ベトナムは生物多様性を守る決然たる行動を各国に呼び掛ける
2020年10月01日付 VietnamPlus 紙
2020年9月30日の国連生物多様性サミットの様子(写真:ヒュウ・タイン/ベトナム通信社)
2020年9月30日の国連生物多様性サミットの様子(写真:ヒュウ・タイン/ベトナム通信社)

 ベトナム時間の10月1日、資源環境省大臣のチャン・ホン・ハー氏はベトナム政府を代表して国連生物多様性サミットに出席し、オンライン形式で「持続可能な発展のための生物多様性についての緊急行動」という主題のスピーチをおこなった。
 このサミットは、第75回国連総会議長のヴォルカン・ボズクル氏の主催により、第75回国連総会の枠組みの中で開催された。
 サミットの目的は、「人間と自然との関係改善公約」の確認、生物多様性の変化を引き起こす原因を解決する方向性の確認、持続可能な発展のための活動や気候変動への対応の中での生物多様性を保全することの大切さの強調、である。
 サミットはまた、ポスト2020年の生物多様性の枠組みに対する野心を高める狙いもある。これは、2021年に開催される国連生物多様性条約第15回締約国会議で可決するために提出される見込みである。
 サミットの全体会議でのスピーチにおいて、チャン・ホン・ハー大臣は、現代において生物多様性は、人間の行動や影響によって脅かされ、深刻な状況に陥っていると述べた。特に、野生動物の違法取引が増加していること、山火事や森林伐採によって自然林の面積が減少していること、気候変動による地球温暖化がその原因となっている。
 上述の社会・経済の発展を目的とする活動は、全世界において大陸と海洋の生物多様性に深刻な影響を与えた。
 チャン・ホン・ハー大臣は、「我々は政策や法律という手段を使用する一方で、生物多様性の保全は1つの道徳的な問題であると考えなければならない時期にきた。まずは指導層からそして全国民に至るまですべての人が[そのように考えなければならない]」と強調した。
 全体会議において、ベトナム政府を代表し、チャン・ホン・ハー大臣は、貴重な資源である生物多様性を守るために、各国は力を結束させ、より実質的で決然たる緊急行動を共に行おうと呼びかけた。このことは同時に未来の各世代の正当な要求に応えるものでもある。
 チャン・ホン・ハー大臣はまた、各国へ実施を呼びかけるために、具体的な行動を掲げた。それらは以下の通りである。

◆元々自然開発や自然からの搾取に頼った現在の経済に代わり、自然資本への
 投資を基礎としたグリーン経済を構築すること
◆自然からの採掘などによる経済発展モデルから、自然とのバランスが取れ、
 生態系に基づいた経済へ考えを転換すること
◆生物多様性は経済の改善策や気候変動への対応策において重要な部分である
 とみなされる必要があると同時に、持続可能な発展への努力を計る物差しで
 あるため、生物多様性の問題を開発プロジェクトへ統合すること
◆現在のプラスチック廃棄物による海洋汚染の状況を緊急に阻止する効果的な
 解決策を実施すること
◆環境問題を解決するための地域的な、また世界的なイニシアティヴの構築
 や、その実現への積極的な関与を促すこと
◆人間と自然が調和し、自然を尊重する関係の構築を重視すること

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( 翻訳者:須賀麻莉子 )
( 記事ID:5486 )