国会議員、少数民族の人々の「キン族化」を懸念
2020年06月12日付 VietnamPlus 紙
意見を述べるクアンビン省選出のグエン・ゴック・フオン議員
継続中の第14期第9回国会は6月12日午後、トン・ティ・フォン国会常任副議長の議事進行の下、2021-2030年少数民族地域・山岳地帯経済社会発展計画について議論した。
アイデンティティーの維持という基盤の上の文化保存
議会での議論で、議員の大半は少数民族地域・山岳地帯経済社会発展国家目標プログラムの交付に関して強く合意し、その計画を通して人々の生活を改善し、習慣や慣習、少数民族の良き文化アイデンティティーを維持、発揮しつつ遅れた風俗習慣は排除するとした。
プログラムの公布に同意したグエン・ゴック・フオン議員(クアンビン省)は、少数民族や山岳地帯の経済開発の重要性を確認、なぜならこれらの地域はほとんどが国家の国境の垣根であるからだとした。「少数民族地域、山岳地帯のほとんどは要衝であり、遠隔地で国境地域や島々など僻地にある。もし人々の持続可能で充足した暮らしを担保しなければ、我々は生垣を失うだけでなく計り知れない文化遺産を失うことになります」。
グエン・ゴック・フオン議員は第1案件の目標が「基準に達する」「3つの強固」などの言葉で語られ、プログラムの内容がまだ漠然としている、とプログラム草案作成委員会と問題点を共有した。「ゾン家屋(訳注:少数民族の独特な大きな家屋)の屋根、高床、丘陵の中腹や上にある土間の家から徐々に平屋の屋根、トタン屋根、コンクリートの平らな屋根に変わっている。民族の伝統家屋が残るかどうかもわからず、民族の特徴的な建築は完全に失われるかもしれません」。
同議員はプログラム草案の第5案件にある少数民族の子供たちにキン族の言葉を必ず教えるという項目についても言及した。同議員は以下のような質問を投げかけた。「少数民族の子供たちを学校に通わせてキン語を学ばせる、キン族の教師が教え、キン族の昔話を通して学ぶ、これは果たして正しいことなのでしょうか?」。
グローバル化の影響で世界にある言語の40%が消滅の危機に瀕していると予測されている。グエン・ゴック・フオン議員によると、言語の消失は多くの無形文化の消失と同義であるため各民族のアイデンティティーの保持という基盤の上に文化を保存する必要がある。
「もし我々が文化的観点を持たずに介入すれば、少数民族や山岳地帯の人々を『キン族化』する過程になってしまう。そうなれば、少数民族の人々の遺伝子は残せても、彼らの祖先たちの文化の源を保存することはできません」と同議員は述べた。
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( 翻訳者:池田樹生 )
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