若者の時期を民族解放闘争と国家の建設の貢献に専念した後、52歳で、レー・コン・コー氏は教育の仕事に従事するという願いの実現のために退職を申請した。
　刷新・維新の精神を持った公立外の大学建設という夢の実現のために、優秀教師のレー・コン・コー氏は家族の家を担保にし、友人からお金を借り、50回も手続きのやりとりをした。
　あらゆる面で不足のあった中部発の私立学校は、物質的基盤も借り受けなくてはならなかったが、レー・コン・コー氏の舵取りの下、その学校は今、国内トップクラスの公立外の大学となり、中部地方最大規模で、中部・中部高原地域の人的資源に多大な貢献をしている。
　自身の功績により、優秀教師のレー・コン・コー氏は政府から労働英雄の称号を授与されるという栄誉を受け、第10回全国愛国競争大会の参加者の一人となった。

　　　維新の願望から…

　教育者レー・コン・コー氏は、1941年にクアンナム省のディエンバンで生まれた。彼は13歳から革命活動に参加し、24歳でベトナム共産党の党員となった。
　何年にもわたる多くの地域での革命活動において、彼は何度も死の危険を乗り越えてきた。彼は党や国家から重責を任せられ、中部・中部域解放学生連合主席（1963〜1966）、ダナン市青年団書記（1964〜1965）、トゥアン・ティエン・フエ省の青年運動委員会書記兼青年団書記（1969〜1972）、トゥアン・ティエン・フエ省党委員（1972〜1976）を歴任した。彼はフエにおける1968年のテト攻勢のような激戦で第810大隊に政治員として参加した。この大隊はフエの旗台で解放旗を掲揚し、1975年３月25日、フエ市内の解放を指揮した。
　自身の貢献により彼は党、国家から第二等独立勲章、第一等抗戦勲章、第一等抗米勲章、第一等解放勲章などを授与された。
　解放後、彼はクアンナム・ダナン省ベトナム祖国戦線委員会副主席、国会議員、クアンナム・ダナン旅行会社社長など多くの職務を務めた。しかしながら大学への夢は長い間温められ、止まることはなかった。それ故に1993年に52歳で、彼は教育の仕事に従事するという願いの実現のために退職を申請した。彼は、教育を行うことは国への貢献であるが、異なる側面として、間接的により長期的で意義のあることは祖国に質の高い人材源を創り上げることだ、と述べている。
　願いを実現するために、彼はこの時唯一の大きな資産だった家をローンに入れ、友達からも借金した。しかし困難は財政だけでなく、公立外の大学については法的基盤が当時はまだ整備されていなかったことであった。

　北部では、1988年から、タンロン私立大学センターが活動を開始した。南部では、1990年に、ホーチミン市半公立オープン大学校が設立された。しかし、1994年１月になってようやく、教育訓練省は私立大学に関する一時的な規制を公布した。1994年８月、タンロン大学センターはすでに卒業生を輩出した後にようやく学校法人としての十分な資格を得て、私立大学となった。
　そのため、教育者レー・コン・コー氏は1993年から1994年まで２年間続けて大学開校申請のための運動、説得、手続きのために50回以上列車で中部からハノイへ出かけた。1994年11月11日、改革、刷新の夢を携えた中部初の私立大学となるズイ・タン大学の設立を許可する666/TTg号首相決定に、コー先生は喜びの涙を流した。

　　　…一流の私立大学になるまで

　初期資本が少なかったため、学校は人材や物質などあらゆる面で不足し、教育のために教室を借りなくてはならなかった。教育者レー・コン・コー氏の指導のもと26年以上経って、ズイ・タン大学は中部で最初かつ最大の私立大学になり、多くの分野領域の教育を行い、中部・中部高原地域の質の高い人材の育成に重要な貢献をしている。現在大学は学士から博士までの教育を実施しており、学士で34、修士で８、博士で５つの専攻をもち、53000人以上の学生を教育、教育と学術研究において国内でトップクラスの私立大学の一つである。

　レベルを高めたいという思いから、速く進むには「巨人の肩の上に立つ」べし、技術を徹底的に応用すべし、と教育者レー・コン・コー氏は多くの施策と大胆なアイデアを持って、世界をリードする大学と「握手」した。2006年からこれまでに、大学は400万米ドル以上を使って、カーネギーメロン大学、ペンシルベニア州立大学、カリフォルニア大学フラートン校のアメリカの３大学から版権を買い、工業課程を教育する先進的な10の課程の教育科学課程を入手した。
　先進的な課程の「輸入」事業にとどまらず、氏は学生を海外に留学させ、単位交換プログラムを展開している外国の大学と協力する形で国際的な学位を取得させた。（一部をズイ・タン大学で、一部をアメリカ、イギリス、シンガポールの大学で学ぶ）。特に、2017年にはズイ・タン大学は、トロイ大学とケウカ大学（アメリカ）と正式に提携を結び、ベトナムの学生たちが故郷に居ながらにして国際的な学位を取ることができる機会をもたらし、中部において新たな節目をつけることができた。
　自然科学研究は多くの大学にとっては弱い点であったが、ズイ・タン大学ではコー先生によって特別に重視され、多くの支援策が備えられ、参加する教授、学生が奨励された。大学は6000以上の科学製品、約3400のISI記事、３つの特許を発表している。

　校舎や教室を借りなければならなかったところから、建設と発展への再投資のために非営利で建設、発展させる方針で、現在学校は36ヘクタール以上の敷地に５つの教育施設がある。教室、実験室、図書館、現代的な教育研究設備はアメリカの大学と同レベルのものを備えている。
　こうした尽力の結果、QS大学ランキング機構が発表したように、大学は2021年アジア大学上位400位に、ネイチャーインデックスでランク付けされたベトナムの研究機関のトップ５にランクインした。またアメリカの主要認定機関であるABETによってネットワークエンジニアリング、管理体系、情報体系の3課程について、国際的な基準に従った品質であると認定を受けたベトナムの３大学の一つである。
　学校建設に費やした26年間、教育者レー・コン・コー氏は、故郷と祖国への愛とベトナムにおける教育を刷新したいという願いを持って、あらゆる努力を行ってきたし、ズイ・タン大学の更なる発展のために努力を続けていくと述べた。
　ベトナム大学協会のチャン・スアン・二―元副会長は、優秀教師レー・コン・コー氏を優秀な教育者であり、このズイ・タン大学評議会主席は現時点で、協会から教育訓練省に対し労働英雄の称号授与を政府に申請するよう提案された最初で唯一の人物であるとした。
　「ズイ・タン大学の創設者及び指導者としてレー・コン・コー先生は、中部地域のみならず国家全体における公立外大学の教育の道を切り開いた。ズイ・タン大学の成功によってコー先生は大学教育の社会化の成功も実証し、国家の発展に大きな貢献を果たした」とチャン・スアン・二―助教授は述べた。

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（ 翻訳者:浅田大輝、千葉智洋、中村健志郎 ）
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