ベトナムは初等教育の結果で東南アジア6か国の先頭に立つ
2020年12月01日付 VietnamPlus 紙


 ベトナム、ラオス、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、フィリピンが初等教育の結果評価に参加した。

 2019年の東南アジア初等教育学力指標(SEA PLM)に参加した6か国のうち、ベトナムの小学生は読解、筆記、算数の全3項目の能力で1位となった。
 教育訓練省メディアセンターによると、これは東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)が12月1日の午前に東南アジア初等学力指標(SEA PLM)についてのオンライン会議で発表した結果である。会議はベトナム、ラオス、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、またタイ・バンコクのSEAMEO事務局の7か所をつないでオンライン上で行われた。オンライン会議では、各国の教育省指導部がそれぞれの場所で進行に務めた。

   地域差は残る

 SEAMEOによると、初等教育の結果についての評価に参加した6か国は、ベトナム、ラオス、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、フィリピンである。ベトナムは150の学校で832人の教師、4837人の小学生と4160人の父兄について公式にSEA PLMの調査を行った。
 読解項目では、SEA PLMの調査は6段階で小学生の能力を測定した。ベトナムの小学生は平均能力を6段階中最高の「6」と評価された。「6」の評価を受けたベトナム人小学生は82%に上る。2位のマレーシアでは「6」と評価された小学生の比率は58%で、残りの国々の比率はいずれも10%未満にとどまった。 
 筆記項目では、SEA PLMの調査は8段階で小学生の能力を測定した。ベトナムの小学生は平均能力を8段階中「6」と評価された。「8」と評価された小学生の比率は20%で、残りの国々はいずれも2~4パーセントにとどまった。
 算数項目では、SEA PLMの調査は9段階で小学生の能力を測定した。ベトナムの小学生は平均能力を9段階中「8」と評価された。最高値の「9」と評価された小学生の比率は42%で、残りの国々はいずれも10%未満にとどまった。
 詳細な分析から、ベトナムの女子児童と男子児童の算数と読解の分野での学習結果は同等であることが分かった。しかし、筆記の分野では、女子生徒の方が男子生徒よりも上回る結果となった。それぞれの最高レベル(段階5,6,7)における統計ではその差が大きくなっている。 
 分析結果はまた、両親の学歴が子どもたちの学習結果に大きく影響することを示していた。両親の学歴が高いほどその子供の学習結果も高かった。
 SEA PLMの評価によると、都市部と農村部の児童の学習格差はほとんど差が見えないほどに縮小した。しかし、山間部や奥地に住む児童は他の地域の児童に比べ未だに学習結果に差が出ている。

   政策を調整するための基礎に

 オンライン会議での発表で、ベトナム教育訓練省のグエン・ヴァン・フック次官は東南アジア初等教育学力指標(SEA PLM)を設定するというアイデアを高く評価した。
 グエン・ヴァン・フック次官は、このプログラムは各国の教育水準について客観的で公平な評価のものさしをもたらすだけでなく、各国が自国と東南アジア諸国の教育の発展のためにお互いに経験や戦略政策を研究し、共有する機会にもなったと話した。
 フック次官によると、SEA PLMの評価結果や評価データの分析をもとに、ベトナム教育訓練省は目下の、また長期的な初等教育の発展のための政策や戦略を定めていく。その中でも長期的で重点的なのは、山間部や奥地に住む児童の教育の発展のため具体的で実効性のある投資政策を継続することと、少数民族の子どもたちや厳しい境遇にある子どもたちへの補助をしていくことだ。
 ベトナム教育訓練省は児童の両親の学習進度を向上させるための合理的な戦略を立て、家庭内で子供により良い教育ができるように児童の保護者向けの資料やトレーニングプログラムを作成していく。この事業は山間部や奥地、また境遇が厳しい保護者に優先される予定だ。
 ベトナムはまた、生活技能の強化や筆記技能の改善のため男子児童により多くの投資政策を行っていく。校長や教師が学校やクラスを管理する方法や技能、近代的な教育手法や試験評価の方法を身に着けることも、ベトナムの新しい普通教育カリキュラムを効果的に実施するために重視される。
 グエン・ヴァン・フック次官は、その他の長期的、短期的な解決策も用いて、ベトナムは初等教育の水準をさらに向上できると確信しており、今後もSEA PLMに参加していくと話した。

SEA PLM(The Southeast Asia Primary Learning Metrics)は、ASEANが2011年に提唱したもので、各国のSEAMEOの構成国が全体または個々の初等教育状況についてより適切でより深い理解をサポートすることを目的とした各地域の評価プログラムで、そこから各国の教育水準の向上を支援する。プログラムの全体的な目標は、優秀で世界への統合に積極的な市民を育てることである。SEA-PLMプログラムは、児童がASEAN内共通の授業カリキュラムの目標を達成するのに必要な度合いを評価する。評価される項目には、読解、筆記、算数、また21世紀の地球市民の能力が含まれる。

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( 翻訳者:堀春佳 )
( 記事ID:5665 )