専門家「司法審査が必要」、雇用創出法は政府と議会が国民に背を向けている証拠
2020年10月07日付 Kompas 紙
去る10月6日、バリ島デンパサールのウダヤナ大学大学院前で雇用創出オムニバス法可決に反対を示す学生と労働者たちによる団体「アライアンス・バリ・ティダ・ディアム」
ジャカルタ、 KOMPAS.com配信
国内法の専門家であるガジャマダ大学のザイナル・アリフィン・モクタル氏は、雇用創出法について憲法裁判所へ訴えがなされるべきだと語った。
雇用創出法は社会の人々の意向に反するものであるから、司法審査の訴えが出されなければならないと同氏は述べた。
「この法律は明らかに人々の参画や意向に対して政府と国民議会が背を向けるものであり、司法審査を受ける必要がある」と去る10月6日、Youtubeチャンネル「Pengetahuan FH UGM(ガジャマダ大学法学部の知識)」にて配信された記者会見で同氏は語った。
同氏によると、政府らの行動は国民の手に主権が存在することを宣言する1945年憲法1条2項に違反するという。
ザイナル氏は続けて、態度を変えないであろうジョコ・ウィドド大統領へ、国会で可決された雇用創出法への署名を拒否することを期待することはもはやできないと語った。
なぜなら、同大統領は雇用創出法が立法府ですぐに可決されるように最も尽力した人物だからだ、と同氏は述べる。
「レバラン(断食明けの大祭)の前には解決しなければならない、10月までには解決しなければならない、などと実に多くのことを言ってこの法律を最も何とか通したいと思っているのは、実のところ彼である」と同氏は言う。
そうした状況ではあるものの、雇用創出法にゆさぶりをかけ、ジョコ大統領に同法律へ署名しないことを検討させるよう、人々が依然として声を上げ続けなくてはならないとザイナル氏は評価している。
しかし同氏はそのように認めるものの、なお雇用創出法は国民議会での可決後最短30日で施行されるため、大きな影響力はない。
「とはいえ少なくともジョコ大統領による政治的表明があり、そしてそれは、私が最新の選択肢として述べる第三の手段、それは当然司法審査のことだが、そこにおいて強固な記録となりうる」と同氏は述べた。
インドネシア国民議会は、全体総会により去る10月5日に雇用創出統括法を可決した。
同国民議会における9党派の内、雇用創出法の審議結果をすべて拒否したのはインドネシア民主党と福祉正義党のみであった。
その結果、雇用創出法案は可決され法律となった。国民議会と政府の大多数が合意したのである。
政府を代表してアイルランガ・ハルタルト経済調整大臣は、事務手続きを効率化し、雇用を増やすためには雇用創出法が必要であると述べた。
同大臣によると、雇用創出法は政府及び社会に利益をもたらすという。
「我々には法令の簡素化、削減、協調が必要だ。そのために必要なのが、雇用拡大や目標達成を阻むいくつか法律の見直してくれる雇用創出法である。同法は雇用創出の手段であると同時に、事務手続きの簡素化や有効性を高めるものである」と同大臣は語った。
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( 翻訳者:渡邊宏治郎 )
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