ベトナムは世界で15番目に人口の多い国になり、女児不足の危機に直面
2020年12月18日付 VietnamPlus 紙
国勢調査2019の調査結果公表会議に参加した各代表
国勢調査2019の調査結果公表会議に参加した各代表

 ベトナムは世界で3番目に出生男女比率が高く、現状の推定によると、ベトナムでは毎年約45,900人の女児が不足するとみられている。
 「ベトナムの総人口は9,620万人で、そのうち男性は約4,790万人、49.8%、女性は4,830万人、50.2%を占めています。 ベトナムは東南アジアで3番目に人口の多い国であり、世界で15番目です。人口は過去10年で1040万人増加、年平均人口増加率は1.14%で、1999-2009年段階の1.18%と比べると増加スピードが減速しました」。
 上記の内容は、統計総局のグエン・ティ・フオン総局長が、12月18日にハノイで行われた、人口と住宅の状況を調べた国勢調査2019の調査結果公表会議において発表したものである。
 フオン総局長は、2018年6月26日付の首相決定に従って、2019年の人口と住宅の状況を調べる国勢調査が、2019年4月1日0時の時点を以て実施されたと述べた。これは1975年に国家統一を遂げてから5回目のベトナムの人口と住宅の状況を調べる国勢調査となる。ベトナムの全土の人口と住宅の基本情報は、国土の社会経済発展政策策定の業務と、持続可能な開発目標の監査のために利用される。

   過去40年で最も低い世帯増加率

 この報告によると、現在の全国世帯数は2687万世帯で2009年の同時期と比較すると440万世帯増加した。したがって、年平均世帯増加率は1.8%で1999年-2009年段階や、過去40年間で最も低い世帯増加率だった段階と比較しても1~2%ほど低い。
 人口構成については、統計総局のヴ・ティ・トゥ・トゥイ人口労働統計局長が、女性100人あたり男性99.1人という性別の比率の問題に言及した。そのうち、都市部の性別比率は女性100人あたり男性96.5人、農村部の性別比率は女性100人あたり男性100.4人である。さらに、性別比率は年齢層によって異なり、年齢が高いほど性別比率は[男性比率が]低く、0〜4歳のグループ(男性110.3人/女性100人)で最も高く、80歳以上のグループで一番低くなっている(男性48.6人/女性100人)。
 さらに、早婚は依然として頭の痛い問題であり、女性(20〜24歳)の9.1%が18歳までに最初の結婚をする。特に北部山岳地域と中部高原地域は、国内の女性の中で「早婚」の割合が最も高い2つの地域であり、それぞれ21.5%と18.1%である。全体として、15歳以上の既婚者の割合は77.5%であり、そのうち妻あるいは夫がいる者の割合は69.2%である。ベトナム人の最初の平均結婚年齢は25.2歳で、2009年に比べて0.7歳上昇しており、そのうち男性は女性より4.1歳遅れて結婚している(それぞれ男性27.2歳、女性23.1歳)。
 報告によると、ベトナムは10年以上安定した出生率を維持しており、一般的に2人の子供を持つ傾向がある。これにより、女性1人あたり2.09人の子供の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の平均数)(TFR)となり、代替出生率(長期的に現在の人口規模を維持できる出生率)を下回っている。また、国民の平均寿命は73.6歳であり、そのうち男性の平均寿命は71.0歳、女性の平均寿命は76.3歳である。このように、1989年から現在に至るまで、ベトナム人の平均寿命は65.2歳(1989年)から73.6歳(2019年)へと継続的に増加している。

   適時に人口事業に移行

 会議では、国際連合人口基金の北原直美代表が2019年国勢調査の結果を評価し、ベトナムの出産率は安定し、代替出産率をわずかに下回っており、現在は女性一人あたり2.09人の出生率であると強調した。
 これは、ベトナム政府が持続可能な開発のための2030アジェンダに従い、適時に人口・家族計画化から人口と開発への人口事業の移行について検討したことを示している。
 北原代表によると、国連人口基金は、ベトナムが人口と開発に関する国際会議で定められた原則に完全に準拠した法的および政策的な措置を展開することを推奨している。つまり、それぞれの個人と夫婦は、子供の数、出産時期、そして出産の間隔を自由に選択し、責任を負うことができる。
 「私たちは人々に、10〜19歳の青年期の女性グループの特徴的な出生率に注意を払ってもらいたいと思っています。現在、女性1,000人あたり11人の子供という割合です。これは、ベトナムが、青年期にある若者グループにおける現代の避妊方法や家族化計画の需要に応えるため、投資を強化しなければならないことを示しています。特に若者へのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスケアサービスの質に関心を持ち、彼らが自ら決定をするためにこれらのサービスへのアクセスを保証することです」と北原代表は語る。
 人口の高齢化に関して、国民経済大学のザン・タイン・ロン博士は、国勢調査の結果がベトナムの人口が前例のない速度で高齢化していることを示していると述べた。
 具体的には、全国で60歳以上の人口が1,140万人で、総人口の11.86%を占め、老化指数は35.9%(2009年)から48.8%(2019年)に上昇した。 その中で、高齢者の大多数が女性であることを意味する、高齢者人口の「女性化」の新しい傾向を強調している。さらに、一人暮らしの高齢者も日に日に増加しており、このことは社会全体の関心が必要な問題でもある。
 北原代表によると、過去にベトナムは出生率の調整と制限のプログラムを実施しており、それが人口の急速な高齢化につながっている。また、ベトナムは出生時の性別比率が世界第3位であり、現状から推定すると年間約45,900人の女性新生児が不足する可能性が出てくる。
 「胎児の性別の選択は主にベトナムを含む世界中の多くの国の伝統文化に深く根付いた男児を好む心理から発生しています。
 ジェンダーに基づく性別の選択は、人権とジェンダー平等の観点から防止されるべき行為です。それだけでなく、出生時の性別比率の不均衡は、人口統計学者が「結婚圧力」現象と呼ぶ結婚状況にもすぐに影響を及ぼし、同時に出生率のさらに深刻な低下につながります」と北原代表は分析する。
 「したがって、ベトナムは、ジェンダーに基づく性別選択の慣行を防ぎ、闘い、若い女性の価値を大切にし、普遍的なジェンダー平等を促進するためにさらなる強力な努力をする必要があります」と同代表は勧告する。
 全般的な評価として、フオン総局長は、過去10年間、多くの困難と課題に直面したにもかかわらず、党の指導、国家の管理や政治システムと全国民、全軍による闘争努力の下、わが国が医療、教育、事業、人々の生活条件の分野で重要な成果を達成できたことを強調した。
 「我が国の人口規模は10年前の段階に比べゆっくりの速度で増加しています。民度は改善され、子供たちが規定の年齢に正しく従って学校に通う機会がますます保証され、学校に通っていない子供たちの割合が急激に減少し、専門的、技術的な高いレベルのある人口の割合が増加しています。人々の健康、特に母子の健康が強化されています」とフオン総局長は強調した。

◆20の主要な指標

人口と住宅に関する国勢調査2019

9,620万8984人
2019年4月1日0時時点のベトナムの総人口

❶人口規模
男性4,788万1061人
女性4,832万7923人
都市部3,312万2548人
農村部6,308万6436人

❷2009年-2019年段階平均総人口比率
総計 1.14%
都市部 2.64%
農村部 0.43%

❸人口比重
15歳未満 24.3%
15歳以上64歳以下 68.0%
65歳以上 7.7%

❹平均初婚年齢
全国 25.2歳
男性 27.2歳
女性 23.1歳

❺18歳までに初婚する20-24歳の女性比率
全国 9.1%
北部山岳地域 21.5%
紅河デルタ 6.0%
沿岸地域 7.7%
中部高原 18.1%
東南部 4,0%
メコンデルタ 9,7%

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( 翻訳者:天野友亜 )
( 記事ID:5685 )