(社説)ゼロから始めねばならないミャンマーの経済
2020年07月25日付 The Voice 紙

2020年7月24日

何日か前、新型コロナウィルス(COVID-19)パンデミック期のミャンマー経済に関する報告書が発表され、「今年のミャンマーの経済発展はゼロに近づくだろう」と見込まれていることが明らかになった。新型コロナウィルスによる経済の影響に対する救済事業委員会の主導で作成されたその報告書では、ミャンマー国内の小規模・中規模事業の稼働継続に極めて重要な事項も緊急に指摘されている。

「経済成長(Economic Growth )がゼロに近くなるだろう」ということは、国内総生産(GDP)の伸びが無い一方で下落もない状況を意味している。GDPの変化がないことを「ゼロ成長(Zero Economic Growth)」と呼ぶのだ。意味するところは発展がゼロという、経済恐慌に突入しはしないものの、「失業率の過度な上昇」や「就労の機会が皆無に等しいほど少ない事態」を言わんとしている。

すでに周知のとおり、ミャンマーを感染症が襲った3月以降、かなり多くの経済事業が中止に追い込まれ、もう何もないほどだった。ホテル事業・観光業もゼロ、航空事業もゼロ、不動産業もゼロという状況にまで陥っているのだ。多くの経済活動に関わる従業員が多数削減されたという、この時期、最も耳をふさぎたくなるニュースも、聞かなければならない状況だ。

実のところ、新型コロナウィルス感染症が報告される以前から、ラカイン州の紛争の影響を含めた他の問題のせいで投資家の信用を期待したほどえられなかったミャンマーの経済が、このようにゼロに近づき得ると想定されることは珍しいことではない。

一つ重要な点としては、感染症は貿易と商業の分野において新しいスタイルを生み出したのみならず、最終的には世界的な新しい計画も作り出そうとしている状況の中で、ミャンマー政府としても、それに基づいて国内の経済スタイルを適応するよう変化させるということである。その上でやっと、世界的に生み出されていくNew Normal (新しい日常)、新たな状況の中から、海外との貿易や外国投資の参入などを、効果があるように再び高めていくことができるのである。その問題を考える場合にも、自国にすでにある強みは、New Normal期の経済を復興させているアセアン地域を含む他の世界の国々と合同でどんな活動を行うならば、利益をより生じさせることができるかという点を優先するべきである。

たとえばつい先週、国家顧問アウンサンスーチーは「コロナ禍後のミャンマーをニュージーランドのように食物を生産し販売する国として樹立したい」と述べたが、その種の目標である。農業、畜産国家であるミャンマーにとって、食糧問題に大した困難がないことは確実だ。食物を生産する分野で技術、投資及び他の諸々の緩和を行い、国家側が国外市場のシェアを得るべく開拓することができれば起こり得ないことでは決してない。国家経済の主要な推進力である私企業、小規模事業、中規模事業の支援が重要な様子と、彼らへの融資問題が肝心になってきた様子を、5月から6月にかけて特別に執筆したので、再度述べることはせずにおく。

いずれにせよ、現在感染症の危機に直面している多くの国々において、それぞれの政府が、経済事業と国民一人一人の元に資金が届くように、政府の専権事項である紙幣の発行も含め、緊急で行なっている中、ミャンマー政府としても自国の経済を上向きにするために行うべき事を果敢に実行していくことが重要であることを述べておかなければならない。

編集者 (2020年7月23日)

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( 翻訳者:石川航 )
( 記事ID:5446 )