ベトナム、非同盟運動での役割を確認
2020年05月05日付 VietnamPlus 紙
意見を述べるグエン・スアン・フック首相
意見を述べるグエン・スアン・フック首相

 2020年5月4日、現在、非同盟運動議長を務めるアゼルバイジャン共和国のイルハム・アリエフ大統領の招待を受け、グエン・スアン・フック首相は、「コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応のために団結する」をテーマとしたオンラインでの非同盟運動首脳会議に出席した。
 世界各地域を代表する40の非同盟運動加盟国の元首と政府首脳がオンライン会議に出席し、意見交換を行った。
 国連総会議長、国連事務総長、WHO事務局長が会議に参加し、スピーチを行った。
開幕スピーチでは、アリエフ大統領が、現在の状況は非同盟運動諸国の団結精神を今まで以上に必要とすると強調した。
 大統領は各国の協力の強化と、非同盟運動の共同データベース構築への支援を呼びかけた。
 国連事務総長は感染症による社会経済への影響を抑え、誰ひとりとして置き去りにしないための支援策を講じ、持続可能な開発目標(SDGs)に関する多国間の合意の実施を堅持するよう呼びかけた。
 国連総会議長は特に子ども、貧困層、移民などの最も脆弱な人々への援助策を講じるよう、各国へ要請した。
 WHO事務局長は、非同盟運動側からWHOへ向けた様々な援助に感謝を述べ、非同盟運動の感染症対策への取り組みを絶対的に支持すると約束し、多国間の協力が必須であり、受身な対応から、社会全体の参加を伴った主体的な対応へとアプローチを変化させる必要がある強調した。
 非同盟運動の各加盟国の指導者は、いまだ前例のないCOVID-19パンデミックの発生という課題に関する共通の懸念を共有し、多国間主義、国際連合、WHOへの支持を強調するとともに、共に感染症へ対処するために国際協力の強化を呼びかけた。
 会議でのスピーチにおいて、フック首相は、共通の懸念を共有するとともに、現在の状況は非同盟運動がその60年間の活動の歴史を経て形成してきた団結精神を強固にし、確認することが求められており、これはリスクをチャンスに変え、試練を乗り越えてパンデミックに打ち勝つための指針となると強調した。
 こうした考えに立って、フック首相は非同盟運動の各国に、協力を強化して、全てのレベルと分野における経験を分かち合うことを呼びかけた。さらに疫病の感染範囲のコントロールと経済発展、社会保障の確保という複数の目標を実現するための効果的な戦略を講じること、多国間主義と国際連帯の強化を支持し、重要な多国間のコミットメントを実現するとの目標を堅持するよう呼び掛けた。
 フック首相によると、非同盟運動は、国際関係における遵法精神と民主化を促進するうえで先頭に立つ役割を引き続き果たし、強権的な政治行為に反対し、制裁措置や一方的禁輸措置の解除を促進し、平和で安定的な国際環境を維持するため国連事務総長による全世界的な停戦の呼びかけに応じる必要がある。
 フック首相はまた、感染症対策業務におけるベトナムのポジティブな成果は、「敵と戦うように感染症に立ち向かう」との方針にしたがって、政治システムおよび社会の全体が心を一つにして参加することによって得ることができたという点も共有した。首相は、ベトナム政府が、国民を誰ひとりとして置き去りにしないために、感染症対策を行いながら、安定的に発展し、社会保障も確保するとの取り組みを行うことに最大限に努力してきたと強調した。
 首相はまた、ベトナムが、ASEAN2020の議長国および国連安全保障理事会の非常任理事国として、感染症の効果的なコントロールのための地域・国際協力の強化および感染症の影響を受けたいくつかの国に対する財政支援やベトナムで生産される必要な物資、医療機器の支援にあたる自らの取り組みについて言及した。
 今回のオンライン首脳会議でのベトナム政府首脳の参加と知見の共有は、非同盟運動におけるベトナムの役割、具体的にはCOVID-19との戦いにおけるベトナムによる国際社会への協力取り組みを確認し、ベトナムが、グローバルな共通課題に対処するため貢献する、主体的、積極的、責任ある国際社会の一員であるとの地位とイメージを確認する、極めて重要な意義を有している。
 会議の終わりに、非同盟運動の各加盟国は、主に非同盟運動としての多国間主義への支持、国際組織、中でも国連やWHOへの支持を表明し、国際協力の強化を呼びかけ、一部の非同盟加盟国に対する国連憲章、国際法に違反する一方的禁輸行為に対し非難し破棄を呼びかけ、同時に感染症対策における非同盟運動の各加盟国の共同データベースを構築するため非同盟の特命チームの設立に合意する内容の共同宣言を採択した。
 非同盟運動は、各植民地国、民族の独立と解放のための闘争が全盛期を迎えていた前世紀1960年代始めに誕生した。60年近く(1961年~2020年)が経過する間に、非同盟運動は、平和、民族独立、発展、国際関係の民主化のため、各種目標を推進する中で多くのポジティブな貢献を有する、120の加盟国からなる発展途上国による最大の政治同盟になった。
 ベトナムは、1976年に非同盟運動に正式に加盟して以降、今日まで、積極的に活動を行い非同盟運動に対し多くの貢献を果たしてきた。
 かつての民族解放闘争と国土統一後の祖国防衛、社会経済発展、国際統合事業において、非同盟運動からベトナムに対し、力強く全面的に支持するとの多くの声が上げられていた。

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( 翻訳者:乙川巧磨、須藤遼 )
( 記事ID:5249 )