労働市場は新型コロナウイルス感染症のなかで熾烈な競争をしている
2020年05月13日付 VietnamPlus 紙
求人情報を調べる労働者
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 ベトナムでは過去3か月間、感染爆発が起こらなかったにもかかわらず、大量の労働者が職を失い、収入が減ってしまった。この時期、多くの労働者は新しい仕事を見つけるのも難しい。

 新型コロナウイルスの流行により、70%もの労働者が収入減や失業の影響を受けている。そのうち39.6%の労働者が職を失い、その中のわずか1.1%のみがフルタイムの仕事を取り戻すことができた。求人需要が大きく低下する中で職を失った大量の労働者が市場に参入しており、労働市場はこれまで以上に競争が激しくなっている。
 以下は、求人サイトVietnamworks (Navigos Group)が本日5月13日に掲載したばかりの報告書『新型コロナウイルスと人材市場:新たな日常に進むための挑戦』からの情報である。
 市場競争がかなり激しいため、もし以前の会社から再度働かないかと誘われたら、調査対象の60%近くの労働者が同意するだろう。
 Vietnamworksの考察結果によると、60%近くの企業が経営を維持し継続して発展させる十分な能力を示した。そのうち44%の企業が、今も通常営業をしており、従業員の維持とともに労働者の給料や福利厚生を維持できる見込みがあると述べている。そして16%の企業は人事規模を増やしていると述べている。
 コロナウイルスによる損害を受けた企業グループは40%を占め、そのうち30%の企業は危機を乗り切るために人員を削減しなければならなかった。そして10%の企業は人員の削減とともに給料、福利厚生の削減も選択した。
 会社内の各職位における人員削減に関する考察では、72%の企業は下級社員のグループの削減を選択した。そのうち50%は経験の少ない社員グループを削減することにし、21%が実習生と新卒のグループの人員削減をした。このグループはまた、新たな仕事を探す際、困難に直面するだろうと予想されている。それに従うと42%近くの企業が採用計画を元に戻す際、経験豊富な人材を優先して採用し、わずか19%が経験の少ない人材を選び、また5%が実習生と新卒を選ぶ。
 給与削減方案に対して、58%の企業が中上級従業員の給与を削減するとし、そのうち17%の企業が班長・監督者の給与を削減するとした。20%の企業は管理職グループの給料を削減するとし、21%は社長・部門長グループの給与を削減するとした。
 ベトナムでは過去3か月間に感染爆発が起こらなかったにもかかわらず、10.1%の企業が営業を停止し、それに伴って大量の労働者が職を失った。少なくとも2020年上半期まで長びくと予想されている新型コロナウイルスの流行により、従業員を削減、あるいは営業を停止しなければならない企業の数は、これだけに留まらない。
 近いうちに、労働市場はどの方向に向かうかは、ベトナム経済の回復の程度によるであろう。採用活動の再開時期について聞かれると、39%の企業は、採用活動は早期に回復するだろうと楽観的であった。一方で、20%の企業は採用活動をいつ通常に戻すかまだ確定できておらず、19%の企業が3か月後まで待ち、17%が半年後のタイミングまで待つとした。
 この間までの社会的隔離の最終の数日間、新たな仕事を得られていない労働者の割合はかなり大きかった。社会的隔離が緩和されてから現在まで、各企業が営業を再開し始め、雇用の需要は増加し、Vietnamworksが2020年5月の第一週目のみで求人情報の数が20%増加したという代表例のように、状況は幾分改善されている。

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( 翻訳者:坂入菫 )
( 記事ID:5291 )