ベトナムは格差是正についてASEANで2番目
2020年10月08日付 VietnamPlus 紙
ベトナムは貧困削減において印象的な成果をおさめたものの、格差は広がりをみせており、今後数十年の発展プロセスを脅かすとみられている。
オックスファム[国際NGO]と開発金融機関(DFI)が実施した2020年の格差縮小コミットメント指数の報告によると、ベトナムはASEANでは2位、158カ国中77位と傑出している。
この指数は、世界各国の格差是正を目的とした政策の取り組みを多角的に測定したもので、財政支出・累進課税・労働者の権利の分野が評価される。
ベトナムは貧困削減政策を実施し印象的な成果を出してきたものの、格差は広がりをみせており、今後何十年にもわたり発展のプロセスを脅かすおそれがあると報告書は強調する。
具体的に経済格差は、発言力や機会の格差と並行して生じ、社会的流動性や世代間の仕事の流動性の失速と相関関係にある。そのため、ベトナムは[格差是正]方法を熟考する必要がある。その方法には、累進課税を増やし財政支出向けの支出を増加させること、最低賃金を生活に充分な水準まで引き上げすべての労働者グループのために社会保障政策を拡大すること、ジェンダー間の賃金格差を縮小させること、より公平な公共政策を伴った体制環境を作り出すこと及び[それへの人々の]参加とフィードバックを強化すること、などがあげられる。
新型コロナウイルス感染症の流行の中で、ベトナムは感染症対策のための適切な政策やその成功を高く評価されている。政府は早期に封じ込めに乗り出し、検査や追跡、隔離、メディアを通じた広報などに取り組んだ。ベトナムは、弱い立場に置かれている2千万人のための補助政策パッケージの実施を通して、新型コロナウィルスの影響による飢餓貧困と不平等の増加を抑制するための方策を打ち出した。より簡単な手続きで迅速な対応が求められていた中で、契約を一時延期された労働者に一か月あたり180万ドン[およそ8000円]の補助金を支給する、とした。
ASEAN加盟国
国・・・・・・財政支出・・・累進課税・・労働権政・・・総合 (順位:世界/ASEAN内)
タイ・・・・・・70/1・・・・40/4・・・・103/5・・・68/1
ベトナム・・・・89/3・・・・12/1・・・・119/8・・・77/2
マレーシア・・・93/4・・・・85/6・・・・ 69/2・・・78/3
インドネシア・・111/6・・・・34/3・・・・111/6・・ 93/4
ミャンマー・・・140/8・・・・63/5・・・・77/3・・・98/5
シンガポール・・87/2・・・・145/9・・・・67/1・・・107/6
フィリピン・・・100/5・・・・106/8・・・・96/4・・・09/7
財政支出に関する分野ではベトナムは格差縮小コミットメント指数が平均程度で、世界で89位、ASEANの中では3位にランクインした。
税の分野では、ベトナムは、ASEAN内でトップであるとともに世界でも12位にランクインするなど良い結果を得た。この結果は、主に世界の税分野におけるコミットメントが日増しに低くなっていることと、同じように悪影響がある税制度を実施した場合、比較の方法が先進国のポイントが発展途上国とくらべてかなり低くなる方法であることによる。そのため、報告書では、ベトナムは、法人税や付加価値税の累進税増税とともに財政支出の水準を高めるためにまだ多くのことをなさなければならない、との見方が示された。
労働政策分野では、ベトナムはASEAN地域内で8位、世界でも119位と軒並み低水準である。これは、独立した労働組合を組織することを制限する政策や弱い立場に置かれた労働者たちが大きな比率を占めていることなどが原因である。しかしながら、最低賃金や女性の権利に関してベトナムは比較的満足のいく結果を得られた。
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( 翻訳者:山本美帆 )
( 記事ID:5517 )