鉄道部門、二重苦で2020年に6000億ドン余りの赤字が見込まれる
2020年05月19日付 VietnamPlus 紙
ベトナム鉄道公社のハノイ駅の列車
ベトナム鉄道公社の経営生産実績は、新型コロナ・ウイルスとハノイ-ホーチミン市間の鉄道路線のアップグレードのための改修工事という二重の影響を受け、より厳しいものになるであろう。
新型コロナ・ウイルスの影響や、計画に沿った7兆ドンのパッケージ案件に含まれる各建設工事の展開によって、ベトナム鉄道公社(VNR=Vietnam Railway)は、2020年の鉄道輸送生産実績が大幅に減少すると予測している。
各鉄道輸送企業の経営生産活動の営業収益はわずか3兆2000億ドンで、2019年の同時期と比べ35.6%の減少。これは1兆7838億ドンの減少に相当する。その内、輸送による営業収益はわずか2兆6686億ドンで、2019年の同時期と比べ37.5%の減少。これは1兆6014憶ドンの減少に相当する。
「こうした状況により、輸送分野の経営生産実績は6160憶ドンを超える赤字が見込まれる」と、ベトナム鉄道公社の幹部は具体的な数字を挙げた。
ベトナム鉄道公社の概算によると、ハノイ-ホーチミン市間の鉄道路線の改修・アップグレードに関する7兆ドンのパッケージ案件の各工事の実施により、南北統一鉄道を利用する全路線の運行能力が下がり、現行と比べ約30%減少すると見込まれている。
具体的には、現在、ハノイーホーチミン市間の鉄道は1日に、ハノイ発ホーチミン市行きの便、ホーチミン市発ハノイ行きの便がそれぞれ17便の運行が可能だが、全線で工事が行われれば52か所で減速となり、運行上の重要地点では1日に11.4往復しか通過できなくなる。
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また、輸送分野における社会的隔離は解除されたが、鉄道部門は、利用客がないため、依然運行を制限している。
ベトナム鉄道公社は、各鉄道輸送企業の困難を緩和するために、2020年の一年間、輸送関連収益に対する8%の鉄道インフラ使用料の国家予算への納付を免除するよう国に提案した。
また、国が鉄道輸送サービスのために投資し整備してきた国の鉄道インフラ資産の使用料に関し、ベトナム鉄道公社は、各鉄道輸送企業に対する2020年の使用料約74億ドンの減免も提案した。
交通運輸省は、ベトナム鉄道局に対し、そうした提案の検討を行い、料金および手数料の徴収に関する法的文書の修正、補充が必要な場合には、現在の実施状況を分析の上、交通運輸省に修正・補充案を提出、報告するよう指示した。
【訳注】ハノイ-ホーチミン市間の鉄道便は、ほぼ同時刻にハノイとホーチミン市をそれぞれ出発する便を1セット(1対=1 đôi)とし、「SE1-SE2号」等と表記され、1運行本数とされる(ベトナム語では“1 đôi tàu”)。SE1と奇数便がハノイ発の便、SE2と偶数便がホーチミン市発の便。“1 đôi tàu”は、便宜的に「往路1便および復路1便」あるいは「下り1便および上り1便」とも訳せよう。なお、ハノイ-ホーチミン市間の現在の所要時間は31~34時間。
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( 翻訳者:沖田英恵 )
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