フランス人歴史家であるアレン・ルシオ（Alain Ruscio）氏は書籍『ホー・チ・ミン、作品と闘争』を執筆し、ホー・チ・ミン主席の人生行路を主席の作品を通して読者に紹介した。
　
　存在するための方法は100あるが、同胞の幸せのために全うして生きる方法はたった一つしかない。
　この箴言は、グエン・タット・タイン青年（後のホー・チ・ミン主席）によって自分の信条として選ばれたものである。
　それは、筆者アレン・ルシオ、出版社Le temps des cerisesによる書籍『ホーチミン、作品と闘争』に関する紹介の言葉である。このフランス人歴史家は、植民地主義、とりわけインドシナの植民地主義について研究時間の大部分を割いてきた。

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　この本はホー・チ・ミン氏の人生行路旅を彼の作品（新聞記事、スピーチ、詩、手紙やフランス側の所蔵資料など様々なジャンル）を通じて読者に紹介している。
　アレン・ルシオ氏によると、ホー・チ・ミン主席の人生は普通の人間よりも100倍も浮き沈みを経ている。外国にいた時の大半、主席は物質的困窮の中で生活し、多くの危険な状況に直面した。
　1941年に帰国して1945年９月２日にベトナム独立宣言を読み上げる時まで、歴史家アレン・ルシオ氏は次の出来事の意義を特に強調している；「弱小の」植民地民族が誇り高く独立を宣言し、フランス植民地主義帝国に挑戦することをためらわなかった。
　まさにこの「弱小民族」が、フランス植民地主義と世界の帝国主義の支配体系を覆す闘争をしている地球上のその他すべての植民地の人々に道を示したのだ。
　歴史家アレン・ルシオの著作は、植民地主義に対する闘争の途上で自分の作品のためにグエン・アイ・クオックを含む100以上のペンネームを使用したベトナムの指導者の肖像を描いた。
　英雄の足跡をたどる興味深い人生行路は、自由・独立のベトナム国のために一生を捧げたものであった。
　フランス警察の手紙、発表、報告を通じて、著者アレン・ルシオは、常に危険の中に身を置き、何度も投獄され、フランス植民地主義の法廷によって欠席裁判で死刑宣告までも受けた戦士の人生行路を再現した。
　主席はすべての大陸を巡り、植民地主義の支配、ブルジョワ民主思想について学んだ。
　パリでは、当時インドシナ総督であったアルベール・サロー（Albert Sarraut）に1919年に送った手紙の中で、グエン・アイ・クオックはアンナンの人々に対するフランス植民地主義の血にまみれた抑圧と弾圧を告訴した。
　インドシナ代表で唯一の植民地現地人であったグエン・アイ・クオックが、ツール市での1920年12月のフランス社会党第18回大会に参加したことは、警察の報告に残されている。
その時からグエン・アイ・クオックの政治思想は、愛国の立場から共産主義の立場に飛躍した。
　グエン・アイ・クオックは、植民地主義との闘争を、彼が創立に参加した、まだ日の浅いフランス共産党の戦略的基礎とした。
　フランス警察に追跡され、グエン・アイ・クオックは逃走せざるをえなかったが、ベトナムに戻ることはできなかった。
　著者アレン・ルシオは歴史を遡行し、クオックに従いモスクワで足を止めた。それは、ベトナム共産党の前身であるベトナム青年革命同志会が1930年春に誕生した場所である中国に行く前のことだった。
　アレン・ルシオ氏の本は、インドシナ共産党の設立やベトナムでの反植民地主義闘争に関連した多くの戦略的問題を明らかにした。それに劣らず魅力的なのが、土地改革とその改革実施過程での誤りを修正するための党の行動に関する章である。
　歴史家アレン・ルシオによると、ホー・チ・ミン主席は多くの作品を後世に残していて、それらはいまだに実践的価値を持っている。
　他の多くの革命指導者のような「理論」とは異なり、ホー・チ・ミン主席は非常に現実的であり、人生の全ての困難に立ち向かうことをいとわなかった。
　ホー・チ・ミン主席は全ての社会階層に属す全ての人を気にかけ、同時に常に指導者や党員に人々に寄り添うようにと繰り返し言っていた。
　ホー・チ・ミン主席の具体的にした事は、政権党と人々の間を繋ぐ絆において必要な事を明確に反映していた。
　歴史家アレン・ルシオが断定しているように、かくてホー・チ・ミン主席の思想は今日にいたるまで貴重な教訓あることを明らかにみてとることができる。

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（ 翻訳者:中村健志郎 ）
（ 記事ID:5294 )