古典詩文からインスピレーションを受けた書道の祭典が開幕
2020年10月02日付 VietnamPlus 紙
展覧会は高齢者である多くの観客を引き付けている
展覧会は高齢者である多くの観客を引き付けている

 書道展「タンロン-ハノイ」は古典詩文からインスピレーションを受けた100以上の書道作品と書画作品を紹介しており、その中にはキヨウ・クォック・カインなどの有名な書道家らの作品がある。

 文化の美しさを称え、魅力的な芸術であり多くの人に愛されている趣味を人々に紹介する目的で、書道の展覧会及び祭典「タンロン-ハノイ」が10月2日午後、文廟・国子監遺跡において開幕した。
 注目すべきは、漢字やチューノムで書かれた作品とクォックグーで書かれた作品のどちらもノン・クォック・チャンの詩「キム・リエン寺の叙情」やチャン・ザイン・アンの「ニ・ハー河を渡って北に戻る」、チャン・バー・ラームの詩「詠銅鼓壇」、ターン・ダーの「西湖望月」などのベトナム文学の宝庫の中の詩文作品からインスピレーションを受けていることだ。
 65歳の書道家、グエン・バンは展覧会に出品した100人の作者の中の1人である。彼は進士の名が刻まれた碑文に由来する、昔の名士に求められた2つの資質であり「文化を用いて民を扱い、武力を使って国を治めて天下を平定する」という意味の4字の書道作品、『文治武功』を持ち込んだ。
 今回の展覧会に参加するにあたり、彼は他の書道家たちと同様にとても張り切っている。
 文廟・国子監科学文化活動センターのレ・スアン・キュウ所長は、展覧会がハノイ、ハイフォン、フエ、ホーチミン市の書道クラブをつなぎ、健やかな文化的遊びの場を造り出したと語った。
 キエウ氏によれば、「昔の名士や科挙の進士の文学芸術作品に基づいて創作された作品は、民族の教育や文化の美しさを体現している」。
 各作品の内容は、タンロン-ハノイの美しい景色や人々、都の文化的・歴史的価値、教育の伝統や国子監での人材育成などを賛美する歌である。
 この文化イベントでは、書道の実演や文字のプレゼント、書道活動についてのトークショー、書道クラブ間の交流や書道クラブと観客との交流、観客による書道体験など、同時にいくつかの活動も行われた。
 これは広い意味では民族の、狭い意味では首都ハノイの文化の本質的価値を守り開花させることに貢献する、首都の重要な祝日を祝う意義を持つ文化活動である。
 古今の書道はもともと、さまざまな種類の文字の輪郭の芸術である。墨を用いるという特徴と筆先の制御技術などの要素が合わさって、文字の一筆ごと、一画ごとが紙の上で生き生きと波打ち、調和し非常に独特な芸術的特徴を持った書道作品の全体を作り出す。何年もの間、書道は首都と全国の多くの人々に関心を寄せられ、歓迎されてきた。書道は徐々に、初春の折のみに行われるものではない文化的活動の1つになってきている。1つの書道作品が完璧に至るには、美しく書くことだけでなく、書き手の内面を体現するなど多くの要素が必要とされる。
 ジャン・トゥルコット氏は開幕式に文廟を訪れた数少ない外国人観光客である。彼はホーチミン市在住のフランス人文学者だ。彼はベトナムの文化を愛しており、今回のハノイ旅行で文廟・国子監を訪れた。
 「私はここで書道作品を鑑賞し、たくさんの写真を撮りました。内容については何もわかりませんし、ベトナム人の若者の多くもわからないと思いますが、私はとても美しいと感じました。各書道作品の線輪郭は趣深く、芸術性に満ちています」とトゥルコット氏は話した。
 この書道の展覧会及び祭典は2020年10月10日まで続く。

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( 翻訳者:山崎瞭子 )
( 記事ID:5493 )