ヴー・ホン・ナム大使、越日協力関係を高く評価
2020年10月16日付 VietnamPlus 紙
ベトナム通信社東京特派員のインタビューに答えるヴー・ホン・ナム駐日ベトナム大使
ヴー・ホン・ナム駐日ベトナム大使は、ベトナム通信社の日本駐在特派員のインタビューに答え、「越日関係は、友好・互恵関係のモデルとなっている」と確認した。
グエン・スアン・フック首相の招待に応じ、日本の菅義偉首相が10月18〜20日、ベトナムを公式訪問する。
これは菅首相の最初の外国訪問であり、首相就任後1か月での訪問になる。また、日本の首相が就任後最初に訪問する国としてベトナムを選ぶのはこれで二回連続となる。
この訪問に先立ち、ヴー・ホン・ナム駐日ベトナム大使は、ベトナム通信社の日本駐在特派員のインタビューに答え、「越日関係は、友好・互恵関係のモデルとなっており、東南アジア地域およびより広範な地域における安定と平和のための協力の基礎となっている」と確認した。
--- 菅首相がベトナムとインドネシアを首相就任後初の外遊先として選んだことについて、大使はどのようにお考えですか?
--- ヴー・ホン・ナム大使:菅義偉首相がASEANの加盟国であるベトナムとインドネシアの二か国を就任後初の外遊先として選んだことは、ベトナム国民に対してだけでなく、東南アジア各国の国民に対しても喜ばしいことです。これは、日本が東南アジア地域を重視していることの現れと言えます。
さらに、日本がこれらの国をより広範な一つの地域の分かつことのできない一部としてとらえていることであり、東南アジア各国家もその一部であると見ていることだと思います。
日本の対ベトナム政策に関連して、私は、今回の訪問はこれまでの各時期、特に安倍政権時代の政策の一貫した継続性を示すものだと考えています。
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外交関係樹立から約50年、ベトナムと日本は、アジアの平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ関係の枠組みの中で、緊密で信頼できる関係になりました。
日本はベトナムの経済発展に重要な貢献をしてきましたが、ベトナムも日本経済に多大な貢献をしてきました。
注目すべき点は、過去10年間、特に安倍政権下で、ベトナムと日本の関係はとても力強く発展したことです。特に投資、貿易、民間交流の分野で両国の協力に関する各数値は大きく成長しました。
これは、越日関係が友好・互恵関係のモデルとなり、東南アジア地域およびより広範な地域の安定と平和のための協力の基礎となっていることを示しています。
近年、日越間の民間交流はとても盛んに行われてきました。現時点で、日本にいるベトナム人の数は50万人に達し、日本の外国人コミュニティの中で最大となっています。
これは、ベトナム人コミュニティが日本人から信頼されていること示しており、さらに、ベトナム人と日本人との間の調和を示しています。
一方、日本の投資家は、ベトナムを信頼性が高く安全な魅力的な投資先として認識しています。これまでに、日本は投資表明額600億米ドル以上の第2位の投資国になっており、これは極めて大きな数値です。
今後、日本政府のサプライチェーン多様化政策により、日本の投資家の間で、投資先としてベトナムを選ぶ、そして、ベトナムへの投資を拡大するという傾向が増加し、日本からベトナムへの投資がさらに拡大していくものと確信しています。
貿易に関し、ベトナムと日本の貿易関係は、互恵関係のモデルと言え、両国の輸出額と輸入額はともに200億米ドル超のレベルで、かなりの均衡がとられています。
これにより、両国間の国際収支のバランスも保たれています。今後、ベトナムを含む熱帯諸国からの商品輸入に対する日本人の需要が高まるであろうし、また、私たちも日本製品に対する需要があります。
--- 菅首相とベトナムの指導者との会談での主な内容についてお話しいただけるでしょうか?
--- ヴー・ホン・ナム大使:今回の訪問は、ベトナムと日本の広範な戦略的パートナーシップ関係の枠組みのすべてをカバーするものです。まず、経済面では、両国の指導者が互いの経済関係をさらに強化、発展をさせる方策について話し合います。
第二に、アジア全域、特に東南アジアで多くの課題が発生し、日本が地域の安全性と安定性の諸問題に関して益々重要な役割を果たしている中で、安全保障、政治、外交、国際協力も両国の指導者間協議の重要な内容の一部になるでしょう。
第三に、両国の指導者には、新型コロナウイルスの感染拡大防止策、特に国境の開放、両国間の商用便の再開における協力についても、慎重に議論してもらい、経済交流、貿易、民間交流を引き続き維持し発展させるための機会を整えてほしいと思います。
--- 菅首相のベトナム訪問に何を期待しますか?
--- ヴー・ホン・ナム大使:新型コロナウイルスの感染拡大が世界の経済や政治に悪影響を及ぼしている中で、菅首相とグエン・スアン・フック首相はじめベトナムの各指導者との会談の結果は、ベトナムと日本の政治外交関係における重要な道標の一つとなるでしょう。
今回の訪問で、両国は、投資、貿易、新型コロナウイルス感染拡大防止に対する新たな解決策を打ち出すとともに、両国の経済・政治関係をより急速、強力に発展させるとても力強い原動力を生み出すことでしょう。
--- 新型コロナウイルスの感染拡大後、多くの日本企業が投資先としてベトナムを選んでいます。新型コロナウイルスの感染拡大がコントロールされた後、日本の投資のベトナムへの波はどのようになると予測していますか?
--- ヴー・ホン・ナム大使:投資の波ということでしたら、私はまだ大きな波は感じていません。しかし、日本からベトナムに向かう投資のとても確実な流れはあると思います。2019年には、日本からベトナムに向かうとても強力な投資の流れがありました。
2020年になり、新型コロナウイルスの感染拡大がそうした投資の流れに影響を与える恐れがあると心配しました。 しかし、現時点で、日本からベトナムへの投資のかなり大きな流れを今も確認できており、とても喜ばしいことです。
特に注目すべき点は、そうした投資が流れる分野や構造が変化している点であり、主にハイテクやテレコミュニケーションなど21世紀の先進的分野、そして、ベトナムの重要インフラに関連した分野に集中している点です。
投資とともに、輸出入も進展していくと思います。民間交流は止まってしまいましたが、ビジネスは続いています。両国間のビジネスは、海路と、特に空路の両面で非常に強力に発展しています。これらは2020年でとても良い兆候だと言えます。
--- 大使、ありがとうございました。
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( 翻訳者:千葉智洋、中村健志郎、桑原美卯 )
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