なぜ、ベトナム人はVinFastの電気自動車の注文に殺到するのか?
2021年03月25日付 VietnamPlus 紙
Cクラス車のVFe34
なぜ、ベトナム人はVinFastの電気自動車の注文に殺到するのか?
3月24日午前、VinFastの電気自動車で最初の「ヒット作」であるVFe34が、プロモーション期間に頭金の預入口座開設を通じて、5億9,000万ドン(約280万円相当)の魅力的な価格で販売されることが正式に発表された。
VinFastは週の半ばに最初の電気自動車モデルの頭金の受入れについて発表して、話題を巻き起こした。
手頃な価格で驚きを与え、ネット上では至る所で人々が新たなトレンドに興奮し、頭金の預入れを決め、最初の電気自動車を受け取る日を待っている。VFe34はCクラス車であるが価格はBクラスであることに加えて、この車が自動車市場を席巻している理由は何であろうか。
滅多にない優遇価格での頭金設定に衝撃
3月24日午前、VinFastの電気自動車で最初の「ヒット作」であるVFe34が、プロモーション期間に頭金の預入口座開設を通じて、5億9,000万ドンの魅力的な価格で販売されることが正式に発表された。このCクラスのスマート電気自動車が、多くの優れた機能を持っていること、また魅力的な価格(予約注文の受付期間中は5億9,000万ドン)が設定されていることについて評価されている。これに加えて、ユーザーを驚かせたのはVinFastの前例にない販売方針である。
具体的には、ベトナム製の初の電気自動車の購入を希望する顧客は、ウェブサイト上(https://shop.vinfastauto.com/vn/car-vfe34.html)か、1,000万ドン(約5万円相当)の手数料を支払って全国のショールームや代理店を通じて頭金を支払うだけでよい。キャンセルをしても、キャンセル料はかからず、頭金は100%返金される。
VFe34をいち早くオーダーした顧客の一人で、ハノイ市ロン・ビエン区のグエン・テー・フンさんは、VinFastの手法は現代の電気自動車分野で滅多にない手法であるだけでなく、自動車市場でも前例のない手法であると述べた。彼によると、通常、頭金価格は車両の価格に伴うものである。
Cクラス車の場合、頭金は通常3,000万〜5,000万ドン(14万円~24万円相当)であるももの、概して市場にあるほとんどの自動車メーカーは、キャンセルをした顧客に頭金を返金するという寛容な販売方針を取っていない。実際、不注意により何かあったとしても、あるいは単に他の車種に「恋」をした場合、少なからぬ人々はこの数千万ドンを失うとの点を認めざるを得ない。
フンさんは、「私は、ベトナム人による電気自動車を体験したいので確実に頭金を入れたままにしておきますが、明らかにこの販売方針は非常に柔軟です。原則としては頭金を入れたものの商品を受け取らないのは損失であるとはいえ、1,000万ドンという手数料分ならば少額であり、顧客にとっては『安心して引き出す』ことができる額です」と述べた。
VinFastが発売した初日の午前、フンさんと同じように熱狂する何千もの人々がいた。このような顧客を満足させるのは、柔軟性が高い頭金に加えて、全ての人が、1年間無料のバッテリーレンタルがついて、わずか5億9,000万ドンのプロモーション価格(通常価格は6億9,000万ドン)で車を購入できることである。
この価格は一般的な現代の電気自動車市場において、評価に対し非常に手頃な価格である。ベトナムでは、同程度のスマート電気自動車を利用したい場合、輸入車ではVinFastの現在の価格より数倍高くなる。
考え抜かれた方針、電気自動車への障壁を取り除く
世界の電気自動車の価格が高い理由の一つに、高価なバッテリーシステム費用がある。電気自動車のバッテリーは車両価格のうち30%も占める。そのため、ユーザーは環境性能が高いバッテリーのために最大数万ドルもの追加費用を払う必要がある。言うまでもなく、ユーザーはバッテリー硬化による劣化や誤作動といった運転中のバッテリーのリスクも負う。
VìnFastは独自の、かつ前例のない解決策を見つけた。それは車両価格からバッテリーの価格を切り離し、車両価格を下げ、顧客に燃料消費に対する最大限の自由をもたらしたことである。(車両価格の1/3を占める)バッテリーの全額を支払い、車両に応じた固定バッテリーを取り付ける代わりに、ユーザーは1400kmで月額1,450,000ドンのバッテリーレンタル料を払うだけで済む。
ユーザーの評価では、このバッテリーレンタルのパッケージでの航続距離は1日あたり約47kmで、平均して妥当で、一家族の往復距離の需要を十分に満たす距離である。1,400kmの基準距離を超えて追加料金が発生した場合でも、顧客は998ドン/kmだけ支払うだけで済む。さらに、充電での電気代は約484ドン/kmであり、バッテリーのレンタル料と充電での電気代を合わせても1,482ドン/kmで、これは1kmあたりのガソリン車でのコストと同じである。
バッテリー充電の問題に関して、VinFastには柔軟な解決策がある。ユーザーは自宅の充電ステーションやVinの充電ステーション網を活用して充電を行うことができる。現在、VinFastはVFe34の納期に間に合うように全国を網羅する40,000の充電ステーションのシステム構築を急いでいる。フル充電で300kmを走行でき、急速充電では15分で180kmを走行することが可能になる。
VinFastが市場に投入した優れた販売手法でもう一つ驚くべきことは、Smart Solutionの「古い車から新品車に乗り換え」サービスで、化石燃料車から電気自動車に乗り換える顧客に対して3,000万ドン(14万円相当)をプレゼントする「グリーンフューチャー基金」である。
「電気自動車を買えばお金がもらえる」と、目下、多くのユーザーがこの特別な販売手法を駆使するVinFastについて語っている。中でも、今から6月30日までのインセンティブを適用されるVFe34の価格は5億ドンを少し超える程度に過ぎない。
「驚異的なインセンティブや柔軟な頭金、バッテリーレンタルの販売手法、各地にある充電ステーションシステム、3,000万ドンのプレゼントによって、電気自動車を所有することがかつてないほど簡単になった」。VinFastの電気自動車の未来のオーナーが、自身のSNSに、興奮した様子でこのように誇らしげに語る。そしてこのことは、今日、人々が殺到して頭金の預入れを決め、最初の電気自動車を受け取る日を待っているトレンドを説明している。
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( 翻訳者:岡部紘平 )
( 記事ID:5987 )