医療保護設備の輸出機会を活用するために、各企業は、この分野における輸入市場の情報と輸出量と基準と需要を主体的に見つける必要がある。

COVID-19の不透明な先行きにより世界中で医療保護設備の輸入需要が急増している。しかしながら、医療保護品目の輸出を推進し、この機会を活用するために、企業は輸入市場のニーズを把握する必要がある。
これは６月３日にホーチミン市で、ホーチミン市貿易投資促進センター（ITPC）により開かれた会議、“医療保護設備の輸出の際に留意すべき諸問題”において専門家が強調した内容である。
　ITPCの副所長であるカオ・ティ・フィ・ヴァン氏によると、感染症のCOVID–19は世界中の多くの場所で複雑な成り行きを示しており、グローバルな生産、経営、商業活動に小さくはない損害を与えてきた。
　しかしながら、多くの困難の傍らで、一部の分野の商品は突然需要が増加し、高成長をするチャンスがある。特に医療保護設備にチャンスがある。
　具体的には、現在、多くの工場がコロナウイルス感染拡大防止のために閉鎖しなければならず、市場で調達できる可能性が低くなっていることから、EUやアメリカ、その他多くの国で医療用のマスクや防護具、手袋の輸入需要が非常に高まっている。
　COVID–19感染拡大の制御や患者の治療において良い見通しの結果を出すことができたため、ベトナムは、生産、経営活動を促進し、経済を回復させる段階へと早期にシフトすることができた。
　強みとなる商品の輸出が困難に直面した時でさえ、アパレル業界やゴム、プラスチック業界など多くの企業は、感染症防止のための製品製造に切り替えることで適応し、そのお陰で、製造と経営を維持し、ウイルスが流行する時期であっても、労働者に仕事を提供し続けた。
　ヴァン氏によると、医療保護設備の国内の市場が満たされている時に他の国の需要が急増している場合、企業の目標は輸出である、という。しかしながら、これは特別な商品グループで医療に関する基準に関連するため、特にアメリカやＥＵの市場にアプローチする際には、企業は多くの困難に直面する。
　同様に、スーパーカーゴサービスのマネージングディレクターであるグエン・チャン・カイン・ホアン氏は、「ベトナムが医療保護設備輸出を推進するための機会は現在拡大している。その理由としては、需要が突然増加していることによる側面と、ベトナム企業の製品には外国の同じ製品と比べて多くの市場で輸入税の優遇制度が適用されていることによる側面がある」と伝えた。
　しかしながら、現在医療保護設備を輸出する企業のほとんどが直面している困難は書類と認証の不足、市場先の輸入手続きを理解していないこと、輸送手段の不足と輸送原価が高いことである。
　具体的には、過去から現在までベトナム企業は主に日用品の消費財をアメリカ、EU、オーストラリアなどに輸出しており、医療保護設備の輸出は未だ経験したことがないため、医療分野で使用する製品に対する各国の基準を満たす証明や書類に関する要求を明確に理解していない。そのため、輸出契約に署名し商品を輸送する際に必要な証明書が全て揃っていないという事態を招いている。
　一方、感染症の影響を受け多くの地域で輸送活動が寸断されており、企業は運送手段を見つけられなかったり、もしくは運送手段はあっても運送費がとても高かったりする。
　現在、ベトナムからアメリカへの航空路線での運送費は平均して１kgあたり10米ドル以上になっている。
　グエン・チャン・カイン・ホアン氏によると、運送費が高い一方で企業は認証に関する要求や市場の輸入手続きを明確に理解しておらず、とても大きなリスクを招く危険がある、という。
　運送品が港に届いても通関手続きが通らない場合、企業は商品を出荷せず戻らなければならないので商品を売ることができないまま運送費が倍になり、大きな経済的損失を受ける。
　インドシナ・ヴィナの専務理事であるファム・ティ・ホアン・オアイン氏は、「医療保護設備の輸出の機会を活用するために、各企業は、数量に関する要求だけでなく、遵守するために、医療分野に関連する商品に適用される各基準及び輸出入プロセスを含め、輸出先の市場に関連するすべての情報を主体的に理解しなければならない。そのことにより、通関が円滑になるだろう」との見方を示した。
　「輸送の問題において、企業は適切な輸送手段を選ぶための引き渡しのタイミングを顧慮する必要がある。その傍ら、特にスペースと重量を節約する必要のある空路での貨物輸送では、梱包や商品の積載の工程に留意する必要がある。その結果、輸送費が削減でき、販売価格を下げ、商品の競争力を高める」とファム・ティ・ホアン・オアイン氏は推奨した。

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（ 翻訳者:渡辺大智 ）
（ 記事ID:5356 )