。故に、政府の提案書に従い法律を改正する必要がある。
国会議長は、ベトナム人労働者を海外に派遣する分野やサービスへ特に関心を持つことが必要と指摘し、現在の状況では単純作業はロボットに置き換わっていくだろうと留意を述べた。
このため職業教育や職業訓練は選別され、単純作業から付加価値のある仕事へと移行し、労働効率をより高める必要がある。建設やヘルパーといったありきたりな仕事をする労働者を海外に派遣することはすべきではない。専門職やマネジメント能力が求められる仕事の訓練をする必要がある。
現行法のアプローチの仕方は、ただ海外への労働者派遣と企業に派遣手続きを実行させる規定を作ることに集中するだけだった。改正して、法律内に労働者が帰国する際の政策と同様に、海外に派遣される労働者の権利や利益を保護する政策を規定する体制を整える必要がある。
国会議長は、法律は明白である必要があり、労働者を海外に派遣する企業が利潤を得ることに加え、不正に利益を追求する行為や無責任な行為、労働者を見捨てる行為に対しては厳格に処分する必要があると強調した。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:安部生紀、岡部紘平 )
( 記事ID:5192 )