メトロ3号線(ニョンーハノイ駅間)、2021年第1四半期に地下の掘削始まる
2020年10月29日付 VietnamPlus 紙
ハノイのメトロ3号線計画で使われる掘削機械は、[ホーチミン市の]メトロ1号線(ベンタイン-スオイティエン間)の際に使用されたものと共通点が多い。
ハノイのメトロ3号線計画では、8㎞の高架区間の先行開業と並行して、2021年には4.5㎞の地下区間の掘削を続ける。
ハノイ市メトロ管理員会(MRB)のグエン・カオ・ミン委員長は、メトロ3号線(ニョンーハノイ駅間)の2021年下半期の開業を目標とした高架区間の完成に向けたプロセスと並行して、4.5㎞の地下区間の建設の進行に注力していると明らかにした。
「年内にドイツのヘレンクネヒト社製TBM(トンネル掘削機)を導入し、2021年第1四半期には地下の掘削を始める」とミン氏は強調した。
土地の収用に関するこれまでの問題については、特に各地下駅は市や各区の人民委員会が断固とした取り組みを行い、MRBのミン委員長は、「これまでに土地に関する問題点は基本的に解決したが、現在まだ若干の訴訟が残っており、解決のために注力している」との認識を示した。
MRBの報告によると、2020年9月末までに計画の進捗度は約65.91%に達し、中でも高架区間の建設と設備の設置状況は約80.8%に達している。特に、2020年10月18日には、この計画の中の10車両のうち、ダンケルク港(フランス)を出港した最初の車両がハイフォン港に到着した。10月20日明け方にニョンのデポに移されて絶対的な安全が確保されており、組み立てられてレールに乗せられ、引き続き開業まで試験運転が行われる予定だ。
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この計画が抱える現在の問題点を指摘し、ミン委員長は、次のように伝えた。「MRB側は、計画に参加している請負業者やコンサルタント業者と関連する進捗状況について綿密に連携し、新型コロナウイルスの影響下にある欧州で生産されたすべての設備装置の[新型コロナウイルスの]影響を軽減するため、具体的な解決策を打ち出した」。
ハノイでの最初のメトロ計画の一つであるため、試運転・調整・検収、引渡しのプロセスに関する規定や各行政手続きに新たな点が多くあるとミン氏は述べる。既に前の計画の段階からハノイ市人民委員会はMRBに対し、具体的なアウトラインを詳細に作成するよう指導し、特に試運転・調整・検収・引渡しの作業については、ベトナム政府の専門管理機関と協力して、法規定[の遵守]や計画の要求、水準を保障するよう求めた。
「メトロ3号線は公共投資事業の一つであるため、すべての基盤建設公共事業全体が直面する困難、障害につきあたっている。これらの問題点は、政府に提出され、各国家管理機関が解決をはかっている。首相の要求に従い、公共投資事業促進と並行して新型コロナウイルス感染防止対策も行うという2重の目標を実現するため[2つの目標を同時に実現するため]である」。
安全管理やメトロ3号線計画の質の評価に言及し、特に列車の設計・製造プロセスとこの計画のための各設備は欧州で現在最も先進的な基準や規定を遵守している、とミン委員長は明かした。さらにMRBも、欧州での都市鉄道事業の監督において多くの経験がある独立したコンサルタント業者を雇い、システムの安全を評価する。
「現在、合弁会社の各車両は、実施規程・計画通りに試運転・調整段階に入っている。この計画がメトロシステムを供給し、各車両が求められる品質、特に求められる安全性を確保すると信じている」とミン委員長は断言する。
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駐ベトナムフランス特命全権大使のNicolas Warnery氏は、フランス側は、これまで打ち出された目標を実現するためにハノイ市やMRBと共に歩み、今後、ベトナムに専門家を追加派遣する努力を行い、早期にこの計画が実施され完了することを目指す、と約束した。
「ベトナムへの最初の車両の輸送は円滑に行われ、求めに応じてデポに移された。複雑な作業ではあるものの、フランス側は予定されている残りの9車両についても成功させる」とNicolas Warnery大使は確認した。
予定では、メトロ3号線は、[ハノイ駅から]延伸されチャンフンダオ通りの地下を通り市の南側に入りホアンマイ区まで行く、地下8㎞区間が追加される。現在の計画を延伸する事業を始めるため、調査が進められてきた。この計画は、欧州のドナーの支援を受ける見込みで、その中にはフランス開発庁、アジア開発銀行も含まれている。
メトロ3号線は全長12.5㎞で、12駅あるうち8駅が高架駅、4駅が地下駅である。ナムトゥリエム区、バックトゥリエム区、カウザイ区、バーディン区、ドンダー区、ホアンキエム区を通る。
ハノイ市は、ニョン-カウザイ区間の8㎞の高架区間を2021年下半期に開業するとしている。この地下鉄線の残りの地下区間は4.5㎞であり、2022年末の完成と開業を予定している。
この計画の投資総額は11億7600万ユーロに上り、欧州投資銀行、フランス政府のODA、アジア開発銀行からの資金の貸付やベトナム国内の拠出金が資金源になっている。
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( 翻訳者:山本美帆 )
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