去る9月30日、マスク・防護服を着用した上でインドネシア国会前で雇用創出オムニバス法案反対の労働者デモ沈静にあたる警察官
ジャカルタ、KOMPAS.com配信
インドネシア国民議会にて去る10月5日に可決された雇用創出法は、賃金支払いに関する規定を変えることとなる。
この変更は、労働法2003年第13号第88条を変更することとなる雇用創出法第24号第81条により規定される。
条文の変更が見られるのは、11あった労働法での賃金支払いに関する施策が雇用創出法では7になっている点である。
労働者についての2003年第13号法第3項目第88条では、労働者を守る賃金支払いにまつわる11の施策について言及している。
第88条第1項の内容は、全ての従業員・労働者は文化的な生活を送るに足る収入を得る権利を有するというものである。
また、第88条第2項も同じく、「第1項で同様に示された文化的な生活を送るに足る収入を実現するため、政府は従業員・労働者を守る賃金施策を策定していく」という内容のものである。
そして、前述の88条3項で述べられている11の項目とは、(1)最低賃金(2)残業手当(3)やむを得ないで欠勤する場合の賃金(4)勤務以外の活動で欠勤する場合の賃金(5)有給休暇(6)賃金の支払い方法(7)罰金と賃金減額(8)賃金に計算される事柄(9)比率に合わせた賃金基準・構造(10)解雇手当(11)賃金における所得税の計算、の以上である。
一方、労働第4章の中で、新たに可決された雇用創出法第81条第24項は労働法第88条第3項を変更し、7つの賃金施策に言及するのみとなる。
この7つの施策とは、(1)最低賃金(2)賃金構造と基準(3)残業手当(4)欠勤あるいは特別な事由のために勤務しない労働者の賃金(5)賃金支払いの形式や方法(6)賃金より計算される税金などの事柄(7)その他の権利及び義務に関わる計算あるいは支払いの基準である。
雇用創出法によってなくなる賃金に関する施策のなかには、有給休暇、退職金の支払い、賃金における所得税の計算が含まれる。
第88条4項では「以下、賃金施策にまつわる条文は政令により規定されること」と述べられている。
インドネシア国民議会は、全体総会により去る10月5日に雇用創出統括法を可決した。
同国民議会における9党派の内、雇用創出法の審議結果をすべて拒否したのはインドネシア民主党と福祉正義党のみであった。
その結果、雇用創出法案は可決され法律となった。国民議会と政府の大多数が合意したのである。
政府を代表してアイルランガ・ハルタルト経済調整大臣は、事務手続きを効率化し、雇用を増やすためには雇用創出法が必要であると述べた。
同大臣によると、雇用創出法は政府及び社会に利益をもたらすという。
「我々には法令の簡素化、削減、協調が必要だ。そのために必要なのが、雇用拡大や目標達成を阻むいくつか法律の見直してくれる雇用創出法である。同法は雇用創出の手段であると同時に、事務手続きの簡素化や有効性を高めるものである」と同大臣は語った。
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( 翻訳者:奥野 叡 )
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